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ガンダムビルドファイターズ ~try hope~

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三回戦、ガンプラ心形流 前編

 
前書き
1ヶ月近く更新せずどーもスイマセン。言い訳をさせて貰いますと、ネタ詰まりやらテストやら部活やらこの小説には無関係のガンプラを製作してたりして、書く暇が中々ありませんでした。
恐らく、八月あたりにまた更新が全然されてないという状況があると思いますので、そこはご了承お願いします。
 

 
「盛大に壊れたなぁ~」

「うるせい」

二回戦が終了したあと、宿舎に戻り早速部屋で大破したケルサスガンダムエクシードの修復をしている。まあ予備パーツと取り替えるだけだけど。

「ほいっとな。けど予備パーツがこれで一気に減ったな~」

「うるせい。そう言いながらもお前は予備パーツを作り始めてんだろ? 」

「まあ流石に時間はかかるけど、仮に君のガンプラが胴体以外なら完全に破壊されても大丈夫な位は完成できるね。ただし腕と足と頭部とバックパックの一パーツずつだけどね」

「悪いな。無理させて」

「気にしなさんなよメガネボーイよ」

「訂正。そのまま衰弱死しろ」

「アハハハハ」

無感情で棒読みの笑いを無視し、とりあえずベッドで横になった。横になったはいいものも、やることもないので寝ることにしよう。どうせ俺には製作技術なんてないんですから。

一人心の中で自虐している内に睡魔が襲ってきたので、そのまま戦うことはせずに俺は睡魔を受け入れて眠りに入った。





ーーー--





「遅いわ………」

朝食を食べ終え食器を片付けているも、朝には二人は食堂には姿を現さなかった。となると答えは一つ…。

「寝過ごしているわね、確実に」

呆れながら食堂を後にし、二人のいる部屋へと向かいインターホンを鳴らすも、反応がないので二、三回ほどインターホンを鳴らしたところで部屋の中ならドタバタと大きな音が聞こえた後、扉が開き、ヒロヤが大慌てで出てきた。

「今何時だ!? 」

「八時半よ………」

「そうか。ふぅ………また寝坊したかと思ったぜ」

「ヒロヤ。そうは言っているけど、それでも寝坊だから。というわけで早く朝食を済ませてきなさい」

「お前は俺の母親かなんかか!? 」

そう言いつつも素直に朝食を食べにいき、その後ろからもトウイが出てきてヒロヤの後を追った。





ーーー--





「さて、そろそろ三回戦が始まる時間だな 」

「オーッスお前ら。順調か? 」

「「「ム、ムウさん!? 」」」

会場に向かう途中、後ろから声がかかり振り向くと、久しぶりの出番に浮かれているかもしれないムウさんがいた。

「どうしてムウさんがここに…? 」

「そうですよ。バスの後から姿を見掛けなかったのに」

「どうしてって、お前達と当たるかもしれない相手(ところ)を調べていたんだよ。それで当分出番がなかったわけだ」

作者の野郎…っと小さく聞こえた気がするが、気のせいだろう。てかもしかしたら、ムウさんがそうやって調べものをしているという理由でムウさんの事を忘れていたんじゃないか?

「ヒロヤ君。それ言っちゃ終わりだよ」

「いやでもそうだろ…」

「それよりも、早く会場に行きましょう。遅れるわよ」

シノに注意されたので、再び歩を進め会場に向かう。





ーーー--





「じゃあ早速報告するぞ。三回戦の相手は大阪府代表の天大寺学園だ。主に機動戦士ガンダムOOのダブルオーガンダムで構成されている。それと、相手にはあのガンプラ心形流の門下生で、なおかつ去年でグランプリを獲得した期待の新生、クラタ カオリがチームに所属している」

「ガンプラ心形流? 」

「ガンプラ心形流ってのは、ざっくり言うとガンプラ造形術を極めたり、文字通り心を形に表す流派だね。詳しく知りたかったらwikiってね」

おいそこ。wiki使わせないでお前が説明しろよ。これで強制非公開もとい削除なんかされたらシャレになんないぞ。

「クラタさんの作例とか作品は、雑誌とかでもたびたび載っているわ」

「あっ。僕も毎月雑誌読んでいるけど、よく載せているし、参考にさせてもらってるね」

と、二人揃って無関係の話にずれてきたので、わざと大きく咳払いして本題に戻す。

「要は手強い相手ってことなんだよな? 」

「ああ。ガンプラの完成度はお前達と天と地の差があるといっても過言じゃないだろう。もうあれだな。そこら辺に落ちている雑誌の山以下だ」

例えがわかりずらいんだよ。なんで雑誌の山なんだよ?てかまだ雑誌のネタを引きずってんだよ。

「まあだが、そんなものは関係ない。相手がどこだろうと本気で勝ちに行け。いいな? 」

「「「了解! 」」」





ーーー--





「あれがクラタ カオリか。こうは言っては失礼かもしれないが、キノコ頭だな…」

試合会場に向かう途中対戦相手の中に女が一人いたので、茶色い髪にキノコ頭だが確かにソイツだろう。けどその髪型と色だと、もう見間違うのは仕方ないと思うな。

「それ本当に失礼よ。聞こえてたらどうするの? 」

「シノさん。それフラグだよ」

「すんまへん。既に聞こえてるんやけど」

フラグ設立乙ですシノ。あっ、ついでに俺も。
どうやら、挨拶でもしようとでも思っていたのかいつの間にか近くに来ており、それで会話を聞いていたって訳だな。ふむ、俺にしては中々の推測だ。

