転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0961話
ダークエルフの案内人に用意された一室。……いや、部屋というか洞窟の中で広くなっている場所だが、それでも新生龍に追われ、あるいは襲われている今のダークエルフにしてみれば、それなりに貴重な場所なのだろう。
申し訳なさそうな顔をしていたのは、自分達の現状を嘆いている為か。
それでも精一杯のもてなしとして、果実や木の実の盛り合わせを用意したところにダークエルフの俺に対する思いが伝わってくる。
食料にも困っているのに、これだけの量を出すのは寧ろ思いというよりは重いんだけどな。
取りあえず空間倉庫の中に入っていたチョコやクッキーといった物を適当に渡しておいた。
……その結果、俺に対する視線の中により強い畏敬の念が宿ったのは予想外だったが。
ともあれ折角なので、出された果実や木の実を口にしながらこれからの予定を相談する。
ちなみにここにいるのは、俺、コーネリア、ムラタ、ロゥリィ、レレイの5人のみ。
レレイ辺りは世話役として残ったダークエルフに色々と話を聞いているようだが、恐らくはそれが目的でついてきたのだろう。
ヤオ辺りからも結構細かく話を聞いていたようだし。
「それで、これからの事だが……」
「俺がやるのだろう?」
最後まで言わせず、ムラタがそう告げる。
いや、別にお前の獲物を取ったりはしないから安心しろ。
「そうだな。ただ、以前に俺が倒した古代龍程じゃなくても、新生龍は稀少だ。ダークエルフの味を覚えた新生龍だけに生かして捕らえる気はないが、出来るだけ綺麗な状態で仕留めてくれると嬉しい」
ハイエルフの集落を襲っていた炎龍に関しては、内臓の一部が吹き飛んでいたって事でレモンに微妙に文句を言われたんだよな。
胃の辺りに関しては、特に文句は言われなかったが。
それを思えば、ビーム系で消滅させるのは止めた方がいい。出来れば……
「シシオウブレードや五大剣で切断する形がいいだろうな」
そうすれば、内臓の類も切断はされるが基本的には残る。
レモン達技術班なら、それで満足してくれる筈だ。……してくれると、いいなぁ。
そんな俺の言葉を聞いたムラタは、寧ろ望むところだとばかりに笑みを浮かべる。
強面のムラタだけに、どちらかと言えば山賊の親分が獲物を見つけた時のようにも見えないではない。
「普通ならぁ、新生龍を相手にして手加減とか殺し方を考えるような暇はないんだけどねぇ」
葡萄のような大きさの果実を口に放り込みつつ、呟くロゥリィ。
だが、そんなロゥリィに対して俺の隣に座っていたコーネリアが笑みを浮かべて口を開く。
「私達はシャドウミラーだからな。これまで戦ってきた相手に比べれば、古代龍や新生龍といったものとて、それ程の難敵ではないさ」
「……どんな相手と戦ってきたのかしらぁ」
「それは私にも興味がある。出来れば聞かせて欲しい」
いつの間にかダークエルフとの話を終え、近くに来ていたレレイの興味深そうな視線。
その好奇心の高さは、色々と技術班の連中と通じるところがある。
「そうだな、私がシャドウミラーに参加したのは途中からだが、やはり幾つもの世界を破壊してきた破壊神とか、味方だと思っていたら最終的には敵対した重力を操る魔神とも呼ぶべき存在がいたな」
ダークブレインとネオ・グランゾンを操るシュウだな。
他にも修羅王やデュミナスといった存在もいたが、さすがにその2つに比べると数段落ちるだろう。
その2つがどんな存在であったのかを話していると、やがてこちらに近づいてくる足音が聞こえてくる。
出入り口の方へと視線を向けると、やがてエザリア、イザーク、テュカ、ヤオの4人が姿を現した。
全員が浮かべている表情は笑顔であり、それが話し合いの結果を如実に現している。
「どうやら成功だったようだな」
「ええ。ダークエルフの長老も含めて、皆がアルヌスの丘に移住する事に決まったわ。エルベ藩王国としては色々と思うところがあるかもしれないけど……」
