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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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空白の7年

「「「「「「「「「「かんぱ~い!!」」」」」」」」」」

俺たちは天狼島から・・・アクノロギアの襲撃から無事に帰還することができた。しかし、それは7年もの歳月との引き換えによるものだった。
今はその7年間の空白を埋めるかの如くみんなで大騒ぎをしています。
俺たちにとっては本当に少しの間しか経ってないように感じてるのに、他の人たちは7年も経っているなんて少し信じられないな・・・
でも、ロメオくんが俺より大きくなったりしてるのを見ると、やっぱりそれだけの時間は流れてしまったのだと改めて感じることができる・・・

「お前も火の魔法使うのかロメオ!」
「またギルドの温度上がっちゃうね!!」

ナツさんとハッピーはロメオくんの魔法を聞いて盛り上がっている。ロメオくんはナツさんに憧れていたからなぁ、きっと同じ炎系の魔法が使いたかったんだろうな。

「冷たい炎も出せるぜ」
「おおっ!青い炎!」

ロメオくんは手から青い炎を出してみせる。その反対の手から、紫色の炎を出す。その炎は、机にくっついているように見える。

「これはなんだ?」
「父ちゃんと同じ、紫のくっつく炎。あと変な臭いの黄色い炎」
「くせぇ!!」

ロメオくんの黄色い炎の臭いを嗅いだナツさんは表情を歪ませていた。

「大したものだな」
「お前、親父よりスペック高くねぇか?」

リリーとガジルさんが感心している。すると、ナツさんは腕を組んで何かを思い出している。

「ん?この魔法どこかで・・・」
「あい」

ナツさんとハッピーはロメオくんの魔法に心当たりがあるようだ。ロメオくんはマカオさんに聞こえないように小さな声で話をする。

「父ちゃんには内緒で、兎々丸先生の魔法塾に行ってるんだ」
「あいつ、そんなことしてたのか」

ガジルさんは嬉しそうにそう呟く。兎々丸さんって確か元幽鬼の支配者(ファントムロード)のエレメント4の一人だっけ?だからガジルさんも嬉しそうなのか。

「懐かしいな!俺あいつの炎全色食ってねぇしなぁ。よーし!!俺も会いに行こうかな!!」
「ギヒッ」

ナツさんは会いに行く気満々でガジルさんも何やら楽しそうに笑ってる。そうしたら、ロメオくんが申し訳なさそうに言う。

「ごめん。ナツ兄の話は禁句なんだ」
「だよねー・・・」

どうやらナツさんは兎々丸さんのトラウマか何からしい・・・ナツさんはそんなことお構いなしに遊びに行きそうな気がするけど。

「しかし、お前が四代目妖精の尻尾(フェアリーテイル)、マスターとはなぁ・・・」

こちらではマスター・・・じゃなくてマカロフさんとワカバさんとマカオさんがそんな話をしている。

「なーに言ってんだよ。こんなの代行みてーなもんだよ!今すぐこの座返すよ」
「いや、面白いからしばらく続けてくれい」

マカオさんの言葉にマカロフさんは髭をいじりながらそう言う。 それにしても面白いからって・・・どんな理由ですか!!

「マジか!!」

初代がメイビスさん、二代目がプレヒト、三代目マカロフさん、四代目・・・マカオさんか・・・なんか迫力に欠けるような・・・

「先代がそう言うならもうしばらく!!」

しかしマカオさんはそんなの関係なしに楽しそうに笑っている。

「このなんとも言えねぇがっかり感が受けんだけど!」
「じゃろ?プクククク」

ワカバさんとマカロフさんはそれを見て笑っている。ひどい人たちだな・・・

「何!?」

こちらではエルザさんがアルザックさんとビスカさんと話していると何やら驚いている。

「結婚したのか!?お前たち」
「6年前にね」
「聞いてよエルザさん、プロポーズ私からなのよ!!アルってば・・・」
「その話はよせよ・・・」

アルザックさんはやっぱり奥手な人だったか。でも結婚したから髪もすっきりさせたのかな?なんか以前の髪よりすっきりしててかっこいいですね。

「おめでとう・・・ふつつかものだが、よろしく頼む/////」
「誰か・・・止めろ・・・」

エルザさんはマックスさんの胸ぐらを掴み顔を真っ赤にしながらゆらゆらと揺すっていた。何がどうした?

