魔法少女リリカルなのは 世界を渡りあるく者
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終章 未来へと 〜機動六課 解散〜
これにて舞台は一時閉幕
ーーかつて、一人の少年がいた
機動六課が発足してから早一年、この一年間はまさしく激動の一年間だったな。目を閉じれ見れば見るほど鮮明に思い出せる
...............あれ、おかしいな。JS事件終わった後、必ず片隅にティアナいるし...。まあそれはいいとして、なんか俺尻にひかれてない?あれ、それになんかあっちの方もそうな気が.....。やばい目から涙出てきた。師匠、俺は強く生きていけるかな...
っとまあ思い出さなくてもいい記憶を掘り起こしてしまい若干ナイーブになったところ、後ろから肩をちょんちょんと叩かれ
「蒼炎さん、もうすぐ式始まりますよ?」
「ん、ありがとティアナ」
後ろを振り向くと腰の後ろに手を回し、上目遣いで俺の目を覗くティアナがいた。因みに髪はもう縛っていない。何故かと聞いたら俺の記憶からロングの女性ばかりだったので勘違いしたらしい。....いやまあ綺麗だけどさ
俺とティアナは横並びで歩きながら隊舎に向かう
「....もう、一年ですね」
「ああ、早かったな」
交わす言葉は少なく、ただ黙々と歩く。この式が終わったら、俺たちは暫く離れ離れになるだろう。俺は情報部からの出向、ティアナは執務官希望。犯人を捕まえるのが仕事の執務官と、殺すのが仕事の情報部。表と裏が同時に存在できないのと同じように、この2部署はどうやっても混じり合えない
気がついたら、隊舎の前まで来ていた
「俺は用意とかあるから、また後で」
「はい...」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
解散式の挨拶は部隊長であるはやてのみで、副隊長以上は横で立っているだけだった。暇なのでティアナに目を合わせると一瞬もせずに逸らされる。お互いに気まずいよなあ
気がつけばはやての挨拶が終わって、解散式が終わったので俺は自室の荷物を整理しようと思ったが
「は、蒼炎くんいたいた」
「?どうしたなのは」
「ちょっと来てくれない?」
俺は言われるままなのはについていく
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーー過去に囚われ、前を見ることをやめていた少年は、気がつけば無限回廊に立っていた
「おお、これはまた」
連れてこられたのは桜が舞い散る広場だった。桜は俺にとっても大切な、とても大切な花だ
遅れてフォワードたちもやってきた。みんな初めて見る桜に魅入られているようだ
「この花はな、俺たちの故郷の花で桜っていうんだ。出会いがあれば別れもあり、別れもあれば出会いもあるということを、その身をもって体現する。俺も好きな花だよ」
「うん、この季節には付き物の花なんだ」
フェイトが俺の言葉のあとに付け足す。確かにそうだな、春といえば桜だ
ヴィータが一歩前に出る
「よし。フォワード一同整列!」
「「「「はい!!!」」」」
フォワードメンバーが整列、なのはも一歩前に出てヴィータと並ぶ
語られたのは、彼女達の教導官としての最後の言葉。労いと、激励
それを聞いた彼女達は涙を流し、別れを惜しむ。それにつられて、なのはとヴィータも涙を一筋流す
いつもと違い、偶にはこういう湿っぽいのもありかと思い、目を閉じながら桜吹雪を感じていたら
「さて、折角の卒業。折角の桜吹雪!湿っぽいのはなしにしよう」
「ああ」
「自分の相棒連れてきてるだろうな」
なのは、シグナム、ヴィータがデバイスを展開する
.......は?え?ちょっ
俺とフェイト、フォワードたちが訳が分からず顔をキョロキョロさせる
シグナムと目があい
「なんだ、お前達は聞いてないのか?」
「全力全開、手加減なし!機動六課で最後の模擬戦!」
フォワードたちはお互いに顔を見合わせると、頷きあい返事を返す
フェイトは聞いてないだの危ないだのと反論していた。まあヴィヴィオに諭されて折れたが
俺の方は呆然としていた。なんだよそれ、偶には人がこう、おとなしくした感じで終わろうと思ったのになんだ、模擬戦って。ったく、やっぱりお前ら
「はっ。いいね、流石だよ。やっぱりこうでなくっちゃ!」
最高だよ。最高の仲間達だよ
ーーされど今は歩み出している。なぜなら、彼はもう一人ではなく、共に歩む人がいるから
「蒼炎さん!!」
俺がアルティメイタムを展開するとティアナから声が掛けられる
「負けません!!!貴方に教わった全て、ぶつけます!!」
「ああいいぜ。こいよ、家族だからって手加減はしてやらないから!!」
ーー手を握ってくれる、大切な人がいるから
バリアジャケットを展開する。こっちに俺が入る代わりにフォワードメンバーにははやてが入ってる。だが、それがなんだ!やるからには全力、勝ってみせるさ
「それでは!」
ギンガさんが声を張り上げ
「レディー.....ゴーー!」
この戦いの顛末は、語る事はない。どうなって、何を得たのかなど彼らのみが知ればいい事だ。大事なのはその後、ここでは特に、二人の道を見てみよう
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「遠藤蒼炎一等陸佐、現時刻を持って情報部一課課長補佐に帰還します」
