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1.東方神無異伝

作者:クシャル
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紅魔館ハロウィンパーティ!

紅魔館へと移動した白夜。

いつも遊ぶルーミア・大妖精・チルノは、姿を現さなかった。

先に向かったんだろうと推測し、白夜は飛ぶスピードを少し早めながら紅魔館へと向かった。



白「およ、門番の美鈴もいない。

みんな中にいるのかな。」


と、そのとき紅魔館内から聞こえたと思われる悲鳴がこだました。

白「美鈴ならいざ知らず、パチュリーの声まで聞こえたんだけど。

カオスになってそうだな、入ってみよっ。」

白夜は面白いものを見つけたかのようにワクワクしながら紅魔館の中へと入っていった。




扉を開けると、まさにハロウィンだと思わせるほど、大規模に飾り付けされていた。

目をキラキラさせて館内を見て回る白夜の背後に一つの影。

気を取られていた白夜は這いよる影に気がつかなかった。

白「うわあああ••••••すっごいきれーだな••••。」

?「びゃっくーやく〜〜ん‼︎!」

白「んぇ?

ふぎゃああああああッ‼︎⁉︎」

お分かりだろうか、メイド長 十六夜 咲夜である。

咲夜は気を取られていた白夜に近づき、抱きしめたのである。

••••白夜の尻尾を。

白夜はきゅぅっと倒れるが、そんなことも御構い無しの咲夜。

ただ己の元気を養うため、白夜の尻尾をモフり続ける。

レ「咲夜発見!

観念しなさい!」

しかし、すぐレミリアが闖入してきたことにより咲夜の暴走は一時的に止まる。

咲「嫌です、私はメイド長ですからっ!(キリッ」

白「め、メイド長でも••••メイド服をハロウィン風にアレンジしたものを着ればいい、よね••••••••。(ガクッ」

レ「うん、とりあえずいろいろツッコミたいけど••••••、何があった。」

咲夜は仮装しないと言い、白夜は力尽きて、途中から入ってきたレミリアはまた咲夜のことだろうとゲッソリした顔で尋ねた。




レ「なるほどね。」

力尽きた白夜は抜いて、咲夜はレミリアに事情を話した。

••••••もちろん、暴走しながら。

白「うーん••••••俺は今まで何を••••••••。」

目を覚ました白夜。

しかし、ここで白夜の危険探知勘が立つ。

レ「それにしても妙に本物っぽいのね、もしかして本物?

触ってみてもいいかしら、答えは聞いていない。(キリッ」

白「いや答えくらい聞こう⁉︎

ってかジリジリ近づくんじゃない!

こんなの絶対おかしいよ‼︎」

涙目になりながらも館内を逃亡し始めた白夜。

白夜の涙目は、咲夜がしっかりと写真に収めていた。




白「うわああああん離せえええええ‼︎!」

結局、レミリアの命令により頭にナイフが刺さった美鈴が白夜を捕らえることに成功した。

レ「ふっふっふっ••••••、観念しなさい!」

白「はーなーせー!」

バタバタと子供のように暴れる白夜だが、相手は妖怪である。

人間のように簡単に振り解けるはずもなかった。

フ「あ〜!

お姉様と白夜と美鈴!

何してるの〜?」

レ「あら、フラン。

貴女も触る?」

白「俺の意思は無視か⁉︎」

フ「あ〜、犬の耳だ!

触る〜!」

白「え、ちょっ、フランさあああああん‼︎⁉︎」

助けてくれると思いたかった白夜だが、結局、女の子は可愛いものには目がないのかもしれない。




レ「よし、これでいいわね!」

白「何がいいのかわからないけど、とりあえず言わせて欲しい。

なんで俺がメイド服を着なくちゃいけないんだ••••••。」

ZUーNとでも効果音がつきそうなほど白夜は落ち込んでいた。

レ「いいじゃない、似合うし。」

白「まあいいか、今回だけだし。

動きやすいし。」

下にはかぼちゃパンツを着用。

白夜はスカートのような服の時は絶対にかぼちゃパンツやショートパンツを着用するのである。

咲「そんなっ、白夜くんのpーーー」

白「それ以上言ったらいけない!

「ロリコン」の次に「変態」のレッテルを貼られるぞ⁉︎」

レ「ふっ••••、周知の事実じゃない?」

白「レミリアあああ!

戻ってこおおおおおおい‼︎!」

遠い目をしているレミリアを、急いで現実に引き戻そうとする白夜。

白「ゼェ••••ゼェ••••、つっ、ツッコミって、こんなに疲れるもんなんだな••••••。

ってかおかしいだろ、俺はツッコミ役じゃない!」

レ「はっ、私は何を••••⁉︎

••••さっきまで幼いフランがいて、向こう岸で手を振っていたような••••。」

白「フランさんなら、ずっと俺の耳を堪能していらっしゃいますが••••。」

レ「あ、ほんとだ。

••••まぁいいわ、会場に向かいましょう。」




ル「あれ、白夜、その服どうしたの?」

白「おやおやルーミアさん、これにはふかーい事情がありましてですねアハハハハ。(棒)」

ル「••••••なんかいろいろ危なさそうだから聞かないでおこうっと。」

明らかに様子がおかしいうえ、虚ろな目をした白夜に嫌な予感がしたルーミアは、それ以上聞いてはいけないことをさとり、明後日の方向を向いた。

レミリアの講演会らしきものから始まり、現在では酒を飲み始めたものもちらほら出てきた。

人里では今頃子供たちがお菓子をもらいに歩き回っていることだろう。

ぼーっと会場の様子を壁に寄りかかり眺める白夜。

「「「トマホークオアトーナメント‼︎」」」

狼風に仮装したチルノ、魔女風に仮装した大妖精、中身をくり抜いたかぼちゃを被ったフラン。

白「いや、意味がわからないよ。

それを言うならトリックオアトリートな。」

最近、ボケ役ではなくツッコミ役になったことを少し疑問に思う白夜はちゃんとツッコミを入れた。

チ「お菓子くれなきゃいたずらするぞ!」

白「妖精はいつもいたずら三昧じゃ••••••、まあいいや、安心しろ俺に抜かりはない。」

二回手を打つと、三人の前にお菓子が現れる。

白「紫から貸してもらった本があって、最近はお菓子作りにはまったんだ。

食えないほどじゃないと思うけど、正直俺は自分の味覚に自信がない。」

そんな感じで語っていた白夜をよそに、3人は袋を開けてお菓子を食べ始めた。

そして一言。

「「「デリシャス‼︎」」」

グッと親指を立てて美味しいと表現した。

白「そ、そうですか、なによりで。」

満足そうに3人は別の場所へと回っていった。

白「••••••なんか、昔あったことが嘘みたいだな••••。」

ーだからこそ恐ろしい。

この平和は無限に続くわけではない。

きっと奪いにくるものが出てくる。

おそらく、俺より強い奴も出てくる。

けど、それでも負けるわけにはいかない。

たとえ化物と恐れられようと、たとえ幻想郷に居場所がなくなろうと、俺には俺の守るべきものがある。

紅魔館ハロウィンパーティ終盤、白夜は後に起こる嫌な出来事が這い寄ってくるのを感じずにはいられなかった。 
 

 
後書き
ハロウィンパーティ編終わり!

パーティが終わってから少しすると、白夜の獣耳と尻尾は消えました。

次回からはシリアスかな••••。 
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