「何言ってんだ?エルザ」
「自分に当てはめてごっちゃになってるわね」

なるほど・・・エルザさんって意外と面白い人なんだな。

「素敵ね!!子供はいるの?」
「娘が一人」
「アスカって言うんだ」

()ルザックさんとビスカ(・・)さんでアスカちゃんかな?どんな子なんだろ。と、それよりも今は・・・

「エルザさん」コソッ
「ど・・・どうした」

俺はいまだにショートしているエルザさんに耳打ちする。なんか頭から白い煙出てるけど大丈夫か?

「実は、俺とウェンディも付き合ってるんですよ」コソッ
「何!?」

エルザさんは驚きすぎて大声を出す。あまりに至近距離だったから耳がキーンってしてますよ。

「シリルとウェンディまで・・・私のいない7年間で一体・・・」
「落ち着いてくださいエルザさん」

俺とウェンディはあなたと同じ時が止まってた組ですからね?別にこの7年は関係ないですからね?

「あの・・・リーダスさん・・・これ・・・」

そんな中ウェンディは手に紙を持って震えていた。俺はますますショートしているエルザさんを放ってそちらに近寄っていく。

「ウィ。俺なりにウェンディの7年間の成長を予想して描いてたんだ」

7年後のウェンディの予想図か。ちょっと気になる・・・ってエドラスのウェンディみたいになってるような気がするけど・・・
俺はそれを後ろから覗き込む。そこに描かれているウェンディは今よりもずっと大人びている表情をしている。しかし、ウェンディはある一点を見て震えていた。それは、

「お胸が・・・」
「ん?なんか言った?」

リーダスさんの描いた7年後のウェンディは、背も伸び大人びているのに、なぜか胸だけ小さいままだった。

「落ち着いてウェンディ!!」
「ウィ。シリルの7年後も想像して描いてみたんだ」

リーダスさんはそういって一枚の紙を俺に手渡す。 俺の7年後だと・・・エドシリルみたいな感じかな?ちょっと楽し・・・

「リーダスさんこれ・・・」

俺はそこに描かれた自分を見て絶句する・・・

「どう見ても女の人にしか見えないんですけど・・・」
「ん?なんか言った?」

そこに描かれているのは確かに大人にはなっているのだが、男っぽくなっていると言うよりも、女よりに大きく成長している俺だった。

「私・・・大きくなっても大きくならないんでしょうか・・・」
「俺・・・大人になっても女っぽいままなんでしょうか・・・」
「ウィ?なんか変なとこある?その絵」

リーダスさんは頭をかきむしりながら困っている。変なとこっていうか、納得できないって言うか・・・

ガチャッ

「あら、いらっしゃいませ」

俺とウェンディがショックを受けていると、ギルドの扉が開き、5人の人が入ってくる。

「おおっ!!揃っているようだな」
「誰だありゃ・・・」

5人の内の一番大きい人がそう言うと、エルフマンさんは見覚えがないらしくそう呟く。あの声って確か・・・

「皆さんのご帰還、愛を込めて、おめでとうですわ」
「おおーん!!」
「息災であったか?」
「7年間歳とってねぇ奴等に言ってもなぁ・・・」
「また騒がしいギルドに逆戻りか」

