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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第六幕その七

「動物をいじめる奴」
「そうでしょ、たまにいるでしょ」
「それがね」
 どうしてもというのです。
「嫌なことにね」
「その連中がね」
 どうしてもというのです。
「私は許せないのよ」
「そうした奴に対しては」
「もっと徹底的にやるから」
「世の中先生みたいな人だけじゃないんだよね」
 ホワイティも溜息と一緒に言うのでした。
「変な人もいるから」
「そうそう」
 ジップはホワイティのその言葉にうんうんと頷いて返します。
「だからね」
「そうした変な人はね」
「何とかしないとね」
「ああした人は病気なんだよ」
 トートーはこう言いました。
「動物、同じ人間に対してもね」
「いじめをする人は」
「そうした人はだよね」
「心の病気なんだよ」
 トートーはそうした人達をこう言い切りました。
「だから怖いんだよ、余計に」
「病気は身体だけのことじゃない」
「心にもあるんだね」
「それでおかしなことをする」
「そういうことなんだね」
「そうなんだよね」
 先生も難しそうでしかも残念そうに言うのでした。
「心が病気の人はどうしてもいるんだよ」
「心の病気が進むとあれよ」
 ポリネシアが言うことはといいますと。
「もう怪物になるから」
「そう、人間や動物はどうしてそうなるのか」
 先生もポリネシアに応えて言うのでした。
「それは心からなんだ」
「心がどうかよね」
「そうだよ、心が人間、動物ならね」
「私達みたいになるのね」
「けれど心の病が進んで」
 そうしてとです、先生は眉を曇らせて皆にお話しました。
「それが酷くなると」
「怪物になるんだね」
「人を化物と言う人が実は心がね」
「病気が酷くて」
「その人達の言う化物になっている」
「そうしたことはあるわね」
「そうだよ、世の中にはそうした人もいるよ」
 先生は心で皆を見ます、だからこその言葉です。
「僕も昔はそうだったかな」
「昔の先生が怪物!?まさか」
「そんな筈ないわよ」
「先生はいつも先生だったよ」
「僕達ずっと先生と一緒だからわかるよ」
「別にね」
「おかしな人じゃないから」
 むしろそうした人とは正反対だというのです。
「だからね」
「そんなことないから」
「別に気にしなくても」
「そうしたことは考えなくても」
 別にというのです。
「いいんじゃない?」
「そうそう、誰にだって公平で優しいし」
「どんな人でも動物でもね」
「お仕事や肌や目の色にこだわらないじゃない」
「哺乳類でも鳥類でも爬虫類でも両生類でもね」
「いや、昔の僕は王子を何処かで下に見ていたかも知れないね」
 あの王子をというのです。 
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