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エターナルトラベラー

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第二十一話

会場がナルトの勝利に湧く。

俺は退場し、通路で入れ替わりのヒナタとソラに会う。

「アオ、惜しかったね」

「うん。
でもナルト君かっこよかったなぁ」

「ヒナタ…」

今から試合だって言うのに大丈夫なのか?ヒナタ…

そんな精神状態で戦えるのか?

「次は2人の番だから、頑張ってこい」

「うん」
「はい」

そう言って俺の横を過ぎ、ドーム中央へと向う。

俺は観客席の方へ向う。

俺は適当に空いている席を見つけ着席する。

「よいしょっと」

席に着くと隣に駆け寄ってくる小さな子供。

「惜しかったですね、アオ兄様」

「兄様は止めてください、ハナビ様」

ハナビは拗ねたような表情を浮かべながら俺の隣の席に座った。

「いいじゃないですか」

「いや、良くないんですが…それよりも来ていたんですね」

「むう、今は回りに日向の者はいないんですから敬語は止めてください!」

…姉妹揃ってそこだけは頑固なんだよねぇ。

俺、使用人なんだけど…

まあ、日向の家にいると同年代の子供と対等な関係を作るのが難しいからねぇ。

ヒナタはアカデミーに入学して多少同年代と付き合う事が出来たが、ヒナタ以上に期待されているハナビはかなり箱入りだからなぁ、対等に話してくれる人が欲しいのだろう。

「解ったよ今だけだからな、ハナビ」

「はい!」

嬉しそうに返事をするハナビ。

「それで、一人で来たのか?」

「いえ、父上と一緒に。さっきまで父上と一緒にアオ兄様の試合を見ていました」

「そっか。それじゃがっかりさせちゃったかな。俺負けちゃったし」

「そんな事在りません。父上が言ってました。最後のアレ、気絶したフリだって」

ありゃ…バレてら。

「あはは…」

「何でそんなことしたんですか?」

何でって…主人公に勝っちゃまずいだろ!

「まあ、あれ以上やったらどちらかが再起不能になったかもしれないしな」

というよりむきになって九尾のチャクラが暴走したら目も当てられないし。

「そうなのですか」

「そうなの、それよりほらヒナタとソラの試合が始まる」

「はい!」

会場の中央に目をやる。

「第二試合、始め!」

試験官から開始の掛け声。

「ソラさん、手加減はしないで下さいね」

「…わかった」

ヒナタの真剣な眼差しに応えるソラ。

開始の合図と共に両者『堅』をする。

「はっ」
「ふぅ」

両者はそのオーラを身に纏いヒナタは柔拳、ソラは豪拳でそれぞれぶつかり合う。

「姉様もソラ姉様も凄いです」

「うん」

互いに一歩も譲らず五分に渡り合っている。

この一ヶ月ヒナタは柔拳を徹底的に訓練してきたようだ。

技のキレが格段に上がっている。

今のオーラを纏ったヒナタの柔拳は既に柔拳の域を脱している。

ヒナタの攻撃は普通の人ならその一撃で外部破壊、内部破壊の両方が同時に起こり、その命を奪ってしまうほどの攻撃だ。

しかし、そこは相手が普通の人ならの話。

ソラ相手では少しばかり状況が変わる。

写輪眼でその攻撃を完璧に見切り、流でその攻撃をガードする。

そうしてその攻撃をほぼ無効化してしまっている。

ソラの攻撃もヒナタのバブルバルーンに捕まり、上手く当てられない。

「お姉様の攻撃、当てるだけでダメージがあるはずなのに、ソラお姉様はどうやって防いでいるんでしょう?」

「あー、それは…気合?」

「まじめに応えてください!」

そんな事言っても…

うーん。

「当たる瞬間に、同じだけのチャクラをその周囲に纏わせ、ヒナタの柔拳によるチャクラの侵入を防いでいるんだよ」

「え?そんな事が可能なんですか?」

「修行次第かな」

「修行ですか」

念の…

その後も互いに決定打に欠けるものの、その戦いは魅せるものがある。

「火遁炎弾の術」

ソラの口から幾つもの炎弾が吐かれ、ヒナタに向う。

「くっ」

ヒナタはバブルバルーンを繰り出し、炎弾をその風船に包み無効化する。

「凄い。忍術を隔離した?」

うお!いつのまにハナビは白眼を使えるようになったんだ!?

