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もし俺がFate/Zeroの世界でランサーのマスターになった場合

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第八槍

 
前書き
改めて思うけど、キャスターの旦那っていい声してるよなぁ
ライダーもだけど 

 
「お、キタキタ来ました。あれは……ん、セイバー陣営だな」

俺とランサーは、現在倉庫街にいた。
ランサーを実体化させて、他のサーヴァント、並びにマスターのおびき寄せを行っている。
ふむ、英霊ホイホイ、もしくはマスターホイホイと名付けようかな。

死にたくない俺が、何故に率先してこんな死地に飛び込むような真似をするのかと言えば、まぁ答えられる理由は一つだ。
原作じゃ、アサシンのあれの次はランサーが仕掛けていたのだ。
もしここで俺達が出なければいきなりの原作ブレイクだ。さすれば、転生者としてのアドバンテージが失われるに等しくなる。
出来るだけ、出来れば出だしだけでも行動に移す必要があった。

令呪? んなもんここで使うわけがないだろうに

さて、説明はこのくらいでいいだろう。

俺は戦場となる倉庫街が見下ろせる位置に陣取っている。
ランサーの槍には俺手製の布を巻かせてある。これは、原作のランサーが使っていたものと同じでランサーの真名を明かさないためのものだ。要は、宝具の能力をあれを巻くことで消している。

「……やっぱり、アーサーとアイリスフィールだけか……」

こちらから伺えたのは二人の女性。
一人は青の服に甲冑を纏った金髪の女。もう一人は銀髪赤目の女。

「てことは、衛宮はどっかに隠れてるんだろうな……」

だが、ここからは見えない。どうせ、倉庫の影に隠れているのだろう。
狙撃ポイントについたら俺のことを狙ってくるだろう。
一応、左右を囲まれた場所に身を置いているが用心して損はない。俺は直ぐに結界を体に沿わせるようにして張り巡らせた。

「頼むぜランサー」

俺の視線の先には赤槍と黄槍を構え、セイバーと対峙するランサーの姿。
一人の騎士として、名乗りをあげたりさせてやりたいが、態々バラして不利になるのは許可できない。
ただでさえ、ランサーは火力で劣るのだ。決め技である必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)を警戒されては勝ち目がないに等しい。

セイバー、真名はアーサー・ペンドラゴン
彼の有名な騎士の王だ。アーサー王伝説と言えば、前世の俺でも名を聞いたことがあるくらいだし。
約束されし勝利の剣(エクスカリバー)なんて、アニメ漫画じゃ定番だ。
そんなのが最強クラスのセイバーで召喚されたのだ。その戦闘力は計り知れないものになる。

一応、この事はランサーにも伝えてある。
対峙する前から相手正体を知り、尚且つ自分は名を明かしてはならないと命令されたことに渋々納得してくれたランサーだった。複雑そうな感情が見てとれただけに、ほんと、申し訳ないと思う。
セイバーの剣は宝具の能力により見えなくなっている。幸いにも刃渡りを覚えていた俺は戦闘前にランサーに大体の長さを教えてある。
これで二本の槍の能力を使わずに戦えればいいのだが……

やる気満々のサーヴァントたちを見て思わずため息をつく。

「うまくいけばいいんだけどな……」


相手はセイバー。油断はできない。


だが、出来るだけのことはやった。まずはここを乗り切ればいくらでもやりようはある。


「……それに、他のお客さんもみているようだし」

視線を移し、俺は遠く離れた橋を見据えた。
ライダー陣営が橋の上に御到着のようだ。あの戦車(チャリオット)の速度に使い魔が追い付けるはずがないので先回りさせて待たせていたが……狙い通り来てくれたのでほっ、と安堵の息を吐く。

見渡せばアサシンも監視中

これでうまくいけばライダーに加えてアーチャーも出てくるし、釣られてバーサーカーも参戦。更にこの戦いをキャスターが水晶で見ているのだ。尚、これは待ち伏せさせていた使い魔の視覚情報から判明している。現在進行形だ。

全七騎のサーヴァントが何かしらの形でこの一戦に関わっている。

「さぁて、俺が死なないための戦いを始めようか」 
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