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Fate/staynight/the/crossovermoment

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最古の英霊

 
前書き
前回の続きです。
感想が聞きたいのでコメント下さい! 

 
『英雄王、武器の貯蔵は十分か?』
偽物『fake』の言葉だ、無論、真実を知った愚か者の言葉でも有る。
無限に剣を投影する魔術―――否、心を具現化する魔術に―――百を超える宝具を貯蔵する蔵は心を具現化する魔術に敗れた。偽物の贋作に本物に比べれば劣ったコピーに英雄王は敗れた。本物『オリジナル』は偽物を知らない、本物を愛するが故に英雄王『ギルガメッシュ』は偽物に劣ったのだ。

「滑稽、笑わせる」

英雄王 ギルガメッシュは高度6000mの空上で、第六次聖杯戦争を見物する。
結果の見えた戦争―――仕組まれた戦争に興味を抱いた、違うな。興味を抱かされたのだ。聖剣を携えた英霊の姿に・・・その一言に、その一撃に。
「『fake』・・・晩餐の宴は始まった。
次の段階に、進むぞ。アリア」
英雄王 ギルガメッシュの主『another・u・アリア』
ギルガメッシュが認めた雑種の一人『人間』だ。
「ギル―――アンタ。
楽しそうね」
退屈そうな表情でアリアはギルガメッシュに呟いた。
「これ程迄に我を楽しませる宴だ、心が踊って当然だ。
故に、アリア。感謝するぞ」
「別に感謝される事、してないんだけど。
てか、キモイ。やめて」
「相変わらず、滑稽な奴よ」
「それ、アンタ」
相性が抜群―――ギルガメッシュはアリアを認めている。逆にアリアはギルガメッシュをガキだと思っている。自分の事で手一杯なギルガメッシュの姿を見て、哀れんだアリアはギルガメッシュに手を差し延べる。ギルガメッシュは自分を、これ程、馬鹿にした奴は初めてだ。尊敬の様な目でアリアを見ている。
「サーヴァントの数が急に増えたわね」
「零呪の効力よ。選ばれた人間は同時に英霊を召喚する。
ランダムに勝手に身勝手に」
召喚条件は零呪を宿した瞬間、召喚される。
ランダムに決められた英霊の中で、召喚士に告示する英霊を零呪は悟って召喚するが希に聖杯戦争で禁止されている『神』の召喚も可能で、聖杯戦争の中でも最悪なデスゲームと予想されている。無茶苦茶なルール変更に戸惑ったマスター達の行動は上空で待機するギルガメッシュ達から見れば、哀れの一言だ。
無論、その聖杯戦争に参加する英雄王も当てはまる事だが・・・ギルガメッシュは考える。
『雑種の足場で、雑種の立場、道標で、交える。それも一興だ』と。
「ふむ、『faka』偽物は本物に勝る。
奴の言葉は真実、否。幻想だ」
敗北―――ギルガメッシュに敗北の二文字を刻んだ魔術師『fake』
本物を真似た偽物・・・偽物を真似た偽物=『無』
結論は理解する者を左右する。理解する事で、解る事も、理解を怠れば理解できる事も理解する事は叶わない。ギルガメッシュは知る、理解する。奴は、我より―――我より、強い。
条件次第では、最強の英霊に勝利するfake。
が、条件が揃わない状態は敗北するfake―――不愉快だ。
「何故、fakaは我に勝る?
何故、我は負けた?
何故、奴は――――――」
表情は変わらず、怒ってる様な口調でギルガメッシュは呟いた。
その言葉を聞いたアリアは。
「アンタ―――馬鹿?」
馬鹿を見る、顔で目でギルガメッシュを。
「そんなの簡単じゃん」
簡単に完結に理不尽に。

「アンタが、弱いから。
でしょ―――ギル」

心、射たれた。
最強の英霊を最古の英霊を無敵の英霊を愚弄する少女。
少女は態度を変えない。その態度を変えない少女の姿は――――。
「誇らしい―――誇らしいぞ」
「な、なに? キモイんだけど」
「我を愚弄する事は―――世の理を変える事と同等。
アリアよ―――お前は素晴らしい」
「はぁ、マジ。
キモイ、キモイんですけど」



