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4.神無異がクトゥルフ神話舞台に行くよ!

作者:クシャル
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人間じゃない

外なる神二体を強制返還させた白夜は、その場から忽然と姿を消した。

白夜がいるのは地下鉄だった、しかし気を失って倒れていた。

その後白夜はすぐに救急搬送された。

人間で言う内臓破裂を起こし、肋骨も何本か突き刺さっていた。

医者たちが全力で手を尽くし、一命は取りとめた。

そのことを知ったエレンは、白夜が搬送された病院へと急いで向かった。

エレンがたどり着き、白夜が眠っている個室へと入る。

そこには医者とナースが一人ずついた。

エ「あの••••エレカルト・リーゼです!

白夜くんは••••••••⁉︎」

「異常な生命力のおかげで一命は取りとめた、だが••••目覚める可能性はないだろう••••。

もはや生きているのが不思議なくらいだ。」

医者は首を振る、エレンは絶望し、その場で涙をこぼす。

「側にいてやりなさい。」

それだけ言うと医者とナースは部屋を後にした。

しかし、この後白夜の異常な回復力に目を疑うこととなる。




一方病院内ではーーー

「ねえねえ聞いた⁉︎

なんかこの病院に超イケメンの人が入院したらしいのよ!」

「そうそう、それね!

いいなぁ、私もその人のこと看病したいわ〜。」

「付きっ切りで、なんてね〜、あははっ!」

「残念、実は私その人を看病することになったの!」

「あっちゃ〜、こんな美人さんに敵うわけないわ〜。」

「そうねぇ、まっ、頑張りなさいよ!」

なんと、国からの命令で白夜が女であることが隠されていた。




白夜が入院してから3日経った、エレンは学校を休み付きっ切りで看病していた。

エ「白夜くん、早く目を覚まさないかな••••••••。」

エレンは白夜が一生目を覚まさないということを受け止めていなかった。

エ「白夜くん••••、君が目を覚まさないと僕また一人ぼっちになっちゃうよ••••••••。」

白夜の手を握り俯くエレン、そんなときに空気を読まずに扉が開かれた。

「あら、あなたはお見舞いしに来たの?」

嘘くさい笑みを浮かべるナース。

エ「はい。」

「そうだったのね、学校はいいの?」

エ「だって白夜くんの看病しないと••••!」

ふと笑みを消したナースが近づいてくる、エレンはビクリと体を震わせた。

「学校行きなさい、ね?」

怖い笑みを浮かべてグイグイと部屋の外に出そうと押す。

エレンは押しに負けて部屋を後にした。

しかしナースの思惑通りに行くはずもなく、そのナースにはちょうどいいタイミングで呼び出しがかかり時間が過ぎた。

そして夜。

エ「あっ••••、今日は月が出てない、新月なのかな?」

ガラリと扉が開かれる。

エ「あっ••••、朝のナースさん••••••••。」

「あら、まだいたの?」

エ「友達を看病して何がいけないんですか?」

エレンは白夜を庇うように立ち、威嚇する。

「全然いけなくないわ、でも私にとってはあなた、邪魔なのよ。」

エ「そっ、そんなの知りません、親にも許可は取りましたし••••。」

「そんなことはどうでもいいの、彼は私の患者、貴女に渡しはしないわ。」

エ「ッ!」

恐ろしい形相をしたナースが迫る、エレンは膝が笑うも白夜の手を握り立ちはだかった。

ついに何かされるのか、そう思い目を瞑ったエレン。

突如背後から懐かしい声が聞こえた。

白「俺が寝てるのに騒がしくしないでいただけませんかね、安心して寝ていられないよ。」

ついに白夜が目を覚ましたのだ。

白夜の化け物じみた回復力は、3日で意識すら回復させてしまった。

開かれた紅い瞳が輝く。

エ「あ••••白夜くん••••••?」

白「おはようエレン、付きっ切りで看病してくれてありがとな、学校とかあっただろうに。」

エ「いいよ••••、白夜くんが戻ってきてくれるなら••••••。」

エレンは白夜の首に抱きつく、白夜は困ったような顔をするが決してそれを拒もうとはしなかった。

白「さて、ナースさん。」

「わっ、私ぃ、嶋川って言いますぅ〜。」

急に態度を180度変え、顔を赤くしてもじもじと体をくねらせる。

白「••••トイレ行きたいのなら行ってきていいんだぞ?」

だがしかしやはり白夜、恋心の方面はまったく知識がなかった。

「えっ、えっとそうさせてもらいますねぇ〜、何かあったらお呼びくださぁい、すぐ駆けつけますからぁ!」

顔を真っ赤にして出て行ってしまったナースの行動に首をかしげる白夜。

白「ナースなのに風邪ひいてるのか?」

エ「えっと、もしかして分かってない••••?」

白「ん?何が?」

エ「いや、何でもないよ••••。」

ため息を吐くしかないエレンであった。

白「ん、そうか。

エレン、ちょっと外に付き合ってくれよ。」

エ「その前に担当医師に報告しなきゃね、一歩でも動いたら重石置くからね!」

白「はっ、はい••••••。」

可愛い顔して恐ろしいことを言うエレンにびびる白夜だった。




「確かにピンピンしてるね••••、僕も初めて見るよ、こんなに素晴らしい回復力を持った子供は。」

白「じゃあ俺もう退院していいかっ!」

「いや駄目だよ、まだ完全に治ったわけじゃない。

それにまだ傷が痛むんだろう?

