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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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投了



マグノリアの街にて、アルトがアルザックを倒した同時刻


術式が張られているギルド内では、ナツとマカロフが次々と浮かび上がる文字を見ていた



「また新しい文字が!!」


ハッピーが空中に浮かぶ文字を指さして言った



【アルトレアvs.アルザック 勝者 アルトレア】



「アルトが勝ったようじゃな・・・」


「当然だろ!アルトがそう簡単にやられるわけねえ!!」


文字を読んだマカロフとナツが言う


そしてその直後に複数の文字が同時に浮かび上がった



【エバーグリーンvs.エルフマン 勝者 エバーグリーン】



【グレイvs.ビックスロー 戦闘開始】



「まさかエルフマンがやられるなんて・・・」


「ぬうぅ・・・グレイはビックスローと戦ってやがる」


「雷神衆が動き出したんだ!!!」


主力であるエルフマンがやられ、焦りを募らせるマカロフたち


すると追い打ちといわんばかりに、絶望的な文字が浮かび上がる



【リーダスvs.フリード 勝者 フリード】



「リーダスがやられた!!」


驚きながら文字を見るハッピー


石化を解く希望が断たれ、マカロフは苦悶の表情を浮かべる



「くぅ・・・やるなァ、フリード!!!」


「のんきな事言ってる場合じゃないよ!!!リーダスは石化を治す薬を取ってくるハズだったんだ」


「治す事ねえよ、どうせハッタリだから」


ナツがそう言うと、背後からラクサスの声が聞こえた



『ハッタリだと思ってんのか?ナツ』


「ラクサス!!!」


見るとそこには、笑みを浮かべるラクサスの思念体があった



「思念体だ」


『つーか、何でオメーがここにいんだよナツ』


「うっせぇ!!!出れねえんだ!!!」


「ラクサス・・・貴様・・・」


ラクサスを鋭い眼で睨みつけるマカロフ



『仲間・・いや、アンタはガキって言い方してたよな・・ガキ同士の潰し合いを見るに堪えられんだろ?』


するとラクサスは石化した魔導士たちを見て言う



『あーあ・・・ナツもエルザも参加できねえんじゃ雷神衆に勝てる兵は残ってねえよなァ』


「まだアルトがおる・・・」


『アルトレアか・・・確かにあいつはナツやエルザと互角の実力を持つが、雷神衆全員を倒せると思うか?仮にできたとして、その直後に俺と戦って勝てるのか?』


「・・・・・」


黙りこむマカロフ



『降参するか?』


「くぅ・・・」


言葉につまるマカロフの横からハッピーが言う



「まだグレイだっているよ!!ナツと同じくらい強いんだ!!雷神衆なんかに負けるもんか!?」


「オレと同じだァ!?アイツが?」


「だってそうじゃん」


グレイと互角に扱われて気に入らない様子を見せるナツ


するとラクサスが挑発的な笑みを浮かべて言う



「グレイだぁ?ククッ、あんな小僧に期待してんのかヨ」


「グレイをみくびるなよ、ラクサス」


しかしその直後、空中に新たな文字が浮かび上がる



【グレイ戦闘不能 残り28人】



目の前に表示された文字を見て絶句するマカロフたち



『ふははははっ!!!だーから言ったじゃねーか』


「嘘だっ!!!絶対なんか汚い手使ったんだよ!!!」


「ぬうぅ・・」


グレイがやられたのを見て小さく唸るナツ



『あとは誰が雷神衆に勝てるんだ?クク・・・』


「ガジルだっ!!!」


『残念!!奴は参加してねーみてーだぜ、元々ギルドに対して何とも思ってねえ奴だったしな』


「オレがいるだろーが!!!」


『ここから出れねーんじゃ、どうしようもねーだろナツ』


マカロフは覚悟したように目を閉じた



「もうよい、わかった」


そしてゆっくりと目を開き、ラクサスに向かって言う



「降参じゃ、もうやめてくれラクサス」


「じっちゃん!!!!」


降参を宣言したマカロフ


しかしそれを聞いたラクサスが口角を吊り上げて、マカロフを見下した態度をとる



『ダメだなぁ・・・天下のフェアリーテイルのマスターともあろう者がこんな事で負けを認めちゃあ、どうしても投了(リザイン)したければフェアリーテイルのマスターの座をオレに渡してからにしてもらおう』


