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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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妖精狩り

「おい。誰だてめぇら。ここで隠れて何こそこそしてやがる!」

俺たちは今ギルドの皆さんにメチャクチャ睨まれている。なんだろう、凄い怖い・・・

「ど・・・どうしちまったんだよみんな」
「ルーシィさんが・・・怖い・・・」
「実はこれが本性だったとか・・・」

もしかしたらルーシィさんは今まで本当の自分を隠していたとか?あり得る・・・
すると何か感じたのか、ルーシィさんはナツさんのことをじっと見つめる。

「ナツ・・・」
「!?」

あまりのルーシィさんのプレッシャーに俺たちは思わず息を飲む。すると

「よく見たらナツじゃねぇかお前!!」
「ぐほぉ!!」

ルーシィさんはナツさんに抱きついた。

「ナツだって?」
「なんだよその服」

ギルドの皆さんもナツさんのことを見て思い思いの声を出す。

「ナツ・・・今まで・・・どこいってたんだよ・・・心配かけやがって!」
「ルーシィ・・・?」

ルーシィさんはそう言いながらナツさんを強く抱き締める。何この展開!!
するとルーシィさんは突然体勢を変えてナツさんに肩車の形で乗っかる。

「処刑だ~!!」
「ぎゃあああ!!」

乗っかったルーシィさんはナツさんの頭をグーでグリグリとする。

「出たー!!」
「ルーシィの48の拷問技の一つ、ぐりぐりクラッシュ!」
「うえぇ!?」
「ナツさん!?」
「大丈夫~!?」
「てか名前のセンスがなさすぎ!?」

ナツさんがルーシィさんにいじめられるのを見て俺たちは驚く。てか48の拷問技ってルーシィさん怖すぎ!?

「あまりいじめて、可哀想ですわよ?」
「うわぁ・・・とてもカナとは思えない・・・」
「服装もなんか上品だし~・・・」

カナさんがお嬢様なのがかなり違和感あるよ。

「ひっく・・・ひっく・・・」
「こっちはもっとだ。エルフマンとは思えない」
「「いつまで泣いてんだおめぇは!!」」
「も・・・申し訳ないっす!」
「ジェットくんとドロイくんもまるで別人だよ~!!」

いまだにエルフマンさんをジェットさんとドロイさんが説教してる。日頃の恨みか?

「うわ・・・訳がわかんない・・・」
「一体どうなってるの~!?」

ハッピーとセシリーは皆さんのあまりの変わりように驚いている。安心しろ。俺もだから。

「とにかく無事でよかった。ねぇ?ジュビアちゃ~ん!」
「うるさい」

グレイさんに対するジュビアさんの態度そっけねぇ・・・なんかグレイさん可哀想だぞ?

「これ・・・全部エドラスの影響なの?」
「何から何まで全部逆転してるよ~?」
「う~ん・・・」

シャルルは腕を組み、真剣な表情をしている。マジで意味がわからねぇ・・・誰かまともな人はいないのか?

「ナツ~!!おかえりなさい!!」

するとカウンターからミラさんがこちらに手を振っている。なんだ。いつものミラさんだ。
ある意味つまんないな・・・

「ところで・・・そこのお嬢ちゃんたちと猫は誰です?」
「お嬢・・・」

また間違えられたのかと一人ショックを受けていると

「猫?「・・・猫!?」」
「猫がいますよ!?」
「「「「「「「「「「猫~!!!?」」」」」」」」」」

セシリーたちを見てみんな驚く。いつも見てるじゃん!どうしたの?

「どういうこった!」
「こんなところになんでエクシードが!」
「うぇぇぇぇぇ!!」
「エクシード!?」

ギルドの皆さんはみんなざわめき出す。何なのこれ?