その眼でヒナタのバブルバルーンを見破っている。

「ヒナタのアレは厄介だよ。あそこで包まれている風船のような物はヒナタの意思で破裂させる事が出来る。その時に一緒に中に溜め込んだ物も爆発させることが出来るからね、忍術を使いすぎるといつの間にか回りには自分で放った忍術で囲まれていて一斉に爆破。ほら」

ドドドンッ

爆破されるバブルバルーン。

しかしそれも計算の内だったのか、ソラは爆発を眼くらましにして『堅』で爆発のダメージをガードして一気にヒナタに走りよりヒナタの首元にクナイを当てる。

「そこまで!勝者神咲ソラ」

うぉぉぉおおお

場内の歓声。

「ソラお姉様、凄いです!」

「ヒナタもね」

「はい!」

第三試合

ガアラVSうちはサスケ

しかし、うちはサスケが現れない。

「負けちゃった」

「惜しかったですね、姉様」

「うん、やっぱりソラは強かったよぉ」

ヒナタが観客席の方へ来たようだ。

「ヒナタ、あれ?ソラも?」

ヒナタの後ろにはソラの姿もある。

「次の試合は棄権するし」

「え?どうしてですか」

ハナビがもったいないと問いかける。

「アオも負けちゃったし、私だけ中忍になって別の任務に回されるのは嫌」

「…さようで」

まあ、確かにそれは一理ある。

一人だけ別任務に回されるのは凄く心細いしね。

さて、待てどもやって来ないサスケに場内はそろそろ我慢の限界だ。

どうやらサスケの試合は後回しにして次の試合が先に行われるらしい。

うーむ、うちはのネームバリューは凄いねぇ。

みんなうちはの最後の生き残りの試合を見に来ているらしいし。

第4試合

油女シノVSカンクロウ

カンクロウ棄権により 勝者 油女シノ

でもこの中忍試験ってその実力を見せれば良いだけだから不戦勝って実は何の価値もないんだよね。

第5試合

奈良シカマルVSテマリ

良い所までシカマルは影真似の術で追い詰めるもギブアップを宣言。

勝者テマリ

というかあの影真似の術凄く便利そう。

写輪眼でコピーしときました。

第6試合

うちはサスケVSガアラ

会場に瞬身の術でさっそうと現れるサスケ。

遅刻も許されるのは血継限界をその身に宿す希少性からか。

そして始まるサスケの試合。

「始め!」

試験官の開始の合図。

同じうちはの血を持つ者の戦い方か…しっかり見させてもらいましょうか。

俺は写輪眼を発動してその動きを取りこぼさないようにしっかりと見る。

体術を基本としたサスケの攻撃は、しかし総てガアラの砂の防御の前に防がれる。

「玉?」

何回かサスケの体術による攻撃を防いでいた砂の盾がガアラの体を包み込み、完全に隠してしまった。

それを見たサスケが一旦距離を取り、壁にチャクラで吸着して立ちながら印を組んでいる。

その後発される異音。

チチチチチチチ

左腕に纏わせた膨大なチャクラを雷に形質変化させる。

サスケはそのまま雷によって肉体活性させ限界を超えた速度でガアラに突っ込んでいった。

うお、フェイントも無く一直線かよ!

恐らくあの砂の玉の中にいるガアラにしたって如何にかして外の事は認識しているはず。

であるなら反撃は合ってしかるべき。

実際に砂の玉の表面から幾つかの槍が伸びサスケを貫かんと伸びている。

しかしそれを見切る眼を持っているが故に恐れなく突っ込んでいったサスケ。

あの堅牢な砂の防御壁がサスケの技によって貫かれている。

凄い威力だ。

一応写輪眼で術の構造はコピーしたけれど、使えるかな、俺。

性質変化。

こればかりは先天性の物があるからな。

まあ、後で試してみるか。

手を砂の玉の中に突き入れているサスケ。

「うわああああ!血が!俺の血が!」

中からガアラの絶叫が響き渡る。

その声に不穏な気配を感じたサスケはその玉の仲から腕を引いた。

それに伴い砂の中から出てくる異形の手。

なんだ?

