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フレッシュ&スウィート フルーツプリキュア!

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新四天王の作戦
エンジョイ夏休み
  第28話

 
前書き
 今回もタイトルは、テレビ本編と同一なので記載しません。
 おじいちゃんとの思い出が影響したラブが扮するキュアピーチとあゆみが扮するキュアピーチマザーが、サウラーが繰り出すモンスターによってラブが1997年へ、あゆみが1971年へそれぞれ、タイムスリップされます。その間、他のプリキュア、マザープリキュアが絶体絶命の大ピンチ。脱するには、2人が現世に戻って来なければなりません。 

 
                     東京大仏通り

 今日、ラブはクローバータウンストリートへあまり行き来したことがないナナ、レイカ、麗子の3人を、この通りの1つ、観光名所が集中している東京大仏通りを案内しております。この通り沿いには東京大仏をはじめ、板橋区立美術館、郷土資料館、赤塚公園城跡エリア、赤塚城跡、赤塚植物園、松月院があります。この通りのパン屋さんに4人は立ち寄っている。
 「ラブちゃん。」
 「はい。」
 「新作のパンを試食するかい。」
 「するする。また、新作できたんですね。」
 「ああ、お客さんに美味しいって言ってもらえるパンをたくさん作りたいからね。どうぞ、おいしいよ。」
 「ありがとうございます。」
 試食の後、自宅から中学校への通り道にある駄菓子屋へ向かった。
 「あら、いらっしゃい。」
 「おばあさん、こんにちは。」
 「珍しいね。違うお友達3人も連れで。」
 「ダンスを通じてこんなにお友達ができたんだ。」
 「そうかね。この子はね、中学生の頃までよく訪れたんじゃよ。」
 「そうですか。」
 「通り道だったからね。」
 「それにしても、種類がたくさんあるから迷ってしまうわ。」
 「どうかね、いろいろあるじゃろ。」
 「はい。」
 「たくさんあると選ぶのが楽しいじゃろ。」
 「あっ、えーっ、はい。」
 駄菓子屋を出て自宅へ向かおうした時だった。
 「ブーーーン、キッ。」
 「よおーーーっ、ラブちゃん。」
 「蕎麦屋のお兄ちゃん。こんにちは。」
 「お蕎麦の出前。」
 「ああーーーっ、蕎麦10人前よ。」
 「一度にそんなに持って大丈夫ですか。」
 「ああ、余裕さ。これで高島平団地の上層階まで行くよっ。」
 「エエーーーッ。」
 「大丈夫。高層マンションの場合、必ずエレベータがあるからよ。」
 「お兄ちゃんのお蕎麦超美味しいんだよ。」
 「あっ、今度、友達と食べに来な。大盛りサービスしてやるよ。」
 「やったあ。行く行く。」
 「じゃあな。」
 「ブローーーン。」
 ここで、蕎麦屋の息子と別れた。
 「クローバータウンストーリートにはいろんなお店があって、大仏通り中心に様々な観光名所もあって楽しいでしょ。」
 「そうね。」
 「ところで、ラブちゃんの家は何のお店をやっているの。」
 「家....アハッ。家は、クローバータウンストーリートにあるけどお店じゃないんだ。10年前まで畳屋だったけど。」
 「そうなの。」
 「家へ来る。」
 「うん。」

 数分後

 ラブはナナ、レイカ、麗子の3人を同行して自宅へ到着した。
 「これが畳だよ。これ、私のお祖父さんが作ったんだよ。」
 「なるほどね。最近、洋間化が進んでなかなか見られないよ。」
 「でも量産タイプではないね。」
 「質が高そう。」
 「そう、手作りの畳だからね。」

 ラビリンス首都ピョンピョン総統官邸内謁見の間

 「何、出撃したいと。」
 「ハッ。」
 「相分かった。サウラー、行くが良い。」
 「ハッ。」
 「サウラーは去った。」

 陸軍本部控室

 「フン、夏休みの思い出を写真に撮って残すのか。この世界の人間は、思い出とやらを写真に撮って残しておきたいらしい。おかしな奴等だよな。」
 ラビリンスでは一般人のカメラ保有を禁じております。もちろん、ラビリンス携帯にカメラ機能は装備されていない。
 「だが、これは使えるかもしれない。」

