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スケッチは二人で

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第四章

 庄汰にだ、彼のクラスメイト達が教室で笑って聞いたのだった。
「なあ宮崎、御前な」
「何か部活で楽しくやってるらしいな」
「転校生と付き合ってるって?」
「いつも一緒にいるらしいな」
「確かにいつも一緒だな」
 庄汰もこのことは否定しなかった。
「最近は」
「おっ、認めたか」
「じゃあ付き合ってるんだな」
「御前その娘とか」
「転校生と一緒にいるのか」
「交際はしていない」
 このことは否定するのだった。
「僕はな」
「じゃあ何なんだよ」
「いつも一緒にいるんだよな」
「それで付き合ってないのか」
「交際じゃないっていうのか」
「部活で一緒にいるだけだ」
 こう言うのだった。
「デートや一緒に食事を食べたりとかはだ」
「していない」
「そう言うんだな」
「彼女にも聞くといい」
 相手とされる潤子にもというのだ。
「こう答える筈だ」
「じゃあ何なんだよ」
「御前あの娘とどういう付き合いしてるんだよ」
「いつも部活の時一緒だっていうのに」
「じゃあ何なんだよ」
「友達だ」
 それになるというのだ。
「僕達はな」
「友達かよ」
「それかよ」
「そうだ」
 はっきりとだ、庄汰は言い切った。
「僕達はな」
「そうなのかよ」
「何かな」
「男と女の友情か」
「それなんだな」
「少なくともキスもしていないし将来そのつもりもない」
 全く、という口調だった。
「このことも彼女に聞くといい」
「その言葉はあっさり過ぎるだろ」
「そこまで言うか?」
「折角囃し立てようって思ったのにな」
「そうあっさり返されるとな」
「どうしようもないな」
 何も言えないというのだ。
「ちょっとな」
「御前手強いな」
「そこであっさりそう言うなんてな」
「普通言えねえぜ」
「普通かどうかはわからないが僕は僕だ」
 全く動じずに言った言葉だ。
「そして嘘を言うつもりはない」
「まあそこまではっきり言い切るとな」
「嘘じゃないってわかるよ」
「本当にあっさりだからな」
「言ったからな」
「事実だからな」
 目も泳いでいない、そのうえでの言葉だ。
「そうだ、僕達は友達だ」
「それで友達としてか」
「そのうえでか」
「一緒にいる」
 こう言うだけだった。
「それだけだ」
「友情ってやつか」
「そっちか」
「そうだ、君達と同じだ」
 クラスメイト達と、というのだ。 
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