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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第六幕その三

「ああしたものはね」
「そうだね、そうしたものの匂いはしないから」
「清潔な感じの匂いがするよ」
「かといってもそれ程徹底的にしてなくて」
「普通に清潔だよ」
 神経質な感じはないというのです。
「特にね」
「だから安心してね」
「匂いは悪くないよ」
「おかしいものはないから」
「そうなんだね」
「まあとにかくよ」
 ダブダブが言うことはといいますと。彼女とオシツオサレツは先生の傍に控えていて老馬が先生を乗せてです。チーチーはさっとお庭に潜入してそこを調べています。
「今のところはね」
「おかしなことはね」
「ないみたいね」
「そうみたいだね、そのお家を見るとね」
「お部屋もね」
「その人がかなりわかるんだよ」
 全てではないにしろです。
「まあ僕は違うけれど」
「先生はまた日常生活が駄目過ぎるわ」
 ダブダブの今の言葉はかなり厳しいものでした。
「全く、世事に疎過ぎて」
「うっ、ここでそう言うんだ」
「言うわよ、もっとしっかりしないと」
 お母さん、いえサラの様に言うのでした。
「駄目よ」
「もっとだね」
「そう、まあ今はいいから」
 ここで結局こう言うダブダブでした、先生のことを思っていて厳しいことを言うこともありますが情は深いのです。
「とりあえずはね」
「彼のことをだね」
「このままお家を調べて」
「そうしてだね」
「ええ、次はよね」
「学校だよ」
 そこに行こうとです、またお話するのでした。
「その流れでいくからね」
「わかったわ、そういうことね」
 ダブダブは先生のお言葉に頷いてでした、そのうえで今は先生のお傍に控えています。そして暫くしてです。
 鳥達とチーチーが戻って来てです、ホワイティもそうしてきて。
 そのうえで、です。こう先生に言うのでした。
「奇麗よ」
「彼の場所っぽいお部屋もね」
「程よく清潔で」
「しかも趣味もよくて」
「おかしなものもなくて」
「いいお家だったわよ」
「そうなんだね」
 先生も皆のお話を聞いて頷きます。
「彼のお部屋も」
「うん、悪いものはなかったし」
「結構整ってたよ」
「随分真面目に勉強してるみたいだし」
「いい感じだったよ」
「勉強ね」
 ここでそのことに思う先生でした。
「学業はいいのかな」
「どうなのかな、そこは」
「そこはちょっとこれからだね」
「調べてからよね」
「そのことも」
「そうだね、まあとりあえずはね」
 先生はお家のことが終わったのでこう言うのでした。
「今度はね」
「学校だね」
「学校に行ってね」
「そこを見てもだね」
「彼を調べる」
「そうするんだね」
「うん、そうしよう」
 こう言うのでした、しかしここで。 
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