そう言ったのはニルヴァーナの時に連合軍で共に戦った蛇姫の鱗(ラミアスケイル)のリオンさん、シェリーさん、ジュラさんと・・・犬っぽい人と眉毛が凄い人だった。

「お前ら!!」
蛇姫の鱗(ラミアスケイル)!?」
「天狼島の捜索には、天馬にも蛇姫の鱗(ラミアスケイル)にも世話になったんだよ」

マックスさんが俺たちに教えてくれる。
連合軍で一緒に戦った皆さんに助けてもらったんですね。感謝です。

「そうだったのか」
「借りができちまったな」

エルザさんとグレイさんはそう言う。グレイさんはリオンさんと兄弟弟子だからあんまり借りを作りたくないんだろうなぁ。

「気にすることはない。天馬に先を越されたが、実力は俺たちの方が上だしな」
「そっちかよ・・・」

リオンさんって意外に負けず嫌いなんだな・・・

「だってこの7年間で、私たち蛇姫の鱗(ラミアスケイル)はフィオーレNo.2にまで登り詰めたんですもの。残念ですわ、ルーシィさん」

シェリーさんは胸に手を当てながら得意気にそう言う。以前までの厚化粧と違ってたから一瞬誰だかわからなかったのは内緒です。

「・・・ってことは、一番は天馬!?」
「そんな訳あるかよっ!!」
「キレんなよ。いや・・・天馬じゃないんだが・・・」

ルーシィさんに犬っぽい人がキレ、眉毛の人がそれをなだめる。

「まぁ、そんな話はよかろう。皆、無事で何よりだ」
「オオーン」

ジュラさんがグレイさんの肩に手を置きそう言う。そんな中、リオンさんはなぜかある一人の女性を眺めていた。
その女性とは、ジュビアさん。

「っ!!」

リオンさんはジュビアさんに近寄り肩を掴む。

「これが一目惚れと言うものか!」
「え?え?え?」
「うわ・・・超ストレート!!」
「まためんどくせぇことになってきた!!」

なんとリオンさんがジュビアさんに一目惚れしちゃった!!つーか伝えるのが直球すぎて尊敬できるわ・・・

「ちょっと・・・これって・・・ジュビア・・・修羅場!!」

ジュビアさんはそういって何やら想像し始めたけど、一つ気になるのはなぜグレイさんから出てるハートの矢印がリオンさんに向いているのかということだ。

「すごい想像力ね」
「勘弁してくれ・・・」

ルーシィさんもグレイさんもさすがにあきれるしかないようだ。

「つー訳で、俺がカナの親父だったんだわー!!」
「コラァ!ベタベタ触んな!!」
「だって嬉しいんだもんよぉ!!」
「その緩んだ(ツラ)どうにかしろよ!!てかおろせー!!」

ギルダーツさんがカナさんをお姫様だっこしながらそんな話をしている。あの二人って親子だったんですね。それにしてもギルダーツさんの顔が幸せそう・・・

「もっとまともな設定なかったのかよ」
「さすがに騙される気がしないのである」

ウォーレンさんとビジターさんはじゃれあっている二人を見てそう言った、

「じゃ~ん!!これがアスカ!」

アルザックさんはそういって一枚の絵を俺たちに見せる。そこには一人の女の子が描かれていた。

「「「「おおー!!」」」」
「お二人にそっくりですね!!」

ウェンディの言う通り、確かに二人に似てるな。なんとも可愛らしいですね。

「なるほど、ウェンディとシリルに似た感じだな。可愛らしいぞ」
「え!」

リリーが俺とウェンディに似てるっていうと、ウェンディは何やら衝撃を受ける。

「うぇぇぇぇぇぇぇん!!リリーまで!!」
「え!?なぜだ!!」

ウェンディは泣きながら俺に飛び付いてくる。

「大丈夫?」
「ったく・・・リリーも空気読めよなぁ・・・」
「よくわからんが・・・すまん・・・」

きっとさっきのリーダスさんの絵のことを気にしているんだろうな。
その後、俺とガジルさんとリリーは泣いているウェンディを一生懸命あやしてました。






























しばらくして・・・

ギルドでのドンチャン騒ぎも終わり、俺は7年ぶり(実感的には一週間ぶりくらい)の自宅へと歩いている。

「というか7年も家空けてて大丈夫なのかな?」

ギルドの皆さんも俺たちのこと死んだかもしれないと思ってたらしいし、まさかとは思うけど部屋の契約勝手に解除されたりしてないだろうなぁ・・・
俺は少し不安を抱えながらも借りているアパートに向かって足を進めている。アパートの前まで来ると、そこには俺と同じくらいの背丈のおばあさんが立っていた。

「大屋さん!」

その人は俺の住んでいるアパートの大屋さんだった。

「よく帰ってきたねぇ。無事で何よりだよ」
「いやぁ」

まさか俺たちが帰ってきたからお出迎えにでも来てくれたのかな?いい人だ・・・と思った時期が私にもありました。

「だけど、家賃の話は別だからね」
「・・・へ?」

俺は大屋さんの言葉の意味が一瞬わからなくなる。
だけど、よく考えるとこの部屋の契約が俺たちのいない7年間もずっとされていたということは、つまりこの7年分の家賃を俺は支払う義務があるということで・・・