なんだか凄く禍々しい。

その後ガアラは砂の防御を解き、その身を現した。

「両者とも凄いですね」

「ああ」

ヒナタの呟きにそう応えた時だった。

会場の上方から大量の羽が降ってくる。

「これは!?」

「幻術!?」

「ええ!?」

「いいから幻術返しだ!」

「「「解!」」」

俺達は印を組み幻術を返す為に体内のオーラを乱す。

「ヒナタ、サングラス!」

「?」

「早く!」

「は…はい!」

サングラスをかけ、その視界が開かれている事を隠す。

この幻術はかけられた者を眠りの中に誘うもののようだ。

俺は幻術で寝入ってしまうハナビを膝の上に抱き上げ気絶したフリをする。

「な!?」

「アオくん!?」

行き成りハナビを抱き上げた事に2人は驚いたようだ。

「いいから寝たふり!」

「「う…うん」」

ソラとアオは互いにもたれかかるような感じで気絶したフリをする。

俺は『円』を展開し、周囲を警戒する。

「ヒナタ、俺達を包む広さでバブルバルーン。一応『隠』で気取られないように」

「はい!」

ヒナタのバブルバルーンに包まれる。

「一体なにが起こっているの?」

ソラが小声で問いかけてくる。

「砂の上忍が何人も入り込んで来ているのが見て取れるな」

「本当だ。先生達戦っているね」

「当主はどうしているだろうか」

「え?父上来ていたのですか?」

「じゃ無かったらハナビが此処にいるはずが無いよ」

「それはそうだね」

「ヒナタ、白眼で当主が何処にいるか解らない?」

「えっと、ちょっと待って。…会場内には居ないみたい」

おい!こんな大事な時にどこへ!?

…トイレとか?

火影の席の方を見ると、座っていた席の屋根の部分になにやら結界忍術のような物が見える。

火影はその中だろうか。

って、マズイ!

誰かがこちらに高速で近づいて来ている。

サングラスの下で視線を向けると他国の忍びがなぜか俺達に向ってやって来ている。

狙いは何だ?

俺達の命か?

でも一応幻術にはまったフリをしている訳だけど。

バレたのか?

いや、額宛を見るとどうやら砂の忍では無い。

この騒動を仕掛けたのは砂の忍達のようだ。

では何が目的だ?

この混乱に乗じて他国の忍が俺達の方へやってくる理由は?

もしかして血継限界を宿す日向の子供か?

今本家の子女が2人も無防備に寝入っている訳だし、混乱に乗して連れ去るには絶好のチャンスか。

だが俺は今ハナビを膝抱っこしていて迎撃に出られない。

ちっ!