「な・・・なんだよ~・・・」
「みんなどうしたの~?」

ハッピーとセシリーはみんなに見られてそう言う。

「どうなってんだよこれ?」
「つか・・・なんでこっちの人間はエクシードって聞くとビビんだよ。エクシードってなんなんだ?」

ルーシィさんもナツさんをぐりぐりする手を止めてセシリーたちを見つめる。

「シャルル?」
「セシリー。どういうこと?」
「僕に聞かないでよ~」

ウェンディと俺が心配してセシリーたちを見る。セシリーたちも事情がよくわかっていないようだ。
するとハッピーが頭に被っているお面を取る。

「ブハァ!暑かった暑かった」
「本当そっくり!」
「え?」

するとそんなハッピーにミラさんが近づく。

「あなたたちって、エクシードみたいね」
「「いや・・・みたいというか・・・」」
「そのものじゃないか?」

ミラさんの言葉にマカオさんたちが突っ込む。

「姉ちゃんの言う通りだよ。エクシードにそっくりなだけだよ」
「それもそうね」
「そうかな?」
「どう見ても猫そのものだけどな」

ミラさんの声に納得する人とどうも納得のいかない人で別れてるけど・・・エクシードってなんだ?

「えっと・・・」
「こらぁ!!脱がないの!!」
「ハッピー!約束約束~」

変装を解いたハッピーにシャルルとセシリーがそう言う。
ひとまずは猫騒ぎは収まったようだな。

[じーーー]

ルーシィさんは再びナツさんをじーっと見つめている。

「ルーシィさんが怖い・・・」
「言うな・・・怒られるぞ・・・」

ウェンディはいつもと違うルーシィさんに少し暗くなる・・・いつもは優しいからな・・・

「さぁ言えよ!さんざん心配かけやがって、どこで何してたんだよ?」
「何って言われてもなぁ・・・」
「ナツ!そこはちゃんと説明しないとダメだよ~!!」

今ナツさんは席に座らされてルーシィさんに睨まれながら事情聴取されている。
ナツさんはルーシィさんに少しビビってるなぁ・・・新鮮!

「あぁ・・・つまりあれだ・・・ほれ、なんつったっけ?」
「ああ!?」

ナツさんが説明するのに苦労しているとルーシィさんの機嫌が悪くなり、

「あいっかわらずじらったいなお前は!!」
「ぐおおお!!」

ルーシィさんにこめかみを肘でぐりぐりされている・・・痛そう・・・

「出たー!!」
「今度はぐりぐり、肘クラッシュ!!」
「肘がついただけだよ」
「ネーミングセンスがないみたいだね~」

ルーシィさんの48の拷問技(笑)の一つにハッピーとセシリーが突っ込む。

「 ピスピス~!」
「なぁにアルアル~?」
「そろそろ、二人っきりで仕事行こっか?」
「行こ行こ!!アルアルはなんの仕事がいい?」
「あ~んそうだな、ピスピスの好きな仕事にいこうよ~」
「いやーん!アルアルてば!や・さ・し・いー!!」

アルザックさんとピスカさんはあまりにもいちゃつきすぎ・・・

「も・・・ものすごい仲がいいですね」
「いくら逆って言っても限度ってものがあると思うけどね」
「でもあの二人は将来的にはあぁなったんじゃないかとも僕思うけどね~」
「ないない・・・」

ウェンディは二人のあまりのいちゃつきようにたじたじだし、ハッピーは普通に見てるし、セシリーは目を輝かせているし・・・でもあの二人はあまりイチャイチャしてないからよかったけど・・・ああなってはもう見てられないよ・・・

「なぁジュビアちゃん、さっき仕事に行くって言ってただろ?俺も一緒にいきてぇな~」
「だから近寄らないでって言ってるでしょ?暑苦しい。仕事はジュビア一人で行くのよ。あんたなんか全然役に立たないんだから」

グレイさんはジュビアさんにそういわれがっかりとしている。

「グレイさん。そろそろ諦めたらいかがです?」
「リオンくんもそうでしたけど、どう見ても脈なしですよ」
「あの着膨れナンパ男の名前を出すなよ~・・・ジュビアちゃ~ん!頼むからさぁ・・・」
「うざいってば!!」
「ぎゃお!!」

リオンさんも着膨れしてるんですか!?
グレイさんはジュビアさんに顔に蹴りを入れられて飛ばされる。服が厚着のせいなのか、何度もバウンドしてハッピーの前まで転がってくる。