「それにしても、随分失礼な事をおっしゃっておりましたなぁ。これでも気にしてはるんよ? 」

だったら髪型を変えればいいと思うんだが、下手なことを口にしない方がいいだろう。火に油を注ぐだけだ。

「え~と、悪い。つい第一印象を口にしてしまった」

「まあええです。ここでとやかく言っても意味ありまへんからね。それよりも…」

「?? 」

「試合の時に、覚悟しておくんやでーー!!! 」

「あっ!カオリはん待って! 」

半ば半泣き状態で会場の中へと走り去って行った。その途中で他のチームメイトもその後を追うついでに俺を睨み付けてきた。

「まあ、何。とりあえず僕達も行こっか」

「そうね。ヒロヤ、とりあえず相手の怒らせるのだけは止めてくれないかしら? 」

「…すまん」





ーーー--





「ただいまより、全日本ガンプラバトル選手権中高部 三回戦 第一試合を開始します。宮城代表天之川学園、チームトライホープ対。大阪府代表上草学園、チームビルドバスターズの試合を開始します」

「おぉっ…。未だに睨み付けられているんだが…。特にクラタ カオリに」

「自業自得だよ」

「ええ。自業自得ね」

お二人に厳しい言葉を頂き、とりあえず一旦忘れるために大きく深呼吸を一つし、バトルシステムに立つ。

『GUNPLA BATTLE combat mode』

『Startup』

『Model Damage level Set to A』

『Please Set Your GPベース』

『Beginning plavsky particle 』

『Dispersal』

『Field 3 moon』

フィールドは、月の裏側だ。

『Please Set Your GUNPLA』

『BATTLE START』

「トオサカ シノ!V2ガンダムホロスコープ! 」

「ハルカゼ トウイ!ヴァルキリーフリーダム! 」

「サオトメ ヒロヤ!ケルサスガンダムエクシード! 」

「チームトライホープ!出ます! 」

「行きます! 」

「出る! 」

バトル開始の合図と共に機体は宇宙空間へと放り出され、敵機の探索を始める。

「ムウさんの情報によると、相手はダブルオーガンダムをベースに改造した機体だったよな? 」

「ええ。ガンプラの完成度は相手の方が一枚も二枚も上。おそらく後手後手になるわ」

「まあそれでも、やることは変わりないよ」

「そうだな……っ!? 」

突如、前方からアラーム音が鳴り、その方向からは三機を丸々呑み込む程のメガ粒子砲が放たれていた。

急いで回避行動を取り、当たるか当たらないかのすんでのところでかわしきり体勢を立て直した。

カメラに写った敵機を確認すると、ザンダブルオーライザーにGNソードⅢを装備、ダブルオーガンダムセブンソードGにオーライザーを装備したという、とりわけ目立った改造のない機体だが、その真ん中には真っ赤に塗装されたダブルオークアンタに、GNシールド二つによりツインドライブを成し、両手にはGNソードVを装備している。

「あれがガンプラ心形流の………クラタ カオリの作品か。見ただけでも凄い完成度ってのが分かるね」

「んなこと言ってる場合か!来るぞ! 」

敵機がこちらに向かってきたのと同時に、こちらも敵機に向かいながらソードファンネルを二刀をサイドアーマーから引き抜き、ダブルオークアンタに向けて右腕を振り下ろす。

ダブルオークアンタは左手のGNソードVで受け止められた直後に、反撃でもう片方のGNソードVを横一線に振るわれたが、左手のソードファンネルを逆手に持ち攻撃を防ぎ、右足で膝蹴りを繰り出す。後方に宙返りして避けられ、宙返りしている最中にGNビームガンを撃ってきたので、咄嗟にクリアーパーツからビームシールドを形成して攻撃を防ぐ。

「バトルの腕もレベルが高いなおい!! 」

「わいさんだけは!落とす! 」

GNソードピットを前面に展開した後、そこから形成されるフィールドに向けてもう片方のGNソードピットをGNソードVに連結させ、GNバスターライフルを撃ち込みフィールドを通っていくと、更にバスターライフルの出力が大幅に増幅してこちらに迫ってきた。

「チィッ! 」

ソードファンネルをサイドアーマーに戻した後、すぐにグラディウスに粒子を纏わせながら鞘から引き抜き、バスターソード並みに纏わせたグラディウスをバスターライフルの攻撃に向かって降り下ろす。

