戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第十八話 山田大尉!今度はテニスだ!その七
「だから君達も気付いていないのだ」
「ああ、そういう事情ですか」
「そういう事情で俺達の体内にセンサーあるんですか」
「しかも爆発するっていう」
「裏切り防止も兼ねた」
「何かあればだ」
それこそ、というのだ。
「わかるな」
「はい、爆発してですね」
「消え去る」
「そういうことですね」
「口封じの為にも」
「秘密をばらそうとすればだ」
若しそうすれば、というのだ。
「命はない」
「うわ、完全に悪の組織ですね」
「日帝衆の方が断然優しいですね」
「こっちは何かあればですか」
「消される運命なんですね」
「それがこの作品だ」
しかも正義の味方なのである。
「わかったならばだ」
「はい、行きますので」
「そうしますから」
「そうだ、確かにいざとなればそうしたことはするが」
爆発による『処理』はだ。
「この作品は教育作品であると共にギャグ作品だ」
「爆発しても黒焦げになるだけ」
「頭がチリチリになってですね」
「その可能性は高い、そうでない可能性もあるがな」
「まあ幾ら何でもですね」
「主役がそんなので死ぬとかないですよね」
『普通』の作品ならそうである。
「しかも話の途中でそういうのは」
「ライオン仮面とかお獅子仮面とかみたいには」
「フニャコフニャ夫先生の漫画みたいなことは、ですよね」
「ないですよね」
「あの某ネコ型ロボットの漫画の中に出た漫画だな」
「はい、そうです」
「そうした漫画みたいには」
それこそ、というのだ。
「ちょっと、ですね」
「ないですよね、幾ら何でも」
「作者がストーリーの後先を考えていなくても」
「一行先の展開さえ」
「それでも幾ら何でも」
「主役が爆発四散していきなり死ぬとかないですよ」
「打ち切りと路線変更だ」
黒スーツの代表はここでこの二つの話を出した。
「どれがいい」
「どっちも遠慮します」
「謹んでそうします」
あっさりと返す二人だった。
「俺達連載終了まで主役でいますんで」
「打ち切りも路線変更もなくて」
「このままです」
「主役でいますんで」
「そうか、私が主役はないのか」
こんなことも言い出したのだった。
「中の人がジェリドの人ならいけると思うが」
「まあ何度も主役やってる方ですけれどね」
「凄い格好いい声と演技ですから」
「主役でも問題ないと思いますよ」
「けれど主役は俺達ですから」
もうこのことは決まっているというのだ。
「ですからもう」
「そのことはですよ」
「決まりきったこと」
「反論の余地がありません」
「では君達が今から死ねばいい」
自分が主役になる為にだ、実に率直な言葉ではないか。まるで九月の空の様に何処までも清々しいと言うべきであr、
「私が主役になる為にだ」
「うわ、言いましたね」
「ここまで素直な発言そうそうないですよ」
「自分が主役になる為に他人に死ねって」
「しかも主人公にそう言うなんて」
流石にここまで言ったキャラクターは殆どいないであろう。
「しかも貴方確か今回が初登場ですよね」
「そうですよね」
「アニメ化の際の声優さんは凄い人ですけれど」
「あくまで作者の願望にしても」
「いいのだ、モブから主役になる」
断言するのだった。
「それではだ、今から死んでくれ」
「ですから遠慮しますよ」
「俺達は他人を蹴落としてでも生き残るが信条ですから」
実際にそうである。
「邪魔者は後ろから撃て」
「騙し討ちオッケーですよ」
二人もまた清々しい顔で言い切る。
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