それを聞いたマカロフが目を見開いて驚く



「汚ねーぞラクサス!!!オレとやんのが怖えのか!!?ア!!?」


「貴様・・・初めからそれが狙いか・・・」


『女の石像が崩れるまであと一時間半、リタイアしたければギルドの拡声器を使って街中に聞こえるように宣言しろ、フェアリーテイルのマスターの座をラクサスに譲るとな』


するとラクサスの思念体が薄れ、消えていく



『よーく考えろよ、自分の地位が大事か、仲間の身が大事か』


そう言い残し、思念体は完全に消え去った



「くそっ!!!オレと勝負もしねえで何が最強だ!!!何がマスターの座だ!!!」


「マスターの座など正直どうでもよい」


「いいのかよ!!」


「だが・・・ラクサスにフェアリーテイルを託す訳にはいかん、この席に座るにはあまりにも軽い・・・信念と心が浮いておる」


険しい眼差しでそう言い切るマカロフ


いくら強かろうと、信念と心が弱ければマスターの座に就くことはできないようだ



「でも、このままじゃ・・・みんなが砂になっちゃう・・・」


ハッピーが石像になったエルザたちを見てつぶやく



「えーい!!!誰かラクサスを倒せる奴はおらんのかっ!!!」


「オレだよオレ!!!!」


「ここから出れんのじゃどうしようもなかろう」


ナツたちが言い争っていると、どこからか食器が落ちる音がした



「誰!?」


ハッピーが食器が落ちた音の方を向く


するとそこに現れたのは、食器を銜えるガジルであった



「ガジルー!!」


「食器を食べんなー」


力強く立ち上がるガジルを見て、マカロフが言う



「も・・もしや・・・行ってくれるのか」


「あの野郎には借りもある、まあ・・・任せな」


「おおっ!!!」


ガジルは笑みを浮かべながら街へ出ようとするが・・・


ゴチーンと何かにぶつかる音がした



「・・・・・」


ナツと同じく、ガジルまでもが見えない壁にぶつかって行く手を阻まれる



「「「おまえもかーーーっ!!!!」」」


「な・・何だこれはー!!!」


マカロフたちの叫びがギルド一帯に響いた
















その頃、マグノリアの街


「ラクサスー!!どこだぁー!!」


アルトがラクサスを探し出すため、マグノリアの街を走り回っていた



「ん・・何だアレ!?」


走るアルトの目の前には大男の石像があった


アルトは足を止め、石像を見つめる



「まさかコレ・・・エルフマンか!?」


石像と化した大男には鋭い爪と大きな角があり、接収(テイクオーバー)のような魔法を使っていたようだ


フェアリーテイルの魔導士で、これほど完璧な野獣の接収を使えるのはエルフマンしかいなかったので、石像の正体はすぐに分かった



「どうなってんだ・・・これもエバーグリーンの仕業か・・・?」


アルトが驚いた様子で石化したエルフマンを見つめる


すると、背後にある建物の屋根の上から、一人の足音が聞こえた



「!!」


足音を察知したアルトは、ゆっくりと後ろを向き屋根の上に立つ人間を鋭い目つきで睨みつける



「うふふ・・いいわね、その表情・・・やっぱり貴方は戦ってる時の顔の方が素敵よ、アルト♪」


屋根の上には扇子を口元に当て妖艶な雰囲気を醸し出すエバーグリーンの姿があった



「そんな事はどうでもいい・・・石にしたエルフマンとエルザたちを元に戻せよ」


「もちろんいいわよ、私に勝てたらね」



【アルトレアvs.エバーグリーン 戦闘開始】


 
 

 
後書き
やばい・・・エバーグリーンを惚れさせる方法が思いつかないぞ・・・(汗)

 
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