「うお~!!誰か助けて~!!」
「こっちが助けて~!!」

ハッピーは転がってきたグレイさんに追いかけられ走っていると、リーダスさんにぶつかる。
ハッピーがぶつかったリーダスさんは立ち上がってハッピーを見下ろす。

「ったく、うろちょろしてんじゃねぇよ。ケガするぜ、エクシードモドキが!」
「モドキって!!オイラよくわからないけどモドキはないよ!!」

リーダスさんとハッピーがそう言い合っているとグレイさんはその脇を通り抜けて壁にぶつかる。

「グレイ!!だらしねぇぞおめぇは!!起きろ!!」
「こうやってうずくまってるとぬくぬくして暖かいんだよな~」
「だらしねぇし情けねぇ!!」

床にうずくまって言うグレイさんに怒るリーダスさん。前のグレイさんと今のグレイさんを足して2で割るとちょうどいい服装になりそうな気がする。

「技の35!えげつないぞ固め!!」
「くもぉ!!」
「技の28!もうやめてロック!!」
「うわああ!!」

ちなみにいまだにルーシィさんにナツさんは技をかけられていた・・・大丈夫かな?

「ルーシィさんが怖い・・・」
「えげつないな・・・」

ナツさんは我慢できなくなったのか、ようやく脱出してどこかに隠れる。

「逃げんなナツ!!どこに隠れた!!」

ナツさんを探し回るルーシィさん。もうやめてあげればいいのに・・・

「仕事仕事~!!」

ナブさんが次の仕事に行こうと駆け回っていると

「うるさいよクソナブ!!」
「んだとコラ!クソとはどういうこったレビィ!!」

今度はレビィさんとナブさんがケンカをはじめる・・・レビィさんヤンキーみたい・・・

「出てこいナツー!!新技かけてやっからさ~!!」
「うるさいよこのクソルーシィ!!」
「なんだとコラァ!!」

今度はレビィさんとルーシィさんがケンカを始める・・・二人は仲良かったのに今度は悪くなるのか・・・逆になると怖いなぁ・・・

「レビィさんも怖い・・・」

ウェンディはそれを見てますます青ざめる・・・二人のケンカはマカオさんとワカバさんが仲裁してくれて収まったようだな。

「あれ?そういえばエルザさんがいないみたいだけど・・・」
「あれ?本当だ!」

ウェンディに言われて気づいたけど確かにエルザさんがいない。どこにいるんだ?

「冗談じゃねぇ・・・」
「ねぇねぇ、こっちではエルザってどんな感じなのかな?」
「そりゃあおめぇ・・・やっぱ逆だろうよ」
「ナツさん・・・」
「完全にルーシィさんにびびってるね・・・」
「大丈夫~?」

ナツさんはルーシィさんの拷問技が怖くて机の下に隠れていた。

「エルザの逆ってどんな感じさ?」
「そうだな・・・」

ナツさんはそういうと自分にいいように言われる気弱なエルザさんを想像した。

「とか?」
「それ単にナツの願望だよね!?」
「んだと~!んじゃハッピー、お前はどうなんだよ」
「オイラはこう思うよ!きっと・・・」

ハッピーは自分を尊敬して守ってくれるエルザさんを想像した。

「とか?」
「いや、お前の願望の方がひどくねぇか?」
「確かに」

ナツさんの願望もハッピーの願望もなんか違う気がする・・・

「う~ん・・・私はこう思います!」

ウェンディは自分にたくさんケーキを作ってくれるパティシエのエルザさんを想像した。

「とか!」
「「「そう来たか!!」」」

まさかの想像に驚く俺たち。すると今度はセシリーが・・・

「僕はこう思うよ~!!」

セシリーはミラさんみたいな天然系のウェイトレスのエルザさんを想像した。

「とか~?」
「「それはそれで怖い!!」」
「私はそれでもいいかも!」
「いいのか!?」
「シリルはどんなエルザさんだと思う?」
「そうだな・・・」

いつものエルザさんはまじめでキリッとしてるから、逆の感じのエルザさんっていったら・・・
俺は毎日ドジばっかりする、ウェンディみたいなドジっ子のエルザさんを想像した。

「とか?」
「やめろ!!なんかありえそうで怖い!!」
「そんなエルザ見たくないよ!!」
「そんなのエルザさんじゃないよ~!!」
「てか私そんなにドジしてないよね!?」