「ん、よく帰ってきてくれた。まさかまたここに戻ってくるとは思ってなかったよ」
一課の課長が笑いながら報告書に印を押す。これでおれはまた情報部の一員だ
「まあ、馴染み深い部署ですし。それに、ここの雰囲気結構きらいじゃないんですよ」
「物好きもいたもんだなぁ。ってまあ俺が言える事ではないが」
前に俺の使っていたデスクは六課に出向する前から全く変化していなかった
荷物を整理していると、課長から気の抜けたような声が聞こえた
「そうだった。転属希望で新人くるから、色々とお前が教えてやれ」
「えっ。戻っていきなりですか....。まあいいですけど」
この人は昔から人使いが荒いなぁ、仕方がないか
「入っていいぞー」
もう新人さん来てるのか。早いなぁ
「失礼します」
.....................少し待て
「おう、ティアナ・ランスター一等陸士だな。ようこそ本局次元航行部隊特務捜査部一課、通称情報部へ。万年人員不足の俺たちはおまえさんを歓迎するぜ」
「なんでこんなとこにきた!!!????」
俺は聞こえるはずのない声を聞いて、居るはずのない人間の名前を聞いて、驚いた。その為か声を荒げてしまった
「こんなとこって、お前ひどいな...」
課長がなんか言ってるが気にしない
「なんでって...そんなもの決まってるでしょ?貴方がいるからですよ」
首をこてんと傾けて、当たり前のように言う
「いや....お前執務官になるんじゃ。長年の夢なんだろう...?」
そんな、俺の為に夢を諦めるなんてことされたら...
「だって蒼炎さん、執務官資格持ってるでしょ?なら、貴方についていけば執務官試験も受かるかなって」
「いや、まあ確かに持ってるけど。でも、本当にいいのか?」
それは、以前に伝えた情報部の性質。それは、本来管理局員がやることのないものだ
「はい」
でも、なのにこいつは笑顔で頷きやがった。ったく
なんだかんだいって、俺はこいつに頭が上がらない
「わかった。お前ならとりあえず3日もあれば全部覚えられるだろ。六課の頃と同じレベルでしごく。ようこそこのクソッタレな職場へ。俺たちは歓迎するよ」
ーーー1年後ーーー
「更生プログラムが終わってやっと出てきたか。ああ、約束どうり今日から俺がお前の父親だ。.......名前ないのか?だろうと思った。安心しろ、ちゃんと考えてある。......え?変なのじゃないかって?そもそも俺のこの名前は本名じゃないよ。.....いつか、教えるよ。で、お前の名前だが....。無限の海のような、心が広く、見識が深く、そしていつまでも変わらない信念を持って欲しいから、海斗ってのはどうだ?.........悪かったな!安直で!!で、どうなんだ?........そうか、気に入ってくれたみたいで良かった。.......うん。じゃ、一先ず俺たちの家に行こう。そこでお母さんにもあってもらわなきゃだからな。......うっせ、余計なお世話だ!こんな俺でも結婚くらいできました!!ったく、いいからいくぞ」
俺は笑いながら、海斗の手を握った
遠藤海斗(カイト・ランスター)
JS事件の共謀者としてナンバーズ達と同じ様に更生プログラムを受ける。ただ特殊な状況を鑑みて一年という早い期間で終了。以降遠藤蒼炎、ティアナ・ランスター両名の養子に入り共に暮らす。現在は管理局食卓魔導士を目指し修業中。余談だが、口調は遠藤蒼炎のものが移り少し荒っぽくなっている模様。学校は高町ヴィヴィオと同じ聖王協会系列の魔法学校に通い、日々勉学に勤しんでいる
ティアナ・ランスター
機動六課での功績により一階級昇進して一等陸士に
情報部に希望転属、遠藤蒼炎と同じ職場にて働く。なおポジションはセンターガードのまま、後方支援に徹している。さらに執務官試験を一年で合格、見事夢を掴むことができた。現在は養子である海斗を育てるため育児休暇を特例で取っている。そのため家事スキルが伸びまくっているとか
遠藤蒼炎
JS事件の功績による一階級昇進を推薦され、条件付きでそれを受ける。それに伴い准将兼情報部一課課長の地位に着く。また、JS事件中のレジアス地上本部長の殉死により本部長の地位に臨時として元本部長であるアルファード大将が、臨時補佐に少将2名と遠藤蒼炎がついている。しかし本人曰く形だけ、本来あってはならないことだが未だ最前線にとどまり、後進の育成から前線指揮などといったことを変わらずやっている。彼が前線から引く時は、管理局を退職する時ではないだろうか
ーーさあ、これにて物語は一時の間終わり。彼らはこれより一時の間平和な日々を享受するだろう。だがしかし、それが永遠な訳がなく。再び激動の渦中に入るのは、6年後の話
「そういえば蒼炎さん。前に言ってた本名ってなんなんですか?」
「ん?そうだな。ティアナには教えてもいいかな。俺の本当の名前、師匠からもらった蒼炎ではなく、親からもらった名前はな...。 だよ」
「あ....だから桜にそんなに思い入れがあるんですね」
「ああ。この名前に恥じない様に生きていきたいな」
「貴方なら平気ですよ」
「お前に言われると本当にそう思えてくるから不思議だよ。......これからも頼むな、俺の一番大切な人」
「はい。私の一番大切な方」
完
ジ............ジジ.......
