もし俺がFate/Zeroの世界でランサーのマスターになった場合
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第三槍
前書き
今回から会話文はいりまーす
さて、召喚なんだが、無事に済んだという結果だけをお伝えしておこう。
予想通り、召喚に応じたのはランサーのクラス。フィオナ騎士団最強と言われた男、ディルムッド・オディナその人である。
やはりというかなんというか、聖杯に願うことはないとのこと。俺に一人の騎士として忠義を尽くすことが自身の願いだと言いきった。
……うん、逆に真面目すぎて困るかな?
「ランサー、顔上げて」
「はっ!」
召喚陣の上で片膝をつくランサーが立ち上がる。
「一応、召喚時に聖杯から現代知識は与えられてるんだよな?」
「はっ、その通りで」
「よし、ならこの屋敷の中を好きに見ておいてくれ。今後はここが拠点になるからな」
分かりました、と言って部屋を出ていくランサーを見送り、俺は改めて机に向き直る。
目の前にあるのはランサーのステイタスを綴ったメモ用紙。
力 A 耐久 B 敏捷 A+ 魔力 B 幸運 B 宝具 B
対魔力 B
心眼(真)
愛の黒子 C
これ、セイバーに迫るものがあるんじゃねえか?明らかケイネスが契約したときよりもステイタスが上がっているような気がする。いや、気がするじゃなくて、明らかに、か。
契約するマスターによって、そのステイタスは変化するというが、これは俺が優秀、というか持っている力が異常故の強化なのだろう。
「……まぁいいや。強いに越したことはない。死ににくくなるのならそれで十分」
ただまぁ、対人宝具しか持っていないというのは痛い。もちろん、ランサーのクラスは白兵戦に特化したクラスであるため仕方ないのだが、今回のセイバーやアーチャー、それにライダーやキャスターのような対軍あるいは対城宝具のような火力がないことが欠点。真正面からいけばまず勝ち目はない。
セイバーは同じ騎士として白兵戦を望むだろうが、他のやつらはそうはいかん。
アーチャーに関してはマスターの俺共々あの王の財宝で潰しにかかってくるだろう。ランクEXの宝具とか頭が可笑しいとしか思えない。……そういや、ライダーの王の軍勢もEXだったっけか
キャスターに関してはあの本が魔力炉となっているため、あれさえどちらかの槍で斬ってしまえばそれまでなのだが、近づくまでに怪魔を大量に召喚されるだろうし、しかもあれは倒しても再生と増殖を繰り返すため対人宝具しかないランサーには分が悪い。
バーサーカーには相性が良いため特に問題視はしない。
アサシンは……どうだろ、あいつら分かれるからなぁ……この屋敷の結界がアサシンに破られるとは想像がつかないが、まぁ警戒はしておいた方がいいだろう。気配遮断スキルは伊達じゃない。
「白水殿。これから如何しましょう」
「お、もう見学終わり? なら、改めて。今回、君のマスターになった物部白水だ。よろしく、ランサー」
「ディルムッド・オディナ。あなたの槍となることを誓いましょう」
膝間付くランサーにもういいと立つように伝えると、俺は黙って窓の外を見た。
あと呼び出されていないのはセイバー、アーチャー、ライダー、バーサーカー、キャスターの五つのクラスだ。
この時期、それぞれの陣営は誰がマスターでどういった人物なのか調べものをしているはずだ。
……まぁ、俺の経歴やらなんやらは全くないだろうけど。
たしか、遠坂と聖堂教会は裏で繋がっているため要注意。言峰においては途中で遠坂家当主を殺す奴だ。油断はできない。
「……絶対、生き残ってやる」
「何か仰られましたか? 我が主よ」
「ランサー、勝つぞ」
「……我が主の命のままに」
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