誤魔化していても顔に表されているよ。」

白「ぐぅ••••。」

「まあでも、病院の敷地内なら散歩くらいはしても大丈夫だろう。

ただし、車椅子に乗ること、傷口が開いたら大変からね。」

白「うぅ••••••俺の自由がぁ••••。」

エ「まあまあ、一日中ベッドで寝てなきゃいけないわけじゃないしいいじゃん。」

白「••••そうだな、まあいいや。」

「今度傷口が開いたらベッドに縛り付けるからね。」

白「へーへーわかりやした〜。」

お手上げ状態の白夜だった。




白「綺麗な屋上だな。」

エ「ああもう車椅子に乗ってなきゃ駄目だよ!」

白「いいのいいの、どうせすぐ治るさ。

今日は新月だし調子が良いんだ。」

エ「まったくもう••••、怒られても知らないからね?」

白「怒られるのは仕方がないことだからな、そんときは非を認めるさ。」

エ(あれ、意外••••、俺は悪くねぇ!なんて言うかと思ってたんだけど••••••。)

白「言わねぇよそんなこと。」

エ「えっ?」

白「俺にも非があるなら言わねぇよ。」

エ「えっと••••、声出てた?」

白「いや、出てない、強いて言うなら読心術だ。」

エ「はっ、もしかして神様⁉︎」

白「お前神サマとか信じるんだ。」

意外そうな顔をする白夜に頬を膨らませてエレンは怒る。

エ「いっ、良いじゃん別にっ!

っていうか、何で白夜くんがそんなことできるのさ?」

白「人の顔色を常に伺ってりゃ自然に身につくもんさ、お勧めはしないがな。」

エ「そうなんだ••••、今更こんなことを聞くのも変で失礼だと思うけど••••••白夜くんって一体何者?」

エレンの問いに、白夜はベンチに腰をかけて静かに話し出す。

白「俺は人間じゃない、だから人間の親に捨てられた。

いや、正確に言うと殺された。

コインロッカーに閉じ込められてな、あそこは地獄だった。

何度も何度も死んで、誰かに拾われた、まあ結局気味が悪いって理由で川に捨てられて溺死した。

苦しかったよ、何度も何度も溺死して、やっと川岸に上がって生きられるようになった。

そこからは全部自給自足だ、食物はほとんどが木の実とか虫とかだったな、決して飢えることはなかった。

でもある日、俺がいつも通り食材を取ってたところを動物に勘違いされて撃たれた。

残念ながら俺の人間での体はそこで消滅した。

そっからはこの肉体で生きてる?いや、死んでるかもしれないけど••••。

ともかく、この肉体は人間よかは優れてるんだよ。

だから回復力も身体能力も異常だ。

そのためKも人間ではない!」

エ「••••え?」

白「俺は身体能力〈異常〉だぞ?

自衛隊ですらついて来れんよ、だがKは楽々着いてきた、だからあいつも人間じゃない。

だが••••おそらく人間ではない何者かの記憶を、何かの拍子に失ったと考えられる。」

エ「そういえば••••最近ケイさんを見ませんね、どうかしたんですか?」

白「Kは死んだ、鉄骨に貫かれてな。

あの死に方は異常だった、俺はKを殺した犯人を探してる。」

エ「ケイさんが••••••••?」

エレンは絶句する、しかし白夜は淡々と話し続ける。

白「Kは死んだ、俺も人間じゃない、そして今日は新月、ずっと待っていた、新月の夜を。

エレン、これから見ることは絶対に他言してはいけない、分かったな?」

エレンはコクコクと頷く、白夜は笑ってエレンの頭を撫でた。

エレンの顔は赤く染まる。

白「それじゃあ始めますか!」

新月の夜、人間が寝静まった頃、病院の屋上で異様な光が発せられた。




白「神崎3分クッキング〜。」

エ「••••••••••••何これ••••?」

白「というわけでこれから神崎 ケイ••••いや、元神崎 ケイだった人物を蘇らせます。」

エレンは状況についていけず固まったまま、それでも白夜は淡々と物事を進めていく。

白「新しい肉体と神崎 ケイの魂を用意します、そして魂を放ちます。

あとは勝手に魂が器に入り、定着するのを待ちます。」

〜3分後〜

?「う、う〜ん••••しそがっこが••••しそがっこが押し寄せて••••••••◯△※〃〆⁉︎」

白「おはよーございまーす、イメチェンした?」

?「してないですよ!