次回予告
時は3年経ち、俺たちはとても平和の日々の中、羽を休めていた
「いってきます!!!」
「はーい。気をつけてなさいよー」
そこにあるのは俺が望んで止まなかった平穏がある。普通がある
今、とても満足だよ。だから、次はお前の番だ。やりたいことは全部やれ、後で後悔してもあれだからな
「なら、ヴィヴィオ達と一緒にインターミドルにでる!!」
それは、とても優しい物語。夢を追うというまさに王道
でも、偶には良いだろう。こういうありふれた日常も
これは、そんな暖かい物語
vivid編 第1章 目指すはインターミドル!
JS事件から6年、管理世界では今、ある一つのウィルスが猛威を振るっている
エクリプスウィルス
それは、人を殺人鬼に変え人外へと昇華させる、世界に対する毒
一人の少年がリアクターと出会い、エクリプスに目覚めるところから物語は動き出す
管理局設立以来最大級の危機に対し、かつての英雄部隊が集められる
その名は、特務六課。機動六課の名を継ぐ部隊である
一時の平和は終わった。さらば日常、ようこそ日常
これは、世界のあり方を問う物語
force編 第1章 再び混沌の渦中へ
ずっと、疑問に思ってた。なんで俺なんかにこんな力があるんだろうって。運命を司っているからわかる。結果には必ず原因があるんだ。それは、いかなる魔法でも覆せない万物絶対の法則
ならば不思議に思うのは当然だった。でも、気にしてはいなかった。この力で誰かを守ることができているのならそれ以上は望んでいなかったから
けれども、その真実が目の前にあって無視するほど愚かではない。ゆえに俺はこの手紙に乗ろう。右手にはともに歩く人の手を握りしめ、俺たちはカケラを渡る
" 悩み多し異彩を持つ少年少女に告げる "
その才能を試すことを望むのならば
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我らの箱庭に来られたし
さすれば汝の原点も明らかとなるだろう
" "
これは、遠藤蒼炎の全てを明らかにする物語
問題児編 第1章 手紙に誘われて
後書き
はい!これにてなのはアニメ編は完結となりました!!!!!
いや、本当にみなさんのおかげです。自分でも思う、何故エタらなかったのか
ですが、まあ終わらないわけでありまして。ぶっちゃけForceとVividは蛇足といいますか、番外編といいますか
まあ、流れ的にやっちゃおうみたいな感じですね。Vividは海斗くんがどう変わっていったのかを書こうかな、と。というか活発な人たちに連れ回されてたので、ネガティヴな感じはなくなってます
そしてForce。最初はここに出てくるオリジナルのシュトロゼックリアクターを蒼炎とくっつけようと思ってたんですが、思ってた以上にティアナさんが優秀でした、はい。一応構想だけは練りあがってるので、多分グレンデル一家登場あたりからオリ展開になると思います。
最後に、また蒼炎がカケラ飛んじゃいます、今度はティアナさんも一緒に。なぜ箱庭なのかというと、あの箱庭の存在の仕方ってすごい面白いんですよね。全ての可能性の収束点なわけなんですけれど、それってカケラっていうモノとうまい感じにからめられるんですよ。まあ、それは作品の中で説明していこうと思いますが
この作品は全部を同時更新します、と言っても基本は問題児になりますが。他の二つは問題児三回更新したら一回とかそのレベルな気がします。申し訳ない
時系列的にはVivid→Force→問題児です。問題児中にForce編のネタバレ少し入りますが、根本的な所には触れない予定です
これからも(一応)続きます。どうか、よろしくお願いします!
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