ドリトル先生と森の狼達
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第五幕その六
「本当かどうかわからないけれど」
「実際狼は人を襲わないですし」
「野生化の中でもね」
「一番聞くお話の一つですね」
「他にも熊とかに育てられたっていうお話もあるね」
「そうだね、そうした子供もだね」
「野生ですね」
二人も頷いて言います。
「人間も野生にになる」
「そのことは間違いないですね」
「そして野生は決して悪くはないよ」
先生は否定しませんでした、こうしたことを頭ごなしに否定することは先生にとっては絶対にしてはいけないことなのです。
「文明イコール素晴らしいでもないしね」
「野生イコール駄目という訳でもない」
「善悪じゃないですね」
「そう、確かに僕達は文明の中にいるね」
「今もね」
「そうですね」
「そう、けれど文明は便利なものがあっても」
それでもというのです。
「何もかもがいい訳はないね」
「自然を破壊したりもするね」
「文明自体が人を脅かすこともありますね」
「野生は確かに危険なことも多いよ」
先生もよく知っています、これまで多くの冒険の中で。
「けれどこうしてね」
「空気は奇麗で」
「景色も素晴らしくて」
「沢山の動物の皆もいて」
「楽しい場所でもありますね」
「二つの世界の境界は曖昧でね」
そしてというのです。
「どちらも素晴らしいものなんだよ」
「そういうことだね。それにしても」
ここで王子が言うことはといいますと。
「本当に狼が育てた人っているのかな」
「疑問も出ているね」
「狼に人間は育てられない」
「そう、身体の構造や生活の違いでね」
こうしたものの違いによってというのです。
「無理なんじゃないかっていう説も出ているよ」
「やっぱりそうだね」
「確かに狼は人を滅多に襲わないけれど」
それでもとです、先生はお話します。
「それでもね」
「人を育てるには」
「無理があるといえばね」
「あるね」
「生物学的に考えていくとね」
生成は生物学者としても考えて言うのです。
「空想科学みたいには考えないけれど」
「何でもかんでも否定する?」
「それも自分の知識だけでね」
これも先生が決してしないことです。
「しないよ」
「そこも先生らしいね」
「うん、何でもかんでも科学でとってつけて、しかもしたり顔でアニメや漫画のことを批判して無理だという行為はね」
「かえって科学的じゃないよね」
「僕はそう思うよ」
だから空想科学はというのです。
「ああした考えには賛成出来ないね」
「先生無闇な否定しないね」
「絶対にしたらいけないと思うよ」
「そこから最気に進めなくなるから」
「しないよ」
本当に絶対にというのです。
「狼に育てられた話も」
「実際はどうなのかな」
「わからないね、けれどね」
「それでもだね」
「うん、僕も考察していっているよ」
「いるのかいないのか」
「そのことをね。ネッシーにしても」
先生のお国で相当に有名な謎の生きものです。
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