転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0970話
シロガネの映像モニタに映し出されているのは、帝都。その映像は、いつものように帝都の上空にいるメギロートが映し出しているのを中継しているのではなく、純粋にシロガネから見えている光景だ。
……そう、今の俺達は既に帝都が見える場所まで進軍してきている。
当然ここに来るまでに帝国軍との戦いは幾度かあったが、それらは全て撃破してきた。
他の従属国の軍隊に関しても同様で、帝国軍を撃退しながら今頃はここに向かっているだろう。
そんな状態の俺達を出迎えるように……より正確には迎撃する為に帝国軍が帝都の外で陣形を整えているのが映像モニタに映し出されている。
ただし……
「帝都からかなりの数を無理矢理徴収したようだな」
「そうね」
嫌悪感に満ちた表情を浮かべるマリューに、円は首を傾げて尋ねる。
「ねぇ、マリュー。何でそんなに嫌そうな顔をしているの?」
その口の利き方は、最初に比べるとかなり気安いものになっている。
美砂はそれなりにすぐにマリューに対しての口の利き方が気安いものになったのだが、円は生来の生真面目さ故にか中々マリューに対しての口の利き方を修正出来なかった。だが何やら美砂と3人で部屋に閉じ籠もって一晩過ごしたら、今の調子になっていた。
……ちなみに、俺はその時マリューの代わりにブリッジに詰めていたんだが。
ともあれ、エルベ藩王国を始めとした周辺国家に速度を合わせての進軍だった為、帝都に到着するまでかなりの時間が掛かった。
既にアルヌスの丘を出撃してから2週間程が経っている。
まぁ、一応余裕のある時は影のゲートを使ってアルヌスの丘へ、そこからホワイトスターに戻ったりもしていたのだが、あまりに時間が掛かりすぎた。
いや、それは俺達だけであり、他の国々は歩いて帝都に向かい、更には帝国軍と遭遇すれば戦闘になるのだから無理もないか。
実際、思い切りノロノロと帝都までやって来はしたが、それでも俺達が最初に帝都に到着し、まだ他の国々は影すらも見えないのだから。
帝国軍はディアボという司令官を失ったことにより、色々な意味で戦意が落ちている筈だから、エルベ藩王国辺りならそろそろ到着してもいい頃合いなんだけどな。
そんな風に考えていると、不愉快そうな表情を浮かべていたマリューが口を開く。
「考えてみても頂戴。帝都に住んでいるからといっても、別に軍人って訳じゃないのよ? なのに、そんな一般人を……それも最前線に出すのはどういう意味があると思う?」
「っ!? 肉壁……」
信じられない、とばかりに口を手で覆った円の言葉に頷くマリュー。
「そうよ。少し前ならゴブリンやオークといった戦力を使う事も出来たんでしょうけど、ここまで負け続けとなると、それを操る力を持った人も少なくなってきたんでしょうね」
「人命を損ないたくなくてゴブリンやオークを前衛に配置するのが帝国軍のセオリーだったのに、今ではその人命を最前線に出すか。笑えない冗談だな」
「確かにアクセルの言う通りだと思うけど、帝国の上層部にしてみれば一般人は殺されても被害に入らないんでしょ」
「でも、それだとこの戦いで勝っても帝国を復興させる事は出来ないんじゃない?」
美砂の言葉も確かだが、帝国にしてみれば一般人というのは人という扱いじゃないらしいからな。ホワイトスターやアルヌスの丘で捕虜にした奴等から聞き出した感じだと、貴族の捕虜からは普通にそんな感覚を持っている者が多かった。
その辺を教えると、美砂だけではなく円までもが嫌そうな表情を浮かべる。
「それに、実際帝国軍の兵士が極端に減っているってのも事実だし。この戦争で負ければ帝国という国自体が消滅の危機にあるんだから、その辺を気にしている余裕がないというのも事実かもな」
「……色んな意味で末期ね」
「ま、しょうがないだろ。皇位継承権第1位を持っているのは無能な馬鹿だし、第2位はゾルザルよりまだマシだと言っても考えすぎて自爆するような奴で、そいつにしても既にこっちで確保している。ピニャ辺りが皇帝になれば、まだ話は別だったかもしれないが……本人にその気はなさそうだしな」
俺の言葉に、円と美砂の視線がこちらへと向けられる。
口元には笑みが浮かんでいるのだが、目は少しも笑っていないという、ちょっと怖くなるような状態でだ。
