転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0971話
「アクセル代表、帝国軍に対する攻撃は我々が到着してから皆で時を合わせて。そういう取り決めだった筈だが?」
帝国軍を包囲するようにして並んでいる幾つもの国の軍隊。その代表を集めて行われた会議で真っ先に話題に上がったのは、当然ながら昨日メギロートが帝国軍の真上を何度となく通過した事だった。
帝国軍が未だに建て直しをしている状況に疑問を持った人物からの問い掛けに対し正直に答えたところ、返ってきたのが今のような責める言葉だった訳だ。
ちなみに、エルベ藩王国を始めとした他の国々の軍隊が集まっているのに帝国軍が一切邪魔をせずに引っ込んでいるのは、その立て直しが理由だったりする。
にしても、こいつはどこの国の軍を率いている奴だ? 確か元々俺達と内応している国の軍隊にはこんな奴はいなかった筈だが……となると、ドサクサ紛れに帝国に反旗を翻した国のメンバーか?
それでも帝国軍に勝ってここまで辿り着いたのを思えば、決して無能ではないんだろうが。
「何を怒っているんだ? そもそも、俺がやったのは偵察であって攻撃じゃないぞ?」
「それでは、その偵察で帝国軍があそこまで崩れたと仰るつもりか?」
「そうだな、仰るつもりだ」
「アクセル代表!」
俺の口調に揶揄するような響きを感じ取った為だろう。その男は顔を真っ赤にして怒鳴りつけてくる。
お遊びもこの辺にしておくか。
チラリと視線を向けると、エルベ藩王国を代表して来ている国王のデュランが苦笑を浮かべつつ口を開く。
にしても、何だって国王がわざわざこんな最前線の危ない場所まで来ているんだろうな? いや、俺が言えた台詞じゃないかもしれないが。
「まぁ、落ち着きなされ。確かにアクセル代表の行為は先走りと言えなくもない。だが、そのおかげでオーガの件が明らかになったんだから、そこまで責める必要はないと思うがな」
「しかし! それでは軍の結束が!」
そう叫ぶ男だが、周囲にいる他の軍の代表から向けられる視線は冷たい。
ここで俺を……シャドウミラーの代表を声高に非難する事で、この連合軍の主導権を握りたい。そんなところだと見破られているのだろう。
本人もその視線に気が付いたのか、やがて徐々に声が低くなっていく。
「さて、ともあれ帝国軍にこんな奥の手があるとは思わなかったな。ただでさえ凶悪なオーガに、鉄の鎧を着せるか。いや、よく考えたと言うべきか」
感心したようなデュランの声。
コロンブスの卵的な発想だよな。誰が考えたのかは分からないが、帝国軍にもまだある程度の人材は残っているということか。
あるいは戦に関する事だし、独自の騎士団を率いているピニャ辺りの考えか?
……いや、こっちの戦力がどんなものなのかを知っているピニャなら、俺達と敵対した時点で帝国の負けを理解するだろう。
であれば、無条件降伏をモルト辺りに勧めていると思うんだが。
それにどのみち……
「オーガが鎧を纏った程度で、俺達を相手にどうこう出来ると思われるのは心外だな」
そう。鉄の鎧を身に纏った程度で、シャドウミラーの戦力をどうこう出来る筈がないのだ。それを向こうにしっかりと教えてやるとしよう。
「なるほど。では、あのオーガに関してはシャドウミラーにお任せしても?」
ゴブリンやオークはともかく、オーガはこっちでも確保していなかったからな。そういう意味では美味しい獲物と言ってもいい。
デュランの言葉に俺が頷くと、周囲にはほっとした雰囲気が広がる。
誰しも初めて見る相手とは戦いたくないのだろう。
「そうですか? では、そちらに関してはアクセル代表にお任せするという事で」
そういう事で、話は決まる。
取りあえず鎧を装備したオーガ、アーマードオーガとでも言うべきか? その相手は俺達シャドウミラーに決まり、同時に他の国々が配置する場所を話し合って決めていく。
やはりと言うか、この中で最も戦力の高いエルベ藩王国に関しては陣の中央に配置される事が決まった。
まぁ、これは国力を考えれば当然だろうし、寧ろ他の国々が中央に配置されたりすれば帝国軍との被害が大きくなるという意味で遠慮したかったのだろう。
中央に配置されるという事は、手柄を挙げる機会も多いが、敵の攻撃の多くをその身で受け止めるという事に他ならないのだから。
寧ろ迂闊に弱い軍隊を中央に配置しようものなら、帝国軍に一点突破されてこっちの軍が混乱する可能性が高い。特にこの帝都を攻略する為の軍隊は、連合軍と言えば聞こえがいいが、その実とてもではないが連携が取れているとは言えない、烏合の衆なのだから。