みんながなんか頭抱えだしたけど・・・一番まともだと思うよ?てかウェンディはドジっ子の自覚がなかったのか・・・
俺たちがそんな感じで盛り上がっていると

「揃いも揃ってつまんないこと妄想してんじゃないわよ」
「あはははは・・・」
「ごめんごめん」

シャルルに怒られてしまい苦笑いのウェンディと謝る俺。

「でも、逆の感じのエルザさんって・・・」
「実際のとこどうなんだろ?」
「すごい気になる~!!」

ウェンディたちが口々に言う。確かにエルザさんの逆って・・・どんなだろうな・・・

「ナツ見っけ!!」
「なっ!?」

すると騒ぎすぎたせいか、ナツさんがルーシィさんに見つかってしまう。

「おいコラァ!」
「おーし!新技かけっぞ!!」
「やめろって!いい加減にしねぇといくらルーシィでも・・・」
「へぇ~・・・」

腕をぐるぐる回してやる気十分のルーシィさん。ナツさんはそれを止めようとしたら逆にスイッチ入れちゃったみたい?

「やろぉってのか?上等だよ!」

黒いルーシィさんはナツさんにエルボーや蹴りを入れ、ナツさんは地面に叩きつけられる。

「つ・・・強い・・・」
「あのナツさんを沈めた・・・」
「ナツ~、大丈夫?」
「大丈夫・・・じゃねぇ・・・」
「根性たりねぇんだよお前は」

ルーシィさんはのびているナツさんに腰を下ろす。もうここまで来るとただの鬼だな。
それを見たギルドの皆さんは・・・

「ナツさんがルーシィさんに口答えなされるなんて・・・」
「珍しいこともあんだな」
「つーかアホだろ」

ルーシィさんにナツさんがボコボコにされたことよりもナツさんがルーシィさんに口答えしたことの方に驚いていた。
ルーシィさんは倒れたナツさんの胸ぐらを掴み上体を起こさせる。ナツさんはあまりの恐怖に震えていた。

「さぁ言え!どこで何してやがった?あぁ?」
「だから・・・それが・・・ハッピー!助けて・・・」

ナツさんがハッピーに視線を向けるとハッピーは顔をポリポリとかき

「さっきからこの仮面が蒸れて力が出ません」
「薄情もの!!」

どこかのアンパンのヒーローみたいなこと言い出したよ・・・まぁ顔蒸れてなくてもハッピーじゃ助けられないだろうけど・・・

「ルーシィ!またナツをいじめて!ダメじゃない!」

すると怖いルーシィさんを注意する女の人が出てきた。誰だ?

「ちぇ、わーったよ」

ルーシィさんは女の人に言われて手を離す。離されたナツさんはその女の人を見て固まっている。

「う・・・うそ・・・」

ナツさんに続いてハッピーまで固まる。どうしたんだ?てかあんな人いたっけ?

「お?戻ったのか」
「お帰りなさい。リサーナ」
「ただいま。ミラ姉、エルフ兄ちゃん」

エルフマンさんとミラさんがその女の人の名前を呼ぶ。リサーナさん?って確か・・・

「り・・・リサーナ・・・」
「ん?」

ナツさんとハッピーはリサーナさんを見て涙を浮かべ、ジェットさんとドロイさんと話しているリサーナさんを見つめる。

「見つけた・・・」
「ナツさん?」
「「リサーナ!!」」

ナツさんとハッピーはリサーナに飛び付いた!!

「ひっ!」
「コラァ!!」
「「ぎゃああ!!」」

しかしそれを見たルーシィさんにナツさんは蹴り飛ばされてしまう。

「お前いつからそんな獣みたいになったんだ?ああ!?」
「だって・・・リサーナが生きて・・・そこに・・・」
「はぁ?何言ってんだお前」

ナツさんはルーシィさんに胸ぐらを捕まれながらリサーナさんを指さしてそう言う。でもなんでリサーナさんって・・・
そんなことを思ってるとナツさんが着膨れグレイさんに連れていかれる。二人は仲いいんだ・・・ケンカしないと物足りないけど・・・

「なんでリサーナがいるんだ?」
「ミラさんの妹の・・・確か亡くなったはずだよね?」
「そうレビィさんに聞いたよ・・・2年前に事故で・・・」

なんでいるんだ?これもエドラスの影響なのか?