「ピニャ……ねぇ。帝国の皇女様を随分と高く評価してるのね」
「聞いた話だと、帝国の皇女様は結構な美人だって話だけど……またアクセル君の悪い癖が出たのかしら?」
円と美砂のその台詞に、2人が何を心配しているのかを理解し、苦笑を浮かべる。
「安心しろ、その気はない」
だが、俺の口から出たその言葉に返ってきたのは、少しも信頼していないとでもいうようなジト目。
「他の事ならともかく、女関係でアクセル君を完全に信用しろってのは、色々な意味で無理があると思うんだけど」
「円の言う通りね。大体、私達を堕としてから恋人が何人増えたと思ってるの?」
「堕としたとか言うなよ、生々しい……」
美砂の言葉に、思わず突っ込む。
クスクスと笑い声が聞こえてくると思えば、何故かマリューが笑みを浮かべてこちらの様子を眺めている。
円や美砂の口元だけの笑みとは違って、きちんとした笑み。
どこか面白そうな表情を浮かべたその様子は、色々な意味で俺達の気を引いた。
「まぁ、円や美砂の言う事も分からないでもないけど、その辺をアクセルに期待しても意味がないわよ。強力な磁石かってくらい女を引き付けるし、惹き付けるんだから。それも色んな意味で」
いや、まぁ、それを俺がどうこう言う資格がないのは分かってるけどな。
それでも、出来ればもう少しオブラートに包み込んで欲しいと思うのは間違っているだろうか。
そんな風に内心で考えていると、やがてシロガネは帝都からそれ程遠くない位置まで到着する。
シロガネの姿を遠くから見て驚いていたのか、映像からでもざわめいているのが分かった。いや、ざわめきどころではない。混乱して逃げ出している者すらもいる。
ただし、当然帝国軍がそれを許す筈もなく、前線の指揮官と思しき者達が鞘に収まったままの剣を振るっては叩きのめし、元の場所に強制的に戻していた。
向こうにしても死活問題であるのは分かるが、見ていて気持ちのいいものじゃないな。
それは俺だけではなく、マリューや円、美砂の3人も同様だったのだろう。
いや、寧ろ円や美砂はこれが初めての本格的な戦争なだけに、より嫌悪感を露わにしている。
「何の罪もない普通の人を前線に立たせて、しかも従わないからって殴るなんて……」
そう呟くも、エルベ藩王国を始めとした各国との約定により、帝国の最後を迎える帝都攻めに関しては俺達と繋がりのある各国が揃ってからという事になっている。
……色々と思うところはあれども、各国とも既に帝国を滅ぼした後の事を考えているんだろう。
同時に、俺達の戦力がどれだけ強力なのかを知っているだけに、俺達に好き勝手をされてしまえばあっさりと帝都が落ちるという理由もあると思われる。
実際オーブの攻撃で、帝都の城やその周辺は軒並み瓦礫の山と化しているからな。こうしてシロガネの映像モニタで見ても、以前見た時と比べると殆ど片付いていない。
もっとも、片付けが進まない最大の理由は俺達にあるのは間違いない。周辺諸国の多くが帝国に対して反旗を翻したのだから。
城を片付けるような兵力があれば、そっちの鎮圧に回す方が先だろう。
メギロートから送られてきた映像を見る限りでは、一般人と思われる者達を使って瓦礫の撤去を勧めてはいるようだが……身体を鍛えている兵士と一般人では、当然その作業効率は大幅に違う。
どう頑張っても、この短期間で瓦礫の撤去は無理だ。
更に、当然瓦礫の中には貴金属を始めとしたお宝や芸術作品の類もあり、それを盗み出されないように見張る手間もある。
それに瓦礫を撤去しても、次は新しく城やらその周辺の建物やらを建てないといけない。
そういう意味では、恐らく一般人の貴族や軍に対する感情は色々と……なるほど。ならちょっと試してみる価値はあるか。
「マリュー、メギロートを1機出撃させてくれ。奴等の上空を通り過ぎる形でだ」
そんな俺の言葉に、マリューだけではなく円や美砂もまた小首を傾げる。
先程俺自身が言った、エルベ藩王国を始めとした国々とタイミングを合わせて攻撃するというのを言っているのだろう。
「別に攻撃する訳じゃない。奴等がどんな配置をしているのか、あるいは帝都の中がどんな具合になっているのかを調べるだけだ」
「それなら帝都の上空にいるメギロート……ふふん、なるほど」
言葉の途中で俺の意図に気が付いた美砂が悪戯っぽい笑みを浮かべてこちらを見返す。