それぞれの軍隊で独自に指揮系統を持っているので、その辺のやり取りも非常に面倒だ。
ぶっちゃけ、俺達が纏めようと思えば戦力的にも難しくはないだろう。事実、多くの国々には量産型Wとメギロートを貸し出しているのだから、そこから指揮系統に組み込もうと思えば、可能か不可能かで言えば可能だ。
ただし、そこまでの苦労をしても得る果実が少ないので、口を出す気はないのだが。
それに、この件が終われば帝国を動かすのはここにいる国々で作り出した連合国家となる。そうである以上、完全に俺達任せにしないで、自分達でも血を流して貰う必要がある。
そんな風に思っている間にも話は進んでいき、攻め込む軍隊の順番が決まっていく。
それをどこか他人事の目で見ながら、俺はシャドウミラーが担当するオーガをどうやって捕獲するか考える。
いや、捕獲という面で考えれば手っ取り早い手段は1つか。
「って事で、俺達の担当は敵の切り札的な存在だと思われる、鎧を装備したオーガの集団となった。オーガってのはまだ捕獲した事がなかった筈だから、技術班に渡す為にもある程度捕獲する必要がある」
シロガネのブリッジで、マリュー、円、美砂の3人に先程の会議で決まった事を説明する。
その言葉にそれぞれの表情を浮かべる3人だったが、基本的にはそれ程嫌そうにしていない辺り、特に不満はないらしい。
相手をするのが人間じゃなくてオーガだって事も影響してるのだろう。
「捕獲するのは分かったけど、戦力は今のままでいいの?」
首を傾げながら尋ねてくる美砂に、問題ないと頷く。
補給や援軍の類に手間が掛かる他の国々と違って、俺達の場合は……より正確には俺の場合は影のゲートがある。
戦力が足りないと思えば、すぐにでもアルヌスの丘まで戻って連れてくればいいだけだからな。
それに……イルメヤのスパイダーネットがあれば、特に鹵獲に苦労する事もないだろう。何しろ、PTなんかでも一時的に動きを封じられる代物だ。幾らオーガが怪力自慢だとしても、生身でどうにか出来る筈もない。
もし例外的に強力な個体がいるとしても、スパイダーネットを使えるイルメヤは別に1機じゃない。複数でスパイダーネットを使えば、その辺は問題ない筈だ。
その辺を説明すると理解したのか、早速具体的な打ち合わせを始める。
もっとも、俺達がやるのはあくまでもオーガの対処。後は、同時に上空を飛び回って相手を混乱させるくらいだしな。
殆どをメギロートやイルメヤ、量産型Wに任せておけば、余程の突発事態がない限りは俺達がやるべき事はない。
当然打ち合わせもそれ程時間が掛からずに終わり、作戦開始の時刻まではゆっくりとお茶を飲んだりお菓子を食べたりしながら過ごすのだった。
「エルベ藩王国を始めとした周辺国家の連合軍が進み始めたわ。帝国軍の方も前進を開始。先頭は相変わらず一般人の部隊ね」
美砂の声がシロガネのブリッジに響く。
昨日あれだけ混乱させたにも関わらず、まだ帝国軍に一般人は大勢残っている。
エルベ藩王国や他の国々にしても、出来れば一般人は殺したくはないのだろうが、多くの弓や魔法が飛んで一般人の部隊に被害を与える。
ちなみに一般人を殺したくないというのは、別に人道的な面からとか、そういう理由ではない。この戦いに勝てばこの地はエルベ藩王国を中心とした連合国が治める事になる。そんな時、一般人がいない都市なんて税収的な面や人手的な面から見ても全く魅力がないからな。
特にこの戦争は既にこっちの勝利が半ば決まっているのだから、その気持ちは特に強いだろう。
事実、矢や魔法等の攻撃が近くに命中して逃げ出したりしている一般人に関しては、殆ど追い打ちを掛けていない。寧ろ、帝国軍の指揮官達の方が見せしめ的な意味で逃げ出した一般人へと攻撃を加えている。
「アクセル君……」
円がこちらに視線を向けてくるが、軽く首を横に振る。
確かに思うところがない訳ではないが、それもこれもこの国の住人達が選んだ道だ。
帝国が不利な状況になっているというのは、帝都の住人も知っていた筈だ。それを知った上で逃げ出したりしていなかったのだから。
中にはどうしても帝都を逃げ出せない理由のある者もいたのだろうが。
ただ……そうだな。
「なら、少しでも早く帝国軍の気持ちをへし折ってやるとしよう。メギロートとイルメヤを出撃させて、奴等の切り札でもあるオーガを使い物にならなくしてやれ。それと、竜騎兵辺りがまだ若干残っているみたいだから、それもこっちでどうにかしよう。ワイバーン辺りは欲しいし」
