大統領の日常
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本編
第二十八話 ミステリーからのカオス
西暦2115年 10月 24日
ペルシャール・ミースト
「・・・その・・・」
「・・・提督は・・・提督は・・・・」
「・・・提督は・・・・提督じゃないですか・・・・・?」
・・・・・え?・・・・・・
俺が・・提督?
「俺が・・前の世界でお前たちの提督だったってのか?」
「・・そうです・・けど・・・記憶にないんですか?」
「・・・ない・・」
俺が彼女たちの世界で提督だった?どういうことだ?俺が別の世界にも存在しているってことなのか?
「その・・ペルシャールは何歳だ?どのぐらいお前たちの提督だった?」
「?・・18歳です。その時は深海清鑑との戦いで提督が不足していたので優秀な士官学校を卒業した生徒を提督にすることが多かったんです。でもその約3カ月後に戦争が終わったので軍をやめて一人の市民として生きていくよ、と言っていました」
18歳・・・西暦2098年か。俺が交通事故に遭って3か月間寝たきりだった。あの3か月間の間俺は彼女たちの世界に行っていたってことか。
そうだ。写真だ。あの時ポケットに入っていた写真。あれは彼女たちの世界でとったものだったんだ。
あの写真、確か今持ってたよな。
”金剛、榛名、大和、加賀、赤城、長門、そしてみんな。今までありがとう”
あれはきっと戦争が終わった後俺が軍をやめるときに言った言葉だろう。
「・・提督?何考え事してるんですカー?」
「・・いや、なんでもない」
彼女たちが最初からなれたように接してきたのも、俺の名前を知っていたのも説明がつく。一度俺たちはあっているのだから。
彼女たちが来た理由。俺に会うため?俺が彼女たちを呼んだ?
だが俺は彼女たちの記憶はなかった。唯一あの写真だけだ。
だめだな。何も思い出せない。
「もしかして提督は鎮守府でのことを忘れてしまっているのか?」
「・・・いや・・・・あ・・ああ・・・すまない。何も覚えていない」
「テートクゥ、私たちと取ったphotoはありませんカー?」
「ああそれならある。今持ってくるよ」
そういって俺は席を立って自室に向かった。
「とってきたよ」
奥のほうにあったから時間がかかったな。
「Oh~やっぱりそうデース」
「私たちと撮った写真ですね」
「懐かしいな」
真ん中にいるのが俺、金剛、榛名、比叡、霧島、大和、加賀、赤城、長門・・・ここにいるみんな写っているな。
「あれ?この写真に写っている人数。ここにいる人数と会ってなくないですか?」
赤城が言った。その言葉に榛名が反応した。
「どういうことだ?誰がいない?」
「・・ドイツ艦よ、ドイツから派遣されてきたビスマルク、プリンツ・オイゲンの二人」
「あの二人がいないわね・・・」
ビスマルクとプリンツ・オイゲン・・か。
「プリンツは戦闘中に行方不明、ビスマルクもあの時は数日間部屋にこもってたわよね・・」
プリンツ・オイゲンが君主制連合側にいた、ということは恐らくビスマルクもそっちだろう。
でもなんでその二人だけいないんだ?ドイツ領が君主制連合の領土だからか?
「なんでビスマルクとプリンツ・オイゲンだけ私たちと一緒じゃなかったんでしょう・・・」
「プリンツ・オイゲンが君主制連合にいたことを考えると、ビスマルクもそっちにいるお考えたほうがいいかもしれない」
そう俺が言うとみんなが黙った。
おい、黙らないでくれよ。あれか?昨日みたいにまた”狩りじゃぁ”とか言ったりしないよな?
「・・・提督」
やっとしゃべった。長門か。
「なんだ?」
「プリンツと会った後の事なんだが」
「ああ、そのあとはプリンツを連れて帰る予定だが」
「そうか・・・」
「なぁ提督」
「ん?」
「プリンツと会った後・・」
「私たちで奴らに殴り込みに行かないか?」
・・・え・・・?