狂った聖杯戦争。
マスターの首を捧げよ? 無茶苦茶だよ。
聖杯戦争を持続する為の処置? 狂ってるよ。
狂戦士『バーサーカー』のマスター 弥生 楓は零呪を授かると同時に聖杯戦争のルールを知る。様々な権限と証と共に。無茶苦茶な聖杯戦争でも、狂った聖杯戦争でも、基本的なルールは変わらない。難題な問題点が加わった事を除けば―――狂った聖杯戦争は『只』の聖杯戦争。
敗北を知らない。敗因を知らない。勝敗に興味ない。
故に―――彼は『聖杯』を望まない。
ルール変更にメリットを感じる者、デメリットを感じる者達は彼を見て、言える事。
それは―――『白』
元々、染まった色。
弥生 楓は無色で―――染まらない。非現実的な状況下でも、彼は変わらない。
「僕のサーヴァント」
命令を無視する狂戦士は非現実的だ。
聖杯戦争で召喚される英霊は召喚士『マスター』とリンクする関係する英霊が召喚される。
楓は無を望む。バーサーカーは破壊を望む。
破壊の後は『無』結論、結果、楓のサーヴァントはバーサーカーは決められた相性抜群なクラスなのだ。楓自身はバーサーカーに不満を感じている。破壊を望む『狂戦士』―――無を望んだ少年は破壊を望まない。唯一望んだ願望は・・・解らない。

「さぁ、愚者を駆逐する時間だ」

突然、現れた者は巨大な斧を振り下ろすと同時に告げた。
暴風が吹き荒れる。避ける事は簡単だ、横に逸れれば回避する事も、カウンターも喰らわせる事も。
が、護ってくれる。防いでくれる。信じたのだ。
「ねえ、バーサーカー」
筋肉質な肉体―――鋼鉄、鋼の様な肉体美。
斧を弾いた。簡単に鋼鉄の鋼の肉体で―――安安と。
「第六次聖杯戦争―――今回の聖杯戦争は最高、だ」
「興味を惹かれますか? 戦争に?」
突然の対応に、唖然。
普通の人間の対応とは思えない。対応に。
「その英霊―――架空の英霊か?」
「話を逸らさないで下さい」
バーサーカーの更なる一撃。
完全に『リンク』している。『マスター』と『サーヴァント』が。
狂戦士は理性を失わせる事で更なる力を得た戦士―――マスターの命令を無視する事も、前例として残っている。
それを前例を弾く様な『リンク』完全にバーサーカーを従えている。
「――――貴様!」
バーサーカーは鋼鉄の拳で乱打する。
鋼の一撃―――叩き込まれる一撃は『骨』を砕き、無限の一撃。
無限の乱打―――時を無視する『拳』無限の『拳』―――その名を―――。
「僕の英霊は幻想―――仮想の英霊だ。
でも、実在する。この漫画に」
弥生 楓は手元の『漫画』のページを捲る。
その捲られたページの先に―――人気漫画の主人公の『スタンド』が描かれていた。
無を望む。無を好む。無を選んだ少年のサーヴァントは―――少年の望んだ『守護霊』を具現化した結果。自分の理想を召喚する少年は最強の英霊を最強の『スタンド』を召喚したのだ。
「僕は聖杯戦争に興味は皆無です―――無茶苦茶な理論や論理に興味を持ちませんので。
でも、常識を覆す。常識を無視する『者達』は好きです」
パラパラ・パラパラとページを捲る。
「僕は『無』を創る
染まらない世界を揺るがない世界を唯一無二の世界を」

第六次聖杯戦争。
無茶苦茶な者達の無茶苦茶な願望が交差する中で弥生 楓は希望を感じる以前に興味を感じた。普段、考える事を放棄する事を今回は考えて、悩んで、考える。思考を凝らす『推理』
狂った聖杯戦争は序章の中盤を迎えるのだ。





『主君に捧げる勝利の剣』
神崎 斬叶のサーヴァント『アーサー』は被る。
師匠の相棒―――師匠の恋人―――師匠のサーヴァントに。
性別は男で、金髪。モデル体型で洋風鎧を装着。キャラ的に被るぞ。セイバー並の実力に王の風格―――正に『アーサー王』でも、認めないぞ。アーサー王は『セイバー』だ、セイバーなのだ。
聖剣を携えた英霊・・・セイバー以外に聖剣を宝具する英霊? そもそもアーサーのクラスは、なんだ?
剣を使ってるって事は『セイバー』なのか? でも、『アーチャー』も剣の達人だ。装備を見れば簡単に明確に解るとモオズ・アカラトは言ってたが・・・解らない。
アーサー―――――何者なんだ? 何故、『エクス・カリバー』を?