だが、俺はそれに気が付かない振りをして言葉を続ける。
「帝都の上空にメギロートがいるのは、一応機密だ。なら、その機密を友軍だとしてもエルベ藩王国とかに知らせる必要はないだろ。それに、これから行うのはあくまでも偵察行為であって、帝国軍を攻めるんじゃないしな」
「でもアクセル君。実際にそれを攻撃だと向こうが判断して、こっちに攻撃を仕掛けてきたらどうするの?」
一応、といった感じで尋ねてくる円だったが、その口調にあるのは攻撃されるという心配ではなく、済し崩し的に戦闘に突入してしまうのではないかという心配だろう。
だが……
「攻撃って、どうやってだ? 俺達は空中に浮かんでいるシロガネにいるんだぞ? 向こうから攻撃してきてもどうしようもないだろ。投石機の類を使ったり、あるいは数少ない竜騎兵を使っても、一番外側にあるEフィールドすら突破出来ないのは確実だ。後は、敵がむざむざ物資を消耗してくれるのをここから眺めて、他の国が来るのを待っていればいいだけだ」
その言葉で話は決まり、早速とばかりにメギロートを出撃させる。
一般人と貴族の間にある不満に火を付けてやる為に。後は、ちょっとだけ無理矢理戦いに駆り出された一般人を逃がす為に。
「メギロート、1機出撃したわ」
美砂の言葉と同時に、シロガネの映像モニタに映し出される帝国軍の映像。
出撃したメギロートから中継されているものだ。
その映像は見る間に帝国軍へと近づいていく。
そんなメギロートに、帝国軍は最初呆気にとられつつもすぐに迎撃の準備を始める。
弓を構え、あるいは投石機の準備をし……だがその動きは、メギロートの速度を考えれば明らかに遅かった。
そのまま真っ直ぐに帝国軍の方へと進んでいき……やがて、自分達の迎撃の準備が間に合わないと判断したのだろう。貴族と思しき指揮官が真っ先に逃げ出す。
それを見て自分の命が危険であると知る一般人が何も行動を起こさない筈もなく、逃げ出した貴族を追いつけ追い越せとばかりに散っていく。
そうなれば、メギロートが上空を通り過ぎた付近の一般人以外も逃げ出し始め、帝国軍の前線は完全に混乱する。
勿論監視役の騎士に殴りつけられ、あるいは斬りつけられる不運な者もいる。だが、殆どの一般人はそのまま逃げ散ることに成功した。
混乱している帝国軍の合間を縫って帝都の中に戻る者もいれば、着の身着のままでその場から逃げ出す者もいる。
貴族や騎士達にしてもそれを止めようとはするのだが、その度に上空をメギロートが飛んでいては、それどころではない。
エルベ藩王国を含む国々との約定通りにサークル・レーザーを始めとした攻撃は一切していない。ただ、偵察する為に帝国軍の上空を飛んでいるだけだ。
そう口に出すと、円がどこか呆れた様な表情で口を開く。
「偵察するにしても、こう何度も空を飛ぶ必要はないと思うんだけど。大体、今の時点で前衛の部隊は殆ど壊滅してるじゃない」
「それは否定出来ない事実だな。いやぁ、偵察の不手際で何度も上空を行ったり来たりしただけで、ここまで衝撃を与えるとは思わなかった。予想外にも程があるな」
「……わざとらしすぎるわよ」
そんな風にお互いに白々しいやり取りをしていた。そんな時。
「あら? ねぇ、アクセル君。ちょっとこの映像見て頂戴」
メギロートが上空を飛ぶ度に騒いでいる帝国軍を見ていた美砂が、不意に呟く。
その言葉に、映像モニタへと視線を向けると……そこには予想外の存在が映し出されていた。
身体の大きさはゴブリンは勿論、オークすら優に凌駕する程であり、人間の2倍、あるいはそれ以上の大きさ。
しかも、注目すべきはそれだけではない。全身に鎧を着込んでいるのだ。見るからに重装歩兵とでも呼ぶべきその存在は、予想外にも程があった。
「……偵察しておいて良かっただろ?」
「否定出来ない事実ね」
俺の言葉にマリューが苦笑を浮かべながら頷き……その後は他にも何か見覚えのない兵種がいないかを本格的に調べ、やがてその日はそのまま終わり……翌日早朝、エルベ藩王国を始めとした各国がこの場に順番に到着する。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1167
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