「エルベ藩王国とて文句は言えまい。そもそも、この件に文句を言うのならエルベ藩王国の軍隊で新生龍を退治していれば良かったのだからな。それが出来なかった以上、向こうとしてもダークエルフがこの地を離れたとて、文句は言えまい」
「確かにコーネリアの言う通りね。もっとも、強制的にダークエルフを連れ去ったのなら問題だけど……」
エザリアの言葉と共に視線を向けられたヤオは、全く問題ないと首を横に振る。
「その件に関しては、寧ろ感謝している程だ。此の身としてもアクセル様のような方と同じ場所に住む事が出来、その庇護を受けられるというのなら、喜びこそすれ悲しむ事は一切無い」
「……らしいから、問題はないと思うわ」
その言葉に周囲にいた者達の安堵の息が吐き出された、その瞬間。不意に獰猛な気配を感じ取る。
その気配があるのは、ここからそれ程離れていない場所。そこからここに向かって来る存在が2つ。
これは恐らく……
「来たな」
呟いた声が周囲に聞こえると、ヤオや世話役のダークエルフ、テュカといった者達は俺の言っている意味が分からないとばかりに視線を向けてくる。
だが、シャドウミラーのメンバーは違っていた。実働班のメンバーだけではなく、政治班のエザリアまでもが小さく頷く。
……その中にロゥリィの姿があったのは、ムラタと共に行動して染まってきた結果だろうか。
そんな風に考えつつ、早速洞窟の外に向かおうとしている者達をそのままに、まだ理解していない面々へと何が起こっているのかを教えようとした、その時。
「新生龍だぁっ! 2匹共現れたぞぉっ!」
洞窟の外からそんな、悲鳴のような声が聞こえてくる。
やっぱりな。その声を聞いて思ったのは、それだけだった。
さて、獲物が向こうから来てくれたんだし……準備でもするか。
「ムラタ」
「おう、こっちはいつでもいいぞ」
トリニティゲインでは新生龍を相手にしても、殆ど手応えがないだろうというのは理解してながら、それでも戦いに対する意欲が減る事はない。
新生龍と初めて戦うからこそだとは思うが、いずれは古代龍辺りと戦わせてやりたいところだ。
「じゃあ、俺とムラタは行くが一緒に来たいって奴はいるか?」
その言葉に手を上げたのは、その場にいた全員。いや、それどころか俺達の世話役として残されていたダークエルフまでもが手を上げている。
自分達を散々苦しめてきた新生龍が討たれるんだから、それを見たいと思っても当然か。
そういう意味では、ハイエルフの面々は炎龍を仕留めた死体しか見る事が出来なかったのは残念だったのかもしれない。
「アクセル様。此の身もそうだが、恐らく生き残っている殆どの者が新生龍の最後を見届けたいと思います。出来れば皆に知らせたいのですが」
「好きにしろ。ただ、近づけば戦闘に巻き込まれるだろうから、その辺に関しては自己責任だぞ」
「はい!」
余程に嬉しかったのだろう。早速とばかりに去って行くヤオの背を見送り、俺達もまた同様に洞窟の外へと向かう。
すると、遠くに赤と黒。2つの体色を持つ新生龍がそれぞれ木々を薙ぎ倒しつつ、森の中を歩きながらこちらへと向かってきているのが分かる。
「さて……じゃあ、行くか。すぐに始めるから、見学するならここからで頼む。ムラタ」
「おう」
「……ムラタぁ、何だか嫌な予感がするからぁ、気をつけてねぇ」
何故か浮かない表情を浮かべているロゥリィからそんな声を貰いつつ、ムラタは問題ないと獰猛な笑みを浮かべて俺の近くへとやってくる。
それを確認し、影のゲートを作りだし……こちらを見ているダークエルフ達の驚愕の表情を眺めつつ、身を沈めていくのだった。
影のゲートから出たのは、森の中。少し離れた場所を黒と赤2匹の新生龍がダークエルフ達の方へと向かって歩いている。
……にしても、何だって飛んでいかないんだ? 新生龍にしたって空を飛べるんだから、ひとっ飛びでダークエルフに襲い掛かった方が逃げられずに大量に食べる事が出来るだろうに。
いや、それを思えば何だってわざわざダークエルフを食べる? 新生龍の大きさを考えれば、もっとでかい動物とかモンスターとかを食った方が良くないか?
となると、腹を満たす以外の何かもある……のか?
