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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第十一幕その五

「そうしていけばいいから」
「それじゃあ」
「さて、あの子達は今度は観覧車に行くけれど?」
「乗る?」
 チーチーが先生に尋ねました。
「観覧車に」
「ううん、乗ると何かタイミングが崩れるから」
 それで、とです。先生はチーチーのその問いに答えました。
「あまりね」
「よくないから」
「今回も待とう」
 そうしようというのです。
「ジェットコースターの時みたいにね」
「うん、それじゃあね」
「今はね」
「待ってね」
「そしてだね」
「お二人を見守る」
「そうするんだね」
「そうしよう、それに」
 ここで、なのでした。先生は。
 周りを見回しました、それでこう言うのでした。
「あの人達はいないね」
「うん、そうだね」
「あのガラの悪い人達はね」
「とりあえずはね」
「見当たらないね」
「幸い」
「それならいいよ」
 このことだけで、というのです。
「それならね」
「うん、このままだね」
「僕達はだね」
「お二人を待って」
「そのうえで」
「ここにいよう」
 この場所にというのです。
「そうしよう」
「さて、じゃあ」
「また何処かに隠れて」
「ゆっくりしようね」 
 皆でこうお話してでした、この時も見守るのでした。そしてお二人が観覧車から降りてそれからなのでした。
 先生達は皆と一緒にお二人の後をついていきました、お二人が次に向かった場所はメリーゴーランドでしたが。
 老馬がくすりと笑ってです、先生に言いました。
「ここもだよね」
「うん、君がいるからね」
 それで、と答える先生でした。見れば先生も少し苦笑いです。
「だからね」
「それでだよね」
「うん、だからね」
 それで、というのです。
「ここはね」
「今回もだね」
「乗らないでいよう」
 こう言う先生でした。
「僕達はね」
「何かね」
「テーマパークに来たけれど」
「先生自体はあまり楽しんでない?」
「乗ったり入ったりして」
「そうしては」
 皆はここでこんなことを言いました。
「テーマパークの中にいても」
「遊んではいないわね」
「ミラーハウスには入ったけれど」
「それでも」
「まあ見守る役目だから」
 だからだとです、先生は皆に答えました。
「だからそれはね」
「仕方ない?」
「そうなのかな」
「うん、まあ元々こうしたことを積極的に楽しむ方かというと」
 先生の性格からしますと。 
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