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第三章
グラッドは子供達の前に出た、すると子供達は彼を笑顔で囲んでじゃれついた。
「おじさん来てくれたんだ」
「待ってたよ、おじさん」
「今日はどれだけいるの?」
「ここにどれだけいられるの?」
「夕方までいられるよ」
グラッドは子供達の頭を撫でながら笑顔で応えた。
「今日はね」
「そうなんだ、それじゃあね」
「今日はずっと遊べるね」
「じゃあ何して遊ぶ?」
「どんな遊びするの?」
「皆はどんな遊びがしたいのかな」
子供達に合わせるのだ、彼の遊び方は。
「言ってみてくれるかな」
「うん、じゃあね」
「まずはお絵描きしよう」
「それでその後は西部劇ごっこしよう」
「ホームズにならない?」
探偵ごっこもという子供もいた、それぞれ色々な遊びをグラッドにお願いした。
グラッドは子供達とそれぞれ親身に一緒になって遊んだ、それも心から喜んで。そして夕方に帰る時にだ。
子供達にだ、彼は言った。
「おじさんまた来るからね」
「もう帰るの」
「おじさん帰るんだ」
「楽しかったけれど」
「これでなんだ」
「絶対に来るよ」
このことをだ、子供達に約束するのだった。
「だから待っていてね」
「うん、じゃあね」
「僕達待ってるからね」
「おじさんがまた来てくれる時にね」
「また遊ぼうね」
こう笑顔で言ってだ、子供達と手を振り合って明るく別れた、そのうえで孤児院を後にするがその時にだ。
彼は駐車場まで見送りに来てくれた牧師にだ、こう言われた。
「いつもすいません」
「いえ、これで子供達が喜んでくれるのなら」
「いいのですか」
「はい、私は」
こう牧師に答えるのだった。
「それで満足です」
「子供達が喜んでくれたら」
「いいです」
「それはあの子達が少佐のお友達だからですね」
「はい、最初ここに来たのは」
「たまたまでしたね」
「そうでした」
その時のことからだ、グラッドは牧師に話した。
「最初は、本当に」
「いつも仰っていますね」
「そうでした、ですが」
「それでもでしたね」
「海兵隊員はどうあるべきか」
「合衆国市民の範たれですね」
「ですから」
孤児院に入りというのだ。
「寄付をさせて頂きましたが」
「その時に我が孤児院を見てですか」
「子供達が寂しい様に見えたのです」
彼のその目にだ、そう見えたというのだ。
「ですから」
「遊んで頂いたのですね」
「その時に言われた言葉です」
「友達だと」
「私があの子達の」
「友達だと言われたことがですか」
「とても嬉しかったのです、友人は最高の宝です」
人間にとってというのだ。
「ですから友人としてです」
「この孤児院にもですか」
「来ています」
「友人ですね、あの子達は」
「そう思っています、私は」
「そうですか、実は」
牧師はグラッドに穏やかな笑みを浮かべて話した。
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