「あんたが滞納してる家賃、608万J(ジュエル)、しっかり払ってもらうからね!!」
「そんなバカなーーー!!!!!」


俺は大屋さんの無慈悲な言葉に思わず叫んだ・・・




























翌日・・・

俺とシャルルとセシリーは今はギルドのテーブルに集まって話をしている。

「あんたも7年分の家賃を払わされたのね」
「僕たちもフェアリーヒルズの家賃7年分払ったよ~」

シャルルたちもフェアリーヒルズの家賃を7年分払ったのか。そういえば昨日帰る時女の人が何人か白くなって落ち込んでる人たちがいたけどあの人たちはフェアリーヒルズの人たちだったってことだな。
俺は化猫の宿(ケットシェルター)時代に貯めた貯金と魔法コンテストでの賞金が大半なくなってしまい、意気消沈していた。

「そういえば、ウェンディはどうしたの?」

俺はギルドの中を見回してウェンディがいないことに気づく。まさか落ち込んで寝込んでるんじゃないだろうなぁ・・・

「ウェンディならもうすぐ来ると思うわよ」
「そろそろできるころだと思うからね~」

シャルルとセシリーが含みのある言い方をする。何ができるんだ?

「シリル~!!」

俺たちが話しているとギルドの出入り口から声が聞こえる。その主はもちろんウェンディ。

「おはよう、ウェンディ」
「おはよー!!ねぇ、シリル!!実はシリルにプレゼントがあるんだ!!」
「プレゼント?」

ウェンディは手を後ろ手に組んでいると思ったら、プレゼントを隠しているのか。一体何なんだ?すごく楽しみ!!

「はい!!気に入ってくれるといいんだけど・・・」

ウェンディがそう言って俺に手渡してくれたのは、赤いヘアバンド。

「シリル頭に傷ついちゃったから、隠すのにもいいかな?と思って・・・」

今は頭に包帯を巻いてるから傷は目立たないけど、確かに包帯をほどいたら気になっちゃうなぁ・・・もしかしてレビィさんと天狼島で話してたのってこれのことだったのかな?

「ありがとうウェンディ!!」
「ウェンディ、昨日部屋で頑張ってレビィと作ってたのよ」
「「シリルに今日渡すんだ~」って遅くまで作ってたんだよ~!!」
「シャルル!!セシリー!!」

え?これってウェンディの手作りなの?彼女からの手作りのプレゼントかぁ・・・超嬉しいじゃんかよぉ!!

「シリルからもらったヘアゴムと同じ色にしたんだ。私とお揃いにしたくて・・・」

シリルは顔を赤くしながらそう言う。

「ありがとうウェンディ!!絶対大切にするから!!」
「し・・・シリル/////」

俺はウェンディに抱きつきながらそう言う。ウェンディからのプレゼントだもん!!絶対大切にするぜ!!
家賃のことは残念だったけど、ウェンディからプレゼントもらえたのは嬉しかった!!
嫌なことのあとにいいこともあるもんだなぁ、と俺は思いながらそのヘアバンドを頭につける。

「似合う?」
「うん!!すごく似合ってるよ!!」

ウェンディに笑顔で誉めてくれるので、俺も笑顔でそれに答える。その日俺は、そのヘアバンドを皆さんに見せびらかしながら大騒ぎしてた。ウェンディは恥ずかしそうだったけど、嬉しかったんだもん!仕方ないよね!!結局、その日も俺が大騒ぎしてたせいで、ギルドの皆さんも徐々に賑わっていき、いつも通りの宴会になったのは言うまでもなかった。

















 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
天狼島編でウェンディとレビィが話をしていたのは、このヘアバンドのことでした。
実はナツのマフラーに対抗できるような身につける物をシリルにあげたいなと思っており、新テニプリの平等院がヘアバンドを巻いているのを見て、「これ使えるんじゃね?」と思い出させていただきました。
それと、シリルが請求された家賃、読んだ方の大半が「月8万J(ジュエル)の7年分で672万J(ジュエル)じゃね?」と思ったと思います。ここからは私の推測なのですが、天狼島がアクノロギアに消されたのが784年の12月16日、で、シリルたちが帰還したのは大魔闘演舞の最低3か月前となっているので、無限時計編の日数も考えると791年の3月頃に帰ってきたと思われるので、784年の12月から791年の3月分の家賃ということで608万J(ジュエル)としております。
次回もよろしくお願いします。 
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