「みんなが逆になってるわけじゃないってことね」
「え?」
「どういうこと~?」

シャルルの言葉にハッピーとセシリーが反応する。

「ミラはあの通り、全然変わってないわ。決定的なのはアレ!」
「「「「ん?」」」」

俺たちはシャルルの指さした方向を見る。そこにはどことなく見覚えのある女の人がいた。

「あの子、少しお前に似てね?ウェンディ!」
「そう?」
「雰囲気とか近いよな?」
「私っ!?」
「ウェンディ!?」

そこにいたのはスタイル抜群の大人ウェンディだった。めっちゃきれいになってるやん!?てかなんでウェンディが二人?

「逆・・・じゃなくて違うのよ」
「そ・・・それって・・・」
「つまり・・・」
「そうよ。この人たち、私たちの探してるみんなじゃないわ!」

俺たちの探してるみんなじゃないって・・・どういう・・・あ!?
俺はそこまできてミストガンの言ってたことを思い出した。エドラスにはもう一人の自分がいるってこと・・・ウェンディやナツさんもこっちの世界にはこっちの世界の二人が初めから存在してるってミストガン言ってた!!

「別人・・・エドラスに・・・最初からいる人たちよ」
「そ・・・そういえばミストガンがこっちの世界にはこっちの世界の俺やウェンディがいるって言ってたなぁ・・・とか今思い出したりして~」
「何!?」
「なんでそういうことを早く言わないの~!?」
「シリルのバカ!!ドジっ子!!」
「いやだから忘れてたんだって!!」

みんなにミストガンから言われたことを伝えたら怒られた。だって忘れてたんだもん・・・てかウェンディにドジっ子とか言われたくないよ・・・ウェンディよりは大丈夫・・・なはず・・・

「ちょっと待て!!じゃあ、俺たちの知ってるみんなはどこに行ったんだよ?」
「ごちゃごちゃ何言ってんだ?」
「知らないわよ。それをこれから見つけるんでしょ?」

ナツさんはいまだにルーシィさんに捕まったままだ、シャルルはそう言うとセシリーの手をつかんで走り出す。

「これ以上ここにいるのも面倒ね。行くわよ!」
「ええ~!?」
「シャルル!セシリー!待ってよ!!」
「おいシャルル!!」
「シャルル!!どこへ!?」

ハッピーはシャルルたちのあとを追いかけようとし、俺とウェンディは三人の方を見る。

「王都よ!吸収されたギルドの手がかりは、王都にあるはず!」

シャルルはそういってギルドを出ようとすると目の前にナブさんが立ちふさがる。

「妖精狩りだ!!妖精狩りがきたぞぉ!!」

ナブさんがそう叫ぶとギルド全体に緊張が走る。妖精狩り?

「そこの猫!!どこへいく気だ!?外はまずい!!」
「「「え?」」」

ルーシィさんにそういわれ、シャルルたちは扉の前で立ち止まる。

「ちくしょう!!」
「もうこの場所がバレたのか!?」
「王国の方たち、また私たちを追って・・・」
「「えらいことですよ~!!」」

ギルドの皆さんは騒ぎ出す。どうしたんだ?

「王国?」
「私たちをアースランドに送り込んだ奴等よ!!」
「それじゃあ僕たち・・・」
妖精の尻尾(フェアリーテイル)の敵なの?」

セシリーたちはそんな会話をしている。そんな中でもギルドの皆さんは忙しなく動いている。

「リアクター点火準備、座標設定、誤差修正まで5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・マーカーにコネクト!ショックアブソーバーに魔力供給!」
「転送魔方陣はまだなのレビィ!!」
「今やってるよクソルーシィ!!」
「遅いって!!妖精狩りが来るんだぞ!!」
「だからわかってるって!!」
「「しゃべってねぇで早くやれよ!!」」

ルーシィさんとレビィさんが何やら口喧嘩してるけど・・・それを見ているとギルドの中で突然小石が宙に浮かび上がる。

「転送臨界点まで出力40%!43・・・46・・・51・・・」

レビィさんが機械を操縦しているとギルドの中がさらにざわめき出す。

「早くしろ、レビィ!」
「もたもたしてんじゃねぇ!!」
「うるさい!!出力61・・・63・・・転送まであと2分!!」
「大気が・・・震えてる・・・」
「なんだよこれ・・・」