俺は円を解き周でヒナタを囲む。

俺のその行動でソラとヒナタも異常に気づいたようだ。

いつでも動けるように、二人とも周りをサングラスで隠された双眸で伺っている。

ヒナタのバブルバルーンも展開されているから初撃は何とでも防げるだろうが、問題はそこから。

ヒナタのバブルバルーンに触れれば流石にこちらが気が付いていることはバレるだろう。

そこからは戦闘を考えなければならない。

そんな事を高速で思考していると、案の定俺達の目の前に現れる他国の忍び。

その手をハナビに伸ばしたところで後ろからクナイで刺され、絶命した。

「危なかった。砂だけではないか。この混乱に乗じて日向本家の子をさらおうとするか」

そう言って現れたのは我らが紅先生。

「待ってなさい。今幻術を…って、気が付いているわね」

「はい」
「ええ」
「ごめんなさい」

「いいわ、でもここに居るのは危険よ。敵は砂の忍だけじゃない。日向の血継限界を狙っている者たちにしてみたら千載一遇のチャンスなんだから」

「はい」

それはわかっている。

ヒナタはまだしも、未だハナビの力では大人の忍には手も足も出ないだろう。

「それじゃアナタ達に任務を与えるわ。日向ハナビを伴い会場を脱出。日向ハナビの安全確保を第一に考えなさい。以後余裕があれば里の非戦闘員の避難誘導に当たる事」

「はい」
「「了解しました」」

紅先生は印を組みハナビの額に添える。

「解!」

「んっ…んん」

「起きたか?ハナビ」

「兄様?」

「状況の説明は後にして、取り合えず今はこの場から離れる」

「え?ええ?」

混乱するハナビ。

そりゃそうだ。

ハナビを抱えていては印を用いた忍術は使えないな…仕方ない。

「ソル」

『スタンバイレディ・セットアップ』

「あなた!それは?」

紅先生が問いかける。

「今はそれどころじゃないです。敵が来ます」

「くっ!」

俺の言葉に紅先生は迎撃に向う。

「ソラ!ヒナタ!まずこのドームを出る。いくぞ」

「「うん」」

瞬身の術を駆使して一気にドームの縁まで移動する。

そして一気に上空へとジャンプ。

その勢いを殺さない内にフライの魔法を使用。

さらに高く高く昇っていく。

どうやら上忍の人たちが敵の数を減らしていてくれたおかげで無事ドームから逃げられたようだ。

「きゃあああ!高いです!と言うか飛んでます!」

「あはは…私と同じリアクション」

隣りでソラに抱えられているヒナタがそんな言葉を言った。

ソラも瞬身の術で縁に移動する途中でルナを起動して、ヒナタを掴んでフライの魔法を使用したようだ。

「それで、何があったのですか?」

「俺達にもよくわらないのだけど」

と、前置きして俺はハナビに事のしだいを話す。

「なるほど、という事は下で里を破壊している巨大な蛇は敵の口寄せという訳ですね」

「蛇?」

俺はハナビに言われて眼下の里を見るとそこには巨大な蛇が。

「でか!」

何かあの蛇すんげーでかいんですけど!

「あ!あの蛇里を破壊しています!どうにか成りませんか?」

「いや、どうにかって…うーん。ヒナタは?」

「む…無理だよ!ソラさんは?」

「うーん。ヘクサゴンスペルのプラズマザンバーブレイカーかスサノオなら何とかなるかも」

「建御雷は?」

「対象がでか過ぎる」

「なるほど」

確かにその二つならあの巨体も貫けるかもしれない。

「プラズマ?」

「スサノオ?」

「ん?」

「ああ、しまった!」

普通に俺達の奥の手をばらしてしまった!

くぅ、迂闊!

「何か良くわからないけれどアレどうにかできるんですか?」

「うん、まあ…」

「なら今すぐお願いします。このままじゃ里が破壊されつくされちゃう」

確かにこのままじゃかなりの建物が大蛇によって破壊されてしまう。

「ちっ、しょうがない!ソラ」

「うん!」

俺はハナビに、ソラはヒナタにレビテーションを掛け離す。

「え?」
「ええ!?」

行き成り離されて宙に置き去りにされて驚いているヒナタとハナビ。

「じっとしてて」

「あ、うん」

さてと、今の俺じゃ単騎でプラズマザンバーは使えない、しかもドクター特製のカートリッジは無い。

ドクター特製のカートリッジは魔法の足せる数を強引に上げる。

しかし今俺が持っているカートリッジは念能力によって具現化したオーラを溜め込んだもの。

それはオーラを瞬間的に増大するが、魔法を足す効果は無い。

だが!

ここで双子マジック!

前世では使えなかった二人の魔法使いによるヘクサゴンマジック。

俺とソラが風を三つずつ足して完成する。

『ザンバーフォーム』

『ロードカートリッジ』

更に威力を上げる為にカートリッジを使用する。

ガシュガシュガシュ

「何?行き成りオーラが膨れ上がった!」

カートリッジによるドーピングでありえないほど膨れ上がったオーラに驚愕するヒナタ。

一人3発、計6発のロード。

ソラの援護を受けて完成するヘクサゴンスペルの巨大ブレード。

「プラズマザンバーーーーーーッ」

「ブレイカーーーーーーーーーーッ」

気合一閃、俺はその光刃を大蛇目掛けて振り下ろす。

振り下ろしたそれは大蛇の首を切り落とし、更にその落雷のごとき電圧で大蛇の体は焼け落ちる。

「凄い…」

あっけに取られているヒナタとハナビ。

「これがアオくん達の本当の戦い方…」

大蛇が完全に沈黙したのを見て俺はヒナタ達の方へ飛んでいく。

「さ、でかいのは潰したし、早く非難しよう。避難場所は知ってる?」

「はい、確か緊急時のマニュアルが…」

ハナビの案内で俺たちは避難所へと移動することになった。 
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