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もしも、コナンの正体が新一だとばれてしまったら・・・

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灰原と少年探偵団

 ある日の放課後、阿笠邸のチャイムが押された。閑散とした広い部屋に響くチャイムに、灰原は浮かない顔で地下室のパソコンの前に座っていた。

 「いねぇなのかな、灰原のヤツ。」

 元太はつまらなそうに頭の後ろで手を組んだ。

 「せっかく学校の手紙 持って来たのにね。」

 そう言って手に持っていたプリントに、残念そうに視線を落とす歩に光彦が思いついたように言う。

 「もしかして、体調が悪くて出てこれないのかもしれませんよ。今日は、コナンくんも灰原さんも風邪でお休みでしたから。」

 「うそ!? 今日、博士 おうちにいないんでしょ? 大丈夫かなぁ、哀ちゃん……。」

 心配そうに阿笠邸を眺める歩を見かねた光彦は、もう一度チャイムを鳴らした。

 「灰原さーん。学校からの手紙を持って来ましたよー。」

 しかし、一向に返事はない。


 外から聞こえる子供たちの声に灰原は、耳をふさいだ。

 あの子たちを巻き込むわけにはいかない。もう顔も合わせるわけにはいかない。彼の正体が、身近な、その他大勢の人間に知られてしまった。

 もう奴らの魔の手がすぐそこまで迫ってきているかもしれない。 
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