「アクセル? どうした?」
「ん? ああ、いや。何でもない。ただちょっと考え事をな」
そうだな。確かに色々と気になるところはあるが、ここで新生龍を倒してしまえばどうとでもなるか。
「よし、準備はいいか? トリニティゲインを出すから、すぐに乗り込め。それまでの間は俺があの2匹の動きを止めてやる」
「任せた」
「……あまりに遅いようなら、俺が仕留めるからな」
そう告げ、脳裏に浮かんだリストの中からトリニティゲインを選択。
次の瞬間、森の中に40mを超える高さを持つ特機の姿が現れる。
「ギャアアアアアアア?」
赤い方の新生龍が、突然自分達の近くに現れたトリニティゲインの方を見て、不思議そうに首を傾げる。
それを見ていた黒い新生龍が、何だこれ? とばかりに森を破壊しながら近づき……
「残念だがそこまでだ」
聞こえないだろうとは思いながらも、魔法を発動する。
こういう時にはベストだろうと思われる、敵の動きを封じ込める魔法。
『紫炎の捕らえ手』
魔法の発動と共に、円柱状の炎が2匹の新生龍をその中に閉じ込める。
何だか『熱っ!』とかいう声が聞こえてきた気がしたが、そもそも新生龍が人の言葉を喋る筈もないし、恐らく幻聴だろう。
「ガアアアアアアアア!」
いきなり炎に閉じ込められて困惑したのも一瞬。さすがにドラゴンの中でもそれなりのランクにいる新生龍らしく、炎の熱さに全く堪えた様子もないまま体当たりして円柱の中から抜け出ようとするが……
「甘いな」
普通の魔法使いが使った『紫炎の捕らえ手』であれば、話は別だったかもしれない。だが、この魔法を使ったのは混沌精霊である俺だ。しかも普通に発動する時と比べて数倍の魔力――正確にはSP――を込めている。
その結果、新生龍の体当たりを食らっても炎の中から抜け出す事は出来ず、新生龍は炎に体当たりしては周囲に激しい音が鳴り響く。
あの円柱は、炎は炎でも直接的な火傷の類を与えるようなものではない。熱さによる攻撃……強烈なサウナの中にいるような状態にはするのだが。
特に赤い体色の新生龍は、恐らく炎に対する強い耐性を持ってはいるのだろう。元気一杯に炎の壁へと体当たりを繰り返していた。
それでも炎の円柱を突破する事は出来ずにいる。
そんな俺の視線の先で、ムラタがトリニティゲインのコックピットへと乗り込んでいるのが分かる。
そして数十秒。苛立たしげに2匹の新生龍が炎の円柱へと体当たりしている中、トリニティゲインの目が光り、起動が完了したのを教えてきた。
『アクセル、もういい!』
外部スピーカーから聞こえてきた声に従い、指をパチンッと鳴らす。
すると次の瞬間には炎の円柱が姿を消し、丁度体当たりをしようとしていた黒の新生龍がそのまま真っ直ぐにトリニティゲインの方へと向かって突っ込んで行く。
黒の新生龍にしても、炎の円柱が消えたのは理解したのだろう。だがそのまま止まるのではなく、進行方向に存在していたトリニティゲインを破壊してやるとでも思ったのか突っ込んで行く。
この世界では、ドラゴンというのは殆ど災厄に等しい存在だ。
そのドラゴンの中の新生龍である自分がいいように閉じ込められていたというのは、プライドが許さなかったのだろう。
だが……浅慮とも呼べるその行動は、自らの死を持って償う事になる。
『チェストオオオオオォォォッ!』
どこぞの示現流の如き掛け声と共に振るわれる一刀。
違うのは、俗に言う蜻蛉の構えではなく、右手だけで持っている五大剣を振るった事か。
気合いの声と共に振るわれた五大剣は、そのまま黒の新生龍の横を通り抜け様に首元から尾の辺りまで一刀両断にする。
それだけで新生龍は死んでいたのだろうが、念の為とばかりに新生龍の横を通り抜け様にトリニティゲインが素早くシシオウブレードを振るって後方へと跳躍。新生龍の首が音を立てて上空を舞う。
身体を真っ二つにされ、首を斬り飛ばされては生きていられる筈もなく、身体中から血を吹き出しながら地面へと沈み込む。
森の中に生えている木の上に移動して見物していた俺にも、遠くからダークエルフ達の歓喜の声が聞こえてくるが……首は斬らなくても良かったんじゃないか? 折角の新生龍なのに、レモン達に怒られても知らないぞ。
そんな風に考えている間に、トリニティゲインは赤の新生龍の方へと向き直る。
自分の仲間、あるいは兄弟か? ともあれ連れがやられた事に信じられないといった思いなのか動きを止めていた新生龍だったが、やがて怒りの咆吼が周囲へと響き渡る。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
その声の中に悲しみを感じたような気がするのは、恐らく気のせいではないだろう。だが、それを言うのならダークエルフだって仲間を大勢食われているのだ。
それを理解しているからだろう。トリニティゲインも、五大剣とシシオウブレードを振って刀身についていた血を飛ばし、再び地を蹴って新生龍へと向かって行く。
空を飛んでいないのは、相手に対するせめてもの礼儀か。
そして、突っ込んで行ったトリニティゲインに向かって新生龍は大きく口を開き……炎を吐く。
この世界の住人であれば……あるいはモンスターであっても無事で済まないだろう炎。
現にダークエルフの方からも悲鳴が聞こえてくる。
だが……それはシャドウミラーを甘く見ているとしかいえない。
事実、トリニティゲインは五大剣とシシオウブレードを盾のようにしながら炎の中に自分から突っ込み……次の瞬間にはダメージらしいダメージがないまま新生龍に接近し、そのまま正面から五大剣で袈裟斬りに、シシオウブレードで逆袈裟斬りにして、赤い新生龍の命を絶ったのだから。
……赤い新生龍の後ろに何か飛んでいたような気がするが、鳥か何かだったんだろう。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1167
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