一応今の段階でもホワイトスターに数十匹単位でワイバーンは確保されている。これまでの戦いで……特に最初に奴等がホワイトスターに攻め込んできた時や、アルヌスの丘を占領した時に得たワイバーンだ。
それだけいれば繁殖させるのに特に不都合はないだろうが、いざという時の事を考えれば、多ければ多い方がいいのも事実。
「了解、メギロート、イルメヤ出撃して下さい」
円の声に従い、シロガネからメギロートとイルメヤが射出されていく。
メギロートは空を飛べるので問題がないとして、イルメヤは跳躍は可能だけど空は飛べないんだよな。だからこそ、シロガネのカタパルトデッキで出来るだけ遠くまで飛ばしてやる必要がある。
で、帝国軍がそんなのを黙って見ている筈もなく……
「うわぁ……凄い矢の数……」
呟く美砂の言葉通り、シロガネから射出されたメギロートやイルメヤに対して無数の矢が放たれる。
その矢の出所は、前衛の一般人部隊……ではなく、その背後に位置している部隊。
こちらが本物の帝国軍の部隊なのだろう。
そして、ここまでシャドウミラーや、あるいはエルベ藩王国を始めとして反乱を起こした国家に対して貸し出されていたものと戦ってきた経験から、動き出させればその時点でどうにもならないと判断したのだろう。
その判断は決して間違ってはいないが……メギロートやイルメヤを相手にするには、火力不足も甚だしい。
「あ、投石機」
呟く円の声。
シロガネの映像モニタへと視線を向けると、確かにそこには投石機の姿を見る事が出来る。
本来であれば攻城用の兵器である投石機をここで投入してきたのは、やはり弓や魔法ではメギロートやイルメヤに対してろくにダメージを与えられないと判断したからか。
この判断もまた、間違ってはいない。
ただし、ミサイルやらビーム、弾丸、レーザーといったものを普通に回避出来る戦闘用AIが、投石機で放たれた石に当たるかと言われれば答えは否であり……
「あ」
再びシロガネのブリッジ内に響く円の声。
投石機で放たれた石はメギロートにあっさりと回避されたが、その回避された石がどこぞの軍隊へと命中したのだ。
いや、あの軍隊は打ち合わせの時に俺に向かって責めるように言い立ててきた男の軍隊か。
運が悪いとしか言えないな。
もっとも、それでこちらを責められたりしても困るんだが。
そんな風に考えている間にもシロガネから射出されたメギロートは空中を飛び回り、イルメヤは敵のど真ん中に着地する。
射出する時の計算もきちんとされていたらしく、イルメヤの着地した場所はオーガから少しだけ離れた場所だった。
近接攻撃をするには距離が離れすぎており、スパイダーネットを射出するのにはこれ以上ない距離。
まぁ、それは逆に言えば帝国軍のど真ん中に着地したという事も意味しており、一般兵はともかく傭兵や兵士、騎士といった者達は、突然自分達のすぐ側に降ってきたイルメヤへと向かって咄嗟に攻撃する。
だが剣や槍といった武器でイルメヤに傷を付けられる筈も――かすり傷ならついているだろうが――なく、尾の部分をオーガの方へと向ける為の行動で足に弾き飛ばされたり、腹で潰されたりして無闇に被害が広がっていく。
そうしてイルメヤ全機がオーガの方へと尾を向け直すと、一気にスパイダーネットが連続して射出。次々にオーガの動きを絡め取って動きを封じる。
同時に空中を飛んで周囲を警戒していたメギロートが地上へと降りてきては、動きの封じられたオーガをそのまま拘束し、シロガネへと運んでくる。
制空権を取られたのが気にくわなかったのか竜騎兵も姿を現したが、そちらにも地上からスパイダーネットが放たれては、上に乗っている兵士諸共に絡めとられ、地上へと落下する前にメギロートに拘束されては運ばれてくる。
そんな風に、帝国軍の戦力が……しかも切り札的な扱いだろうオーガや、戦力的価値の高い竜騎兵があっという間に拘束され、連れ去られるのを見ては帝国軍にしても士気を保つ事が出来る筈もなく……やがて戦闘は半ば一方的なものへとなっていくのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
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撃墜数:1167
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