ハイスクールD×D大和の不死鳥
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41龍と半鬼
◇いのり
KEEPOUT――つまり、立ち入り禁止。
そのテープが幾重にも扉に張り巡らされていてなにかを封じている。
現グレモリー眷属最後の一人、ギャスパー・ヴラディスがいる……
「――さて、扉を開けるわ」
リアスさんは扉に刻まれていた呪術の刻印を解いてから扉を開く。
「イヤァァァァァアアアアアアアッッ!」
――ッ! とんでもない声量の絶叫がなかから発せられる。予想はしてたけどキツい。リアスさん驚くこともなく、ため息をつくと朱乃さんと共になかへ入っていってしまった。
『ごきげんよう。元気そうでよかったわ』
『な、な、何事なんですかぁぁぁぁ?』
『あらあら。封印が解けたのですよ? もうお外に出られるのです。さあ、私たちと一緒に出ましょう?』
朱乃さんのやさしい声。いたわりを感じる。やさしく接してあげようって感じだが、しかし――。
『やですぅぅぅぅぅ! ここがいいですぅぅぅぅぅ! 外に行きたくない! 人に会いたくないぃぃぃぃっ!』
やっぱり…………ギャスパー君だ……作っておいて正解だった。
私達も中に入る。
「ふぇっ!? こ、この人達は誰ですかぁ?」
「彼女らは新しい仲間よ」
「ひ、人がいっぱい……」
びびってダンボールの中に逃げ込むギャスパー君。
「彼はギャスパー・ヴラディ。ハーフヴァンパイアで神器もちの規格外よ」
神器……停止世界の邪眼。視界の中にあるものを任意で止める能力。
「ひうっ」
「リアス部長。ギャスパー君はなんで女装してるんです?」
祭がそう問うと、リアスさんはあきれたように言う。
「趣味よ」
「だ、だって、女の子の服の方が可愛いんだもん」
リアスとギャスパーの言に皆はため息をついた。
「お願いだから、外に出ましょう? ね? もうあなたは封印されなくてもいいのよ?」
リアスさんはやさしく言うが――。
「嫌ですぅぅぅぅ! 僕に外の世界なんて無理なんだぁぁぁぁぁっ! 怖い! お外怖い! どうせ、僕が出てっても迷惑をかけるだけだよぉぉぉぉっ!」
「ほら、リアス部長が外に出ろって――」
「ヒィィィィ!」
ゼノヴィアがたぶん少しだけ強引に手か何かを引っ張ったのか。女装男子の悲鳴が聞こえた。
「止まった……」
「そうみたいね」
「なにこれ?」
「なんですか?」
「何がおこったのよ?」
「ーーっ!?なっ、ななな!なんで動いているんですかあああぁぁぁっ!?」
私の他に、真名・アーシア・祭・綾瀬の四人が動けた。
私と真名は2天竜だから、アーシア・祭はヤマトの加護?綾瀬は………シュウ?
「落ち着いて、はい。飴」
「あ、ありがとうございますぅぅぅぅ」
私は飴を一つギャスパー君に渡す……この飴はギャスパー君のために作られた飴で、少量私の血………すなわち赤龍帝の血が入っている。
「落ち着いた?」
「はいぃぃぃぃぃ」
多少は落ち着いたみたいだけど対人恐怖症は重たい。
「あの、さっきの飴なんですか?体のそこから力がわいてくるんてすが?」
「吸血鬼ならではの神器の制御方法。私の………赤龍帝の血が少し入ってる……」
「なんで、僕が吸血鬼だと知ってるんですか!?」
かなり驚いているギャスパー君
「いや、さっき、リアスが言っていたよ?リアスさん達を動かして?今の君ならできるよ?」
「やってみまぁすうぅぅぅぅ」
無事リアスさん達は神器から解放され動けるようになった。
続く
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