「殴り込みというと・・」
「つまり、奴らの大本をつくといいたいんだ」
「MJD?」
「まじだ」
「艦娘もいるかもしれんぞ?」
「戦闘不能にすれば問題ない」
「あの鉄壁の防御がちがちの首都に行くと?」
「その通りだ」
「・・・やめたほうがいいぞ」
「なぜだ」
「貴族どもが引きこもってる場所だぞ?これだけの戦力で戦えるはずがない」
「だが・・・」
そう長門が言おうとした瞬間警報が鳴り響いた。
「何事だ!?」
『全方位から多数の小型艦艇接近!数は・・・・約1万以上!!』
「ファ!??」
1万以上!!??
「もしかして艦娘か!??」
『いえ、どれもぎりぎりレーダーに映るほどの小型のものです!」
写るギリギリの大きさ?極小サイズ?
「どの国のものか識別できるか?」
『データーと一致しません!所属不明艦です!』
まじか。
「停戦を呼びかけろ!今艦橋に行く!」
『了解しました!』
「ということだ。話はいったん終わりだ。各自自分の艦に戻ってくれ」
「「「「了解!!」」」
そういって艦娘たちは消えた。
え?消えた??テレポートしただと!??
今考えてる余裕はないな・・・またあとで聞くか・・・
おれは艦橋に向かって走った。
・・・・・・・
「状況は?」
10分後俺は艦橋につくとオペレーターに聞いた。
「所属不明艦は全方向から接近してきており、完全に囲まれている状況です。数はなおも増加しておりますが、確認できるだけで4万隻以上!」
4万隻以上とか・・\(^o^)/オワタ
「停戦は呼び掛けているのか?」
「現在呼びかけていますが・・・」
「所属不明艦より通信です!!」
宇宙人だったりしないよな・・・
「メインパネルに移せ!」
そこに移ったのは・・・・
子供だった。
「コラッ、画面ニ出ルンジャナイ」
「ゴメンナサーイ」
「マッタク・・・ア!スミマセンホッポチャンハイウコトヲ聞カナイモノデスカラ」
”そうですか、大変ですね”と答えそうになってあわてて口を噤んだ。
え?なになんなの?何この一般家庭の会話?オペレーターなんか口をあんぐりあけて唖然としているんだが。まぁいいや、とにかく話をしないと。
「こちらは民主共和制ロンディバルト帝国大統領、ペルシャール・ミーストだ。貴官の所属を聞きたい」
「ワタシタチハ人間ノ呼び方デ深海棲艦トヨバレル者ダ」
え?深海棲艦?まじで?え、敵じゃん。ハヤクウタナイトコロサレチャウヨ。
「全艦砲撃用意!!!」
「マ、マッテ!ハナシヲキイテ!!」
「・・・・よかろう」
危ない危ない。取り乱してしまったZE
「ワタシタチニ交戦ノ意志ハナイ」
「ではなぜ我々を包囲している」
「エット、逃ガサナイタメ?」
質問を質問で返すなよ・・・自分でやっておいて疑問系でいうなよ・・・
「・・・まぁいい、深海棲艦だったな。目的はなんだ?」
「・・・貴族ヲ滅ボスタメダヨ」
What!??
「ということは?同盟という形でいいのか?」
「チョット違ウカナ。アナタノ指揮下ニ入ル形デイイヨ」
深海棲艦って人間の敵じゃなかったっけ?なんで味方になってるの?よほど貴族に恨みでもあるのかな?
「・・・了解した。我が艦隊に同行せよ。なおそちらの指揮官と話がしたい」
「了解シタ。コレヨリ東西南北方面連合艦隊5万隻ハ貴艦隊ニ同行スル。ソチラニハ100隻ホドデ向カウ」
まじかよ・・・5万隻とかやばすぎるぞ・・・
そうだ。早く会談?の準備をしないと・・・
後書き
ミステリーのあとはカオスに突入しました。この世界では深海棲艦は味方になります(ガルメチアス帝国の物量とバランスを取るため)
深海清鑑のセリフを一々カタカナにするのが大変(´・ω:;.:...
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