「aircello」

その一言でアーサーの服装は変わった。
フード付パーカー&Gパン―――&眼鏡。
携えていた聖剣はボールペンに変身、胸ポケットに収納されている。
・・・え、魔術師なの?
「幻覚―――違うな。
服装その物自体が変わってる」
「フッフッツ。私の特技です!
現在の流行ファッションを選んで、創りました」
ヒラッと一回転。
微妙に纏められた金色の髪が猫の尻尾の様だ。
薄ら、緋に見える金髪。イケメンの典型的パターンだな。
「似合ってるな〜凄いね〜」
「・・・褒めてるんですか?」
「ああ、褒めてるよ」
「その口調、その態度から察すると。
余り服装に関心が無い様ですね。マスター―――服装に付いて聞かれた場合、取り敢えず褒めましょう。女性は服装や髪、靴等にこだわります。褒める事を忘れずに、じゃないとモテないよ」
的確な事を言われた。
まぁ、一理有るが。サーヴァントが服装に興味を抱くなんて、初めて知ったぞ。生前は人間だから、服装に関してもある程度の知識は有っても、聖杯戦争の為に召喚された英霊だ。服に興味を示す英霊を初めて見る俺にとっては結構新鮮な気分だ。
「解った、解ったよ。
似合ってる。特に眼鏡―――ナイスオシャレポイント」
取り敢えず褒めてみた。
すると。
「う〜ん。褒め方が微妙だね。
まぁ、希に眼鏡を掛ける奴は結構、カッコイんじゃね? と錯覚するのも世の理ですが。
眼鏡をずっと装着すると逆に安定するデメリット。つまり掛け慣れると眼鏡はオシャレポイントとして扱われないのです。本当に希に眼鏡を掛けているのが、最高のシュチュエーションなのです!
例えば例を上げましょう!
マスター、君の好きな女性が「最近、目が悪くなって眼鏡買ったんだ〜」ハイッマスター!」
うわぁ、無駄に女性役声上手いよ。
アドリブで、疲れないか?
「さぁ! マスター!
眼鏡をカチャ―――どう似合ってるかな?」
「あ、ああ。その、なんだ」
なんて言えば良いんだ?
第一俺は好きな女性なんて居ないぞ? 例えばのシュチュエーションと言っても―――考える。
普通に無難に似合ってるよ? 駄目だ、また文句言われる。
可愛いよ? 駄目だ普通過ぎる。
綺麗だよ? 訳解らん。

「普段の君が一番、可愛いよ」

トレース・オン!
瞬時に投影開始。我流と村雨を構えた。
「ついでに、少し間を置いて。
でも、眼鏡を掛けてる君も可愛いよ。これで完璧だ、だろ?『イレギュラー』」
その声を俺は知っている。
その姿を俺は知っている。
その魔力を俺は知っている。
「―――――師匠」
「久しぶりだな。
斬叶・・・ただいま」
懐かしい声。
師匠の声だ。
「斬叶―――お久しぶりです」
「せ、セイバー!?
お、お前、なんで!?」
前回の聖杯戦争―――当時の師匠の英霊『セイバー』は師匠の隣に立っていた。
矛盾を正す、『アーサー王』が。
「その右手、お前も『マスター』に」
俺の右手―――霊呪の宿った右手。
師匠の右手にも、それらしき物が浮かび上がっていた。
どす黒い塊・・・霊呪の面影が消えた霊呪が。
「なんで、師匠―――貴方が!」
「なんで? なら何故、お前は参加している?
この呪われた聖杯戦争に」
「お、俺は・・・望んで参加したんじゃない!
この巫山戯た戦争を終わらせる為に!」
終わらせる為に。叶える為に。約束を護る為に。
師匠は―――望を叶えて、諦めたんだろ? 俺は・・・師匠の二の舞だ、師匠の通った道を歩いている。狂った聖杯戦争を終わらせる為に刃を取った。聖杯戦争に参加した。憧れた師匠に追い付く為に憧れた師匠を超える為に。
なのに、なのに! なのに! なんでだよ!
「―――お前は何時かの俺だ。
希望に縋った―――正義の味方に憧れた・・・アーチャーの言った通りだ、救われない」
「救われない? なんだよ。なんなんだよ!
師匠! 貴方は、なんで!」
「セイバー―――時間の無駄だ。
命令する、『破壊』だ」
「御意」
セイバーは聖剣を構えた。
あの構え、あの異常な魔力。『エクス・カリバー』!?
「師匠!」

「マスター。離れて」
トン、と押され。地面に転んだ。
『アーサー王』
ポケットに手を入れ、眼鏡を掛けたアーサーはゆっくりと口を開ける。
「その聖剣、『エクス・カリバー』だね。
僕のとそっくりだ」
ニコッと笑って言う。
「斬叶のサーヴァント。
コイツを消せば斬叶は退場だ、義理だ。命は助けてやる」
『アーサー王』は『主君に捧げる勝利の剣』を構えた。
「!?」
驚いたセイバー表情―――初めて見た。
あの、セイバーは驚くなんて。
「主君に捧げる勝利の剣。それが僕の『エクス・カリバー』だ。
君のエクス・カリバーの真名は?」

運命は絡まった。
対の聖剣『エクス・カリバー』
『セイバー』の聖剣。
『アーサー』の聖剣。
その聖剣は、偽りなのか? 真実なのか?

 
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