「ぐっ………重っ…! 」

なんとかビームを切り裂いてはいるが、徐々に押されてきており、グラディウスが弾かれそうになる。

「うぅ……あああぁあぁぁぁああ!!!! 」

バーニアも全開にし、機体からも粒子を溢れされながらもバスターライフル受け、ギリギリのところで出力を終えたのかそこで攻撃が収まった。

「ハァ…ハァ…。危なかったな…」

「!?ヒロヤ!後ろ!! 」

「えっ? 」

シノに言われて後ろを振り向くと、ダブルオーガンダムセブンソードGがGNバスターソードⅡを振りかざしてきており、グラディウスで辛うじて受けるも吹っ飛ばされてしまった。

「ヒロヤ君! 」

「行かさへんで! 」

ヴァルキリーフリーダムが駆け寄ってこようとすると、それを阻止しようとダブルオーザンライザーのGNソードⅢのライフルで攻撃され、それをビームシールドで防ぐ。

「当たれーーー!! 」

ヴァルキリーフリーダムがすぐにバックパックの両端に装備した二基のドラグーンを射出し、さらにエイ型の両翼を取り外し、逆手持ちに装備する。

「ブレイドファング………Ⅱ! 」

逆手に持ったブレイドファングⅡをダブルオーザンライザーに向けて投擲し、ドラグーンと一緒に攻撃を開始した。

「キャノンピット!シールドファンネル! 」

V2ガンダムホロスコープもキャノンピットとシールドガン・ファンネルを射出し、ダブルオーガンダムセブンソードGに向けて攻撃を放つ。

「ヒロヤ!今のうちに体勢を………キャアア! 」

「後ろがお留守やで! 」

V2ガンダムホロスコープの背後にダブルオークアンタが蹴りを放ち、その後にGNソードVのライフルでV2ガンダムホロスコープに向けて撃ち続けた。

「それ以上………やらせるか! 」

グラディウスに粒子を纏わせて、ダブルオークアンタに向けて突き出しながら突進する。

「通らせへん! 」

「邪魔だ!どけーーー!! 」

間にダブルオーガンダムセブンソードGが入り込んで来て、GNバスターソードⅡをシールドモードにして構えてきた。グラディウスがGNバスターソードⅡに当たりかけるところで一回転し、ルミノックスに粒子を纏わせながら真横から思い切り振り抜き、GNソードⅡブラスターに当たる。
それによる爆風で態勢が崩れたところにそのままルミノックスを振り抜いてダブルオーガンダムセブンソードGを吹き飛ばした。

「アサルト・ストライク! 」

グラディウスに粒子を纏わせて、ダブルオーガンダムセブンソードGを吹き飛ばした勢いを利用してそのままダブルオークアンタに向けて突き出しながら突進した。

「ふっ! 」

ダブルオークアンタはグラディウスを両方のGNソードVで背後に受け流し、そのまま振り返って左側のGNソードVを構えて降り下ろそうとすると、ルミノックスがダブルオークアンタの腹部に横一閃にかざされていた。

「あかん! 」

右側のGNソードVで後少しのところで防がれたが、そのままダブルオークアンタの左後ろに回り込み下からルミノックスを振り上げた。

「くっ! 」

左側のGNシールドで防がれたが、すぐに相手の右後ろに回り込み、斜めに降り下ろした。
しかし、今度は右側のGNシールドで防がれ、そのまま右側のGNソードVを横から振り抜いてきたが、体勢を落としてかわし、ルミノックスも横から振り抜いた。

「しまっ!? 」

「クラタはん!危ない! 」

「!? 」

ルミノックスがダブルオークアンタに当たりかけたところで、ダブルオークアンタザンライザーが割り込んでダブルオークアンタを吹き飛ばし、代わりにダブルオーザンライザーが左腕と胴体が真っ二つに切断した。
すると、やられる直前にパージしたのか、爆風の中からザンライザーが飛び出した。

「すまんクラタはん!やられてもうた! 」

「気にせんでええよ。けど、こうなったら本気で行くしかないようやね」

「せやな。おーい!こっちに戻って来いや! 」

「分かっとるわ! 」

あちらでヴァルキリーフリーダムと、バックパックのメガランチャーとガトリングをパージし背部がミノフスキードライブユニットだけになったV2ガンダムホロスコープとの戦闘中のダブルオーガンダムセブンソードGがダブルオークアンタの元に戻ってきた。しかし、ダブルオーガンダムセブンソードGは両腕と頭部が破壊されていた。

「ヒロヤ君! 」

「ヒロヤ! 」

ヴァルキリーフリーダムとV2ガンダムホロスコープも戻って来て、揃って相手と対峙する。

「シノ。大丈夫だったか? 」

「ええ、なんとかそれよりも………」

「ああ……」

 
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