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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第十一幕その七

「まさにここがチャンスよ」
「そうなんだね」
「あとお化け屋敷にも行くし他にもね」
「二人きにりなれる場所にだね」
「リードしていくわ、何しろここはね」 
 このテーマパークはというのです。
「私の昔からの遊び場の一つだから」
「あっ、そうなんだ」
「そうなの、時々来て遊んでるの」
「人間になって?」
「ええ、猫の姿でうろうろすることもあるわ」
 そうして雰囲気を楽しむこともあるというのです。
「だからね」
「ここのことはよく知ってるんだね」
「ガイド本書ける位よ」
 お静さんは笑ってこうも言いました。
「そこまで知ってるわ」
「じゃああの子達も」
「お嬢様も彼もたどたどしくてぎこちなくて」
 お静さんはこのことは残念でした、ですが。
 それでもです、こうも言ったのでした。
「けれど純情なのがまたいいのよ。その純情さをね」
「上手くリードして」
「そう、それでね」
「やっていってるんだね」
「この観覧車は確かにチャンスよ」
「あの子達の距離を縮める」
「そう、最高の場面の一つよ」
 まさにというのです、お静さんのお言葉にも力が入っています。
「だからどんどん囁いてるわ」
「じゃあここから」
「あと間にも色々入れてね」
「お化け屋敷にも行くんだね」
「そうしてね」
 まさにというのです。
「雰囲気を最高までよくして」
「告白だね」
「後はね」
「後は?」
「お嬢様からいけそうね」
 お静さんの目がきらりと光りました、後ろ足で立ったうえで前足を人間みたいに組みながらそのうえでの言葉です。
「告白ね」
「女の子の方からね」
「うん、いけそうよ」
 こう先生に言うのでした。
「このままね」
「じゃあ頑張ってね」
「ええ、今から観覧車に戻るから」
 お二人がいるその中にというのです。
「またね」
「うん、じゃあね」
 先生が微笑んでお静さんに言うとです、お静さんはどろんと消えてその観覧車の中に戻りました。そしてなのでした。
 観覧車は回っていきます、先生はその観覧車を見上げつつそしてでした。 
 周りも見回ってです、皆に言うのでした。
「うん、今もね」
「そうだね、ガラの悪い人達もね」
「いないし」
「トラブルの種もなさそうだし」
「いいね」
「そうだね、じゃあ」
「とりあえずは安心してね」 
 それでいいと言うのでした、動物達も。
 そうしたことをお話してでした、皆は周りへの警戒も怠らないのでした。
 とりあえず観覧車の時も大丈夫でした、そして。
 その後も色々回ってです、それから。
 お化け屋敷にも行きました、そのお化け屋敷は病院を模したものです。先生はそのお化け屋敷の入口にいるお二人を離れた場所から見ながら皆に尋ねました。 
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