ドリトル先生と二本尻尾の猫
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第五幕その七
「最近日本語で喋ったり考えることが多いね」
「あっ、考える時に使う言葉でね」
お静さんはその頭の中で考える時に使う言葉のことを受けてです、先生に対して強く頷きながら言いました。
「結論とか違うのよね」
「そうなの?」
「そう、色々違ってくるの」
お静さんはチーチーにすぐに答えました。
「同じことについて考えても」
「ふうん、そうなんだ」
「私は猫語と日本語、それに動物の言葉はね」
「今みたいにだね」
「猿語も犬語も豚語もわかるわ」
だから今も普通に皆とお話が出来るのです。
「それでそれぞれの言葉で考えて」
「結論が違ったりするんだ」
「そうなのよ」
「成程ね」
「面白いことでしょ」
「いや、これがまた凄いんだよ」
先生はまた言いました。
「同じことについて考えても思考に使う言葉で色々違ってくるんだよ」
「そうなのよね」
「僕はイギリス生まれだから英語が一番得意だけれど」
所謂ネイティブスピーカーです。
「けれどね」
「先生色々喋られるからね」
「書けるし」
動物達も言います。
「日本語も中国語もね」
「ドイツ語やフランス語も」
「スペイン語だって使えるし」
「他の言葉もね」
先生は語学にも堪能なのです。
「それでそれぞれの言語でなんだ」
「同じことを考えても結論が違ったりするんだ」
「他にも色々と違って来る」
「そうなんだね」
「言葉で違って来るんだ」
「そう、英語とフランス語でも違うよ」
お隣同士であってもというのです。
「イタリア語とスペイン語でもね」
「あれっ、イタリア語とスペイン語って」
「そうだよね」
ここで動物の皆は先生が前にお話していたことを思い出しました。
「先生かなり近いって言ってたけれど」
「殆ど方言みたいなものだって」
「だからお互いに会話も出来るって言ってたのに」
「それでもなんだ」
「頭の中でそれぞれ使うと」
「結論とかが違って来る」
「そうなのね」
動物の皆はこのことも知って驚くのでした。
「いや、それは知らなかったけれど」
「また凄いことね」
「じゃあ先生もなんだ」
「色々結論が違ってくるんだ」
「そうだよ、けれど性格が一番大きいね」
その結論に影響することはというのです。
「大事なのはやっぱりね」
「性格ですか」
「それが大事なんだね」
「うん、やっぱり僕が考えると」
どんな言語を使って考えてもです。
「穏やかな結論になるみたいだね」
「先生凄く穏やかな人だから」
「それでだね」
「どんな言葉を使っても」
「それでもなんだね」
「出て来る結論はやっぱり穏やかになるんだ」
「そうみたいだよ、とにかくね」
また言う先生でした。
「言葉もまた面白いよ」
「そうよね、まあとにかくお嬢さんのことと相手の人のことは」
「僕の方で見ていっていいんだね」
「ご自由に」
太鼓判まで押すお静さんでした。
「先生にお任せするわ」
「それでじゃあね」
「そういうことでね、けれど先生って」
「今度は何かな」
「いや、日本語本当に上手いわね」
このことも言うのでした。
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