リリカルなのは 深緑の男
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第二話 深緑の戦士立つ
深夜のスクラップ置き場
一つの球体が宙に浮いていた。球体はあたりを分析すると部品のようなものを集めだした。
そして禍々しい怪物が現れた。
『グゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・』
怪物の目にはフェイト・テスタロッサの姿が映っていた。
第二話 深緑の戦士立つ
山脈地帯にある人里離れた街道を青年はバイクを走らせながら考えていた。
(なぜネオ生命体が・・・あの時倒したはず・・・望月博士と一緒に居たあの人に関係が?)
やがてバイクは森に入ると青年はある荒れ果てた場所にたどり着いた。かつてミッドチルダにてネオ生命体の研究が行われていた施設の一つだった。
青年は研究室跡に入ると辺りを物色し始め一つのファイルを見つけた。
「・・・これは」
青年が目を通したのはプロジェクトFとネオ生命体の融合という箇所だった。
「・・・まさか・・・この実験が密かに行われていたのか」
青年はそのファイルをくまなく見た。
別の場所ではフェイト・テスタロッサが裁判所へ向かうべく護送されていた。
「え?」
突然の爆撃に横転する車。
「な・・なに・・・」
フェイトが車から這い出るとそこには怪物がたっていた。
「な・なに・・・なんなの・・・」
(フェイト・テスタロッサ・・・)
目の前の怪物はフェイトを認識すると歩み寄った。
「く!バルディッシュ!!」
身の危険を感じたフェイトはバリアジャケットを装着すると目の前の怪物に斬りかかった。しかし怪物はバルデッシュを掴み取りそのままフェイトを投げ飛ばした。
「ああ!」
壁に叩きつけられるフェイト。
「く!!」
フェイトはそのままバルディッシュで斬りかかるが怪物は赤子の手を捻るようにフェイトを投げ飛ばした。
「は・・はぁ・・」
力の差がありすぎる。だがフェイトはなのはや友達を思いこの状況を打破するべく斬りかかった。
「うああああああああ!!!」
「く!あ・・・あ・・・」
突如青年の頭にフェイトの悲鳴が響き渡った。
「グオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
怪物から怪光線が放たれたバルデッシュで受け止めるが悲劇は起きた。
「は・バルディッシュ!!」
フェイトのデバイス、バルディッシュが粉々に破壊されてしまった。
あまりのことに絶望するフェイト。
だが怪物はそんな事お構いなしといった具合にそのままフェイトに近づいた。
「う・・あ・・・」
怪物に首を持ち上げられるフェイト。バルディッシュが破壊された今なす術が無い。
その時爆音が響いた。
「!!」
壁が突き破られバイクと共に一人の戦士が現れた。戦士はフェイトを掴んでいるモンスターの手を切断した。
『グガアアアアアアア』
「あ!」
地面に落下したフェイトが見た者は・・・
「仮面・・・ライダー・・・」
フェイトが見たのは緑色の身体、鮮血を思わせる玉、そして赤い瞳を持つ戦士だった。
(違う・・・一文字さんじゃない・・・)
フェイトが今見ている仮面ライダーは一文字ではなかった。
仮面ライダーを見つめる怪物の瞳の中にプレシアの姿が映った。
(見なさい!これが私達の創り上げた・・・改造人間第一号よ・・・人間の身体の改造は・・・まだ未熟だけど・・・)
怪物は仮面ライダーを認識すると腕を再生させた。
『ガアア!!』
鋭利になった腕を再生させると仮面ライダーに向かっていった。
「!!」
仮面ライダーはモンスターに飛び掛るとフェイトから距離を離した。そして追撃をしようと殴りかかるがモンスターの光線で吹き飛ばされてしまった。
「ぐおあ!」
モンスターはフェイトの目の前に仮面ライダーを投げつけた。
「ひっ!」
目の前の仮面ライダーが味方かどうかわからないフェイトはおびえている。
「く!とお!とお!!」
目の前の怪物を何度も殴りつける仮面ライダーだが目の前の怪物にあまり効果がない。
その隙にフェイトが逃げ出した。
「とお!!」
仮面ライダーの攻撃が怪物に突き刺さるが怪物は仮面ライダーを締め上げた。
「ぐ!」
そのとき逃げ出したフェイトの姿を見た怪物は仮面ライダーをフェイトの前に投げつけた。
「はっ!!」
目の前に落ちてきた仮面ライダーに驚くフェイト。
「ぐ・おあ・・・」
怪物の追撃が繰り出されるその時。仮面ライダーがフェイトを抱きしめ跳躍した。光線の連撃を浴びせられるが仮面ライダーがフェイトの盾となっている。
「ここに隠れているんだ」
仮面ライダーは再び怪物と対峙した。攻撃が繰り広げられるがモンスターに決定打になっていない。すると千切れた配線を見つけた。
「く!とお!」
仮面ライダーは配線を突きつけると怪物が苦しんだ。先ほどから受けていたフェイトの電撃が今になって効いてきたのか。配線の電流で怪物の細胞バランスが崩れた。
『ぐ・・があ・・・』
倒れる怪物に対し・・・
「今だ!!」
仮面ライダーはバイクにまたがるとそのまま突撃した。
『グアアアアアアアアアアアア!!!』
すさまじい圧力に吹き飛ばされる怪物はそのまま動かなくなったのを見届ける仮面ライダー。
しばらくするとフェイトの元へ管理局員が保護に来た。
「大丈夫だった」
「は・はい」
リンディの言葉にフェイトは辺りを見回す。
「・・・あの人はどこに?」
フェイトがあたりを見渡しても仮面ライダーの姿は無かった。
「・・・・・・・・・・」
無事に管理局に保護されるフェイトを青年・麻生勝は影から見守った。
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