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戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

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第二十話 日高大尉!居合もやるぜ!!その八

「元気ですけれどね」
「義母とかいいですよね」
「義母と息子、最高ですよ」
「このシチュエーションは無敵ですよ」
「それなら本屋に行きだ」
 悪田部も二人にこう言うのだった、その熱いトークを聞いて。
「フランス書院のコーナーに行くといい」
「それであの黒い表紙の本を手に取って」
「あとはレジに行くだけですね」
「電車の中ではカバーをして読んで」
「読書に励むんですね」
「ただし夏休みの宿題の読書感想文にはしないことだ」
 これは絶対にしてはいけない。
「あと谷崎潤一郎や永井荷風もあまりよくない」
「ああ、谷崎とか荷風は確かに」
「どっちもかなり、ですよね」
「作品にもよりますけれど」
「学校の読書感想文にはよくないですね」
「特に谷崎の鍵や卍等はだ」
 当然荷風にも読者感想文向きではない作品はある。むしろ荷風の作品自体が選ぶ方がよくないであろう。
「中学や高校の読書感想文の題材にしてはならない」
「まあそうですね」
「普通は選ばないですよね」
「フランス書院は論外にして」
「純文学系でも」
「オーソドックスな作家は夏目漱石だ」
 読書感想文のそれは、だ。
「こころや坊ちゃんだな」
「あと太宰ですか」
「太宰だと人間失格とか斜陽ですね」
「短いですけれど走れメロスとか」
「そんなところですね」
「そうしたところだ。読書感想文にしていい作品は実は限られている」
 このこともかなり重要であろうか、学校においては。
「どんな作家、どんな作品でもいい訳ではない」
「携帯小説をそれにしていいかどうかで議論もありますし」
「漫画とかも」
「まあ漫画でもあれですよね」
「山文京伝さんとかはアウトですから」
 言うまでもなくそうした方の漫画家である。
「それこそあの人の漫画も読書感想文にしたら」
「漫画がセーフでも」
「確実に生活指導室行きですよね」
「親呼び出しで」
「言うまでもないことだ」
 この場合は漫画の出来の問題ではないのだ。
「それをクラスで発表して読めるか」
「絶対に無理ですね」
「奥さんが、母親が、とか」
「あの人の漫画もかなり凄いですから」
「犬と、とか初期にありましたし」
 そうした作品を読書感想文としてキャラとりわけ堕ちるヒロインのそうした時の台詞を入れると完璧である。
「流石にですね」
「有り得ないですね」
「他のそうした漫画家さんもですね」
「読書感想文には出来ないですね」
「仮面ライダーならいい」
 石ノ森章太郎先生の原典も他の作者の方々の作品もだ。
「村枝賢一先生のものは特にな」
「あと石ノ森先生ならサイボーグ009もですね」
「ああした作品ならいいですけれど」
「やっぱり作品は選びますね」
「読書感想文には」
「そういうことだ、読者の方々も覚えておいてくれ」
 悪田部はここでテレビ目線になった、つまり読者の方に目をやったのだ。
「読書感想文の題材にする作品は選ぶことだ」
「いいな、そこはな」
「絶対に守れよ」
 ジャスティスカイザーの二人も読者目線になった。
「間違ってもフランス書院の小説は読書感想文に選ぶなよ」
「義母でも誰がヒロインでもな」
「その中でも女教師は止めろよ」
「特に担任の先生か国語の先生が女の人だったらな」
「確実に地雷になるからな」
「止めろよ」
 それこそ何があってもだ。 
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