ウェンディと俺がそう呟くとエルフマンさんが叫ぶ。

「来るぞぉ!!」

するとギルドの外に見たことのないような巨大な生物が現れた。

「なんだありゃあ!!」
「妖精狩り?」
「なんなの!!」
「一体これは~・・・」
「 王国が妖精の尻尾(フェアリーテイル)を狙ってる?」
「なんで?」
「そんなの決まってるじゃない」

俺たちが話しているとエドラスのウェンディがこちらに話しかける。

「王の命令ですべての魔導士ギルドは廃止された。残っているのは世界でただ一つ、ここだけだから」
「「え?」」
「知らないでナツについてきたの?つまり私たちは、闇ギルドなのよ!」

俺とウェンディはエドウェンディの言葉に驚く。妖精の尻尾(フェアリーテイル)が・・・闇ギルド・・・!?

「よし!臨界点到達!ショックアブソーバー作動!転送魔方陣、展開!!」

レビィさんがそう言うと俺たちの体が浮かび上がる。

「みんな!!何かに捕まれ!!」

ルーシィさんの声が聞こえて俺はすばやく柱を掴む。

「きゃあ!!」
「ウェンディ!!」

俺はウェンディの手をつかんで離さないようにする。

「展開・・・開始!!」

俺たちは巨大な生物に踏み潰される直前で別の所へと飛んでいった。

























第三者side

「転送だと?」
「ん~~。転送魔法か。あんなに魔力を無駄遣いする魔法を使うとは。司令塔のいなくなった奴等は・・・全く困ったものだな」

巨大な生物に乗っている女と、金髪のリーゼントヘアの男がそう言う。

「シュガーボーイ、いたのか」
「ん~~、本当、逃げ足の速い妖精だね」
「逃げ足だけでは意味がないがな。いずれ奴等の魔力は尽きてしまうのだから」

すると今度は二人の後ろから水色の髪の男がやってくる。

「貴様まで来たのか」
「もちろん!例の巨大アニマ作戦がようやく成功したらしいから、それを伝えるためにな」
「んで、魔戦部隊長は全員王都に戻れってさ」
「アースランドの妖精の尻尾(フェアリーテイル)を滅ぼしたのか!?」

二人の男の言葉に女が驚く。

「滅ぼしたとは人聞き悪いなぁエルちゃん」
「正確には吸収した・・・うちの王はやることがでかいねぇ」

二人は嬉々として答える。

「吸収されたアースランドの魔導士はどうなった?」
「王都さ」
「巨大な魔水晶(ラクリマ)になってるよ。いや~でかかったよエルちゃん!」
「素晴らしい。それならエドラスの魔力はしばらく安泰だろうな」
「ん~~!!」

三人はそういって、互いにほくそ笑み、王都へと戻っていった。



























引っ越した妖精の尻尾(フェアリーテイル)は・・・シリルside

ドン!ドドドン

「野郎共!!引っ越し完了だ!!」

ルーシィさんがそう言うとギルドの皆さんは互いの無事を確認しあい、安堵する。

「引っ越し?」
「ギルドごと移動したのか」
「すごい・・・」
「つか痛ぇ・・・」
「うん~・・・」

俺たちはあまりのことに全員倒れてしまっている。それにしてもすごい魔法だった・・・

「てめぇ!!何もたもたしてんだよ!!危なかっただろ!!」
「うっさい!!たまには自分でやってみろ!!」

ルーシィさんとレビィさんはまたもにらみ合いをしている・・・あの二人見てるとグレイさんとナツさんの関係が頭をよぎるな・・・

「なんだったんださっきのやつは・・・」
「どうしちゃったのナツ?久しぶりで忘れちゃった?」
「んなわけねぇだろ!!」

ナツさんが立ち上がって言うとミラさんが心配し、リーダスさんがキレる。
忘れちゃったんじゃなくて最初から知らないんですよ~。

「あれは、王都魔戦部隊隊長の一人、エルザ・ナイトウォーカー。
またの名を、妖精狩りのエルザ」
「「「「「!?」」」」」
「エルザが・・・敵・・・!?」

驚きの事実に俺たちは驚いた。






 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
エドラスのエルザとシュガーボーイと話していた男はエブリスタで読んでる人はたぶんわかると思います。
次回もよろしくお願いします。
 
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