ってあれ?何故私はここに••••、というか何故エレンさんにゾンビを見るような目で見られて••••••••。」

白「記憶に問題なし、成功しました。」

?「ええっと、何が?」

白「今からお前は神崎 ケイではなく、弟の神崎 ケイト、元の名前にトを付け足しただけだから覚えやすいだろ?」

褒めろと言わんばかりに胸を張る。

K「(それでも表記は変わらない••••と。)それにしても大きくなりましたね。」

白「多分Kと同じだぞ、死んだときからお前の時間は止まったままだからな。」

K「••••はっ、そうだったんですか⁉︎」

白「知らなかったのか?

死んだら時間の経過なんてあまり必要じゃないだろ。」

K「そうですか••••私は••••••。」

白「ケイト、黄泉の世界からお帰り。」

エ「おっ、お帰りなさい••••です。」

K改めケイトは一瞬ポカンとするがすぐ笑顔になった。

K「はい、ただいまです。」

白「つーわけで、食うぞ!」

いつの間に買ってきていたのか白夜の手には大きなケーキの箱が。

エ「ちょっ、怪我人がそんなもの食べたら••••!」

白「甘味さえあれば回復できる。

甘味••••すなわち俺たちの回復源••••、だから糖分摂取しないと治りが遅くなる。」

エ「何その理屈••••、まあいいけどさ、僕ちょっと白夜くんの個室から果物取ってくるから先に食べてていいよ!」

エレンは一旦屋上を後にした。

白「ケイトの復活、大量の甘味、そして新月ときた、こんなときに酒がありゃあなぁ。」

K「白夜さん、約束覚えていますか?」

白「あ〜覚えてる覚えてる、これでも白さん記憶力には自信があるから。」

K「好きです。」

白「うん知ってる。」

K「付き合ってください。」

白「何処に?」

K「••••••••結婚してくれますか••••。」

予想外の返答に困るケイト。

白「ケイト、お前は本当に幸せなのか?

お前にはもっともっと素敵な人がいる、そういう運命だ。

俺はな、常に狙われている立場にある、でもお前は違う。

俺に巻き込まれて命を落とすことになるかもしれない、実際鉄骨のときもそうだった。

これから先お前が俺と一緒にいるというのであれば、そういったものはどんどん増えてくる。

俺はお前に死んでもらいたくはない、お前の人生を無駄にして欲しくはない。

だから今一度言う、お前にはもっともっと素敵な人がいる、そういう運命だ。

ケイト、お前が運命の人を見つけて、それでもまだ俺のことを好きでいてくれるなら、少しは考えてやるよ。」

K「少しですか••••。」

ケイトがクスクスと笑う。

白「俺には恋愛感情というものがない、だから恋愛的好意をもつことは皆無なんだ。

俺はケイトもエレンも好きだ、でもそれは愛情ってだけであって決して恋愛感情ではない。

でもなケイト、がっかりしないでほしい。

俺は人間とか神とかが嫌いだ、でもお前らのことは好き、俺が誰かを好くってことはそうそうあるもんじゃない。

ましてやお前たちではな。

それでも俺はお前らのこと、好きだぞ。

だから、ケイトやエレンが間違いを犯したとしても、俺はお前らのことは嫌いにならない、絶対にな。

お前らが道を違えたそのときは、俺がちゃんと戻してやるよ。」

K「何このイケメン、私より男らしいってどういうことですか。」

白「白さん男勝りだからっ!(キリッ」

2人は顔を見合わせた後、笑い出した。

エ「僕だけ仲間はずれ••••?」

白夜とケイトの背後には修羅••••と見間違えるほどの嫉妬の怒りを持ったエレンが立っていた。

白「なんだエレン、帰ってきてたのか、気がつかなかった。」

K「つまり影が薄いってことですね。」

エレンは膝を抱え地面に「の」の字を書き始めた。

白「エレン、ケイト、誕生日おめでとう!」

それと同時に音もなく白夜の背後に花火らしきものが上がる。

「「••••何で知ってるの(んですか)⁉︎」」

白「俺が『他人のプライバシー保護』なんてきくわけないだろ?」

エ「歩くプライバシー侵害がここにいた••••。」

花火らしきものが上がっているのにどうして音が鳴らないんだ!というツッコミはなく、そのまま夜が更けていった。 
 

 
後書き
うん••••吐血したい。

何これ意味がわからないよ。

エレン、出番少なくてごめん。 
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