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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第五幕その十一

「バース様に似てるって言って一緒に飛び込もうと言って」
「それで道頓堀になんだ」
「沈んで出て来なくなって」
「それでなんだ」
「ケンタッキーのおじさんの呪いがかかって」
「阪神は優勝出来ない」
「そう言われているんだ」
 動物の皆もこれで納得しました。
「それって自業自得?」
「何かこの話前にもした気がするけれど」
「そんなことしたらね」
「そりゃ呪い位はね」
「普通にかかるかも」
「変なことするからよ」
「あそこの呪いは九尾猫様でも無理なの」
 どうにもならないというのです。
「強過ぎて」
「魔物とおじさんの呪いが」
「その二つが」
「あまりにも強過ぎてね」
 お静さんは腕を組んで困ったお顔でまた言いました。
「それこそ日本をどうにか出来る位の力じゃないと無理なのよ」
「阪神がずっと日本一になっていない理由はそれかな」
 先生も考えるお顔になって述べます。
「魔物とおじさんの呪いで」
「夏も怖いけれどね」
 お静さんはこのことにも言及しました。
「阪神の場合は」
「甲子園で高校野球が行われるからね」
「そう、そこで甲子園が使えなくなるから」
 本拠地であるその球場がです。
「その分疲れるのよ、暑い時にね」
「それで疲れが溜まってだね」
「結果として負けが込んで」
 肝心の後半にです。
「阪神は優勝出来なくなるのよ」
「あれもハンデだよね」 
 先生も阪神が好きなので他人事ではありません、これは先生がイギリスにいた時にはなかった悩みです。
「困ったことだよ」
「全くよね」
「けれどだね」
「そう、それで優勝出来ないから」
 それでというのです。
「それだけのご守護が必要なのよ」
「だからそこまで言うのね」
「阪神を好きなだけじゃなくて知ってるから」
「だからご守護が欲しい」
「そう言うんだ」
「そう、まあ阪神のことはここでお話しても仕方ないから」
 そこにある因縁や呪い、ハンデといったものがあまりにも大きいからです。
「置いておいてね」
「そうだね、まずは二人の恋のこと」
「それをどうにかして」
「幸せになってもらう」
「そういうことだね」
「まずは」
「そう、じゃあ先生もお願いね」
 お静さんは動物の皆に応えながら先生に声をかけるのでした。
「ご自身で動いてね」
「もっと言えば動物の皆が」
「そう、お任せするわ」 
 こう確かにお願いするのでした、そうしてです。
 先生達は娘さんとその想い人の恋路を適える為に自分達で積極的に動くのでした。そうしてなのでした。 
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