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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第十一幕その十一

「それで前に進んでいるよ」
「僕達の前で」
「うん、ただね」
「ただ?」
「二人共足は遅いよ」
 そうだというのです。
「何かあまり進んでいないよ」
「怖くてだね」
「特に女の子の足が遅くて」
 その状況もです、ジップは先生にお話しました。
「前に進んでいないよ」
「ううん、それじゃあね」
「僕達は普通に歩いているからね」
 チーチーは自分達の歩く速さについてお話しました。
「だからだね」
「ここはね」
「歩く距離を遅くするんだね」
「そうしよう」
 これが先生のこの場での考えでした。
「ゆっくりとね」
「うん、じゃあね」
「あえてね」
「ここはゆっくりと進んで」
「そうしてね」
「二人を追い抜かさない様にして」
「そうしていこう」
 こうお話するのでした、そして。
 そのうえでなのでした、先生達はです。
 わざと歩く速さをゆっくりとさせました、そうしてお二人を追い抜かさない様にしました。そしてなのでした。
 お化け屋敷の中はゆっくりと進んで、です。それから。
 二人の後でなのでした、先生達は出ました。
 それから周りを見回すとです、ここで。
 あのガラの悪い人達を見ました、その人達を見てです。
 ポリネシアがです、先生にそっと囁きました。
「気をつけましょうね」
「うん、あの子達に近付かない様に」
「そうしましょう」
「若し近付いたら」
 その時はともです、先生は言いました。
「避ける様にね」
「私達でするのね」
「うん、そうしよう」
 こうお話してでした、皆で。
 お二人を見守りガラの悪い人達を警戒するのでした。そうしてでした。
 それからも色々回ってです、三時になりますと。老馬が先生に言いました。
「先生、三時になったよ」
「あっ、そうなんだ」
「うん、三時になったからね」 
 それならというのです。
「お茶にしよう」
「そうだね、三時になったし」
「ここで飲む?」
「そうだね、あそこがいいね」
 先生がこう言って目をやったのはベンチでした、今は誰も座っていません。
 そこに座ってなのでした、そのうえで。
 皆でティータイムを楽しむのでした、ですがその間も先生達はお二人を見ていました。見ればお二人もです。
 三時になったせいか午前とは別のスナックコーナーに行ってなのでした、そこで軽いものを食べていました。
 先生達はそのスナックコーナーのすぐ傍のベンチにいてそこから見守っているのです。そのうえでなのでした。
 先生はです、こうも言いました。
「お茶は楽しむけれど」
「それでもだね」
「ここはね」
「少し急いでね」
「飲んで食べないと」
「うん、そうしないとね」
 それこそというのです。 
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