 一方

 ラブたち4人は、母あゆみに連れられ新高島平駅北にある写真館へ向かった。そして、到着した。
 「こんにちは。」
 「いらっしゃいませ、あゆみさん、ラブちゃん、他の皆さん。」
 「ヘェーーーーッ。いろんな写真があるのね。」
 「全部、商店街の人たちだよ。」
 「エッ、全部。」
 「そう、商店街の人たちは、みんな家で家族の写真を撮っているんだ。」
 「ほら、あれが家の写真。真ん中の2人はお祖父ちゃんとお祖母ちゃん。」
 「あら、私にとってお父さんお母さんよ。」
 「あゆみさん、この写真もありますよ。」
 「あら、懐かしい。この頃って、高島平団地造成中の頃の写真よ。」
 「ヘェーーーッ、お母さんにもこんな頃があったんだ、アハハハハハッ。」
 「オカッパ頭で大胆な服装ね。」
 「コラッ、ラブ。」
 「でも、あのお祖父ちゃんお祖母ちゃんって。」
 「ラブから見て曽祖父母よ。」
 「エッ、ひお祖父ちゃんとひお祖母ちゃん。」
 「そうよ、ラブ。」
 「この頃のラブちゃんの家の畳屋さんは大忙しだったんだよ。高島平団地が造成中で畳の注文が殺到したんだよ。手作りだから、高額家賃の部屋や分譲部屋を中心に注文が入ったんだよ。」
 「そうなの。」
 「本当にこの頃、感謝したわ。当時のお父さんお祖父さんからたくさんお小遣いくれたわ。」
 「うらやましいなぁー。それに比べ、私の幼い頃って....。」
 「実は悲劇が多いんだよ。」
 「バブルがはじけてから畳の注文はおろか、メンテナンスの依頼も急減して、公団の職員から『今後、お部屋の洋間化を推進する。』と言われ、急に貧しくなったのよ。」
 「では、この頃からスーパーパートで働くようになったの。」
 「その通りよ。お父さん圭太郎と結婚してから芸能界も引退してしまったし。」
 「お母さんはそれまでグラビアアイドルだったの。」
 「そうよ。」
 「そう言えば、ラブちゃんたちのお母さんたちって皆美人だもんね。」
 「まあっ。」
 「ところで、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんの名前は。」
 「祖父は源吉で祖母は愛って言うの。それと、私の幼少の写真の曽祖父は寅曽祖母は初って言うのよ。」
 「皆から源さん寅さんって呼ばれてててね。結構頼りにされていたんだよ。ラブちゃん、覚えていないのかい。おじいちゃんって、いつも源さんにくっ付いていたじゃないか。」
 「そうだっけ。」
 「そうだよ。あゆみさんもあの当時、寅さんにくっ付いていたんだよ。」
 「まあっ。」
 「その後、10年前に源さんが亡くなってから畳屋もやめちゃたんだよ。おばあちゃんも6年前に亡くなちゃったよ。」
 「思い出したわ。私、ラブって名付けられたのは、お祖母ちゃんが愛と言う名前だったから。」
 「なるほどね。」
 「バブルの頃に戻りたいわ。」
 「お母さんどうしたの。涙なんか流して。」
 「無理もないよ。あの時代を過ぎてから景気が悪くなってしまったからね。」
 「もう1度、良い時代を迎えてみんなで幸せゲットだよ。」
 「ラブちゃん、うまいこと言うね。もう1度、高度成長期やバブル期のような皆が幸せに暮らせる時代が来ると良いわ。」
 「うん。」

 翌朝、赤塚公園内ドーナツカフェ

 「いらっしゃい。今日もダンスの練習かい。」
 「そう。モーニングドーナツセット3つね。」
 「へい。」

 しばらくして

 「へいお待ち。」
 「ありがとう。」
 「パタパタ。」
 シフォンは眠っている。
 「タルト君、ドーナツおいしい。」
 「ヘエ、おいしいでおまっ。」
 「10年前か。あたしたちが7歳の頃ね。」
 「その頃は、クローバータウンストーリートじゃなくて、四ツ葉町商店街って呼ばれたんだって。」
 「ラブ、ラブ。」
 「あっ、何。」
 「どうしたの、ボーッとして。」
 「夏バテ。」
 「アハハハハハッ。」
 「皆さん、おはよう。」
 「お、お母さん。」
 「お祖父ちゃんのことは、良く覚えていないのも無理なはずよ。」
 「そうなの。」
 「美希ちゃんと祈里ちゃんは、まだ詳しい話をしていないからもう1度お話するわ。」
 「はい。」
 「バブルがはじけてから、畳の注文が激減し更に洋間化でまた注文が減り、費用がかかると言って痛んだ畳を我慢して使い続けるようになり、修理などのメンテナンス注文・依頼も激減。これらが畳屋の経営を圧迫し、そのショックで祖父は病に伏せり、1年後に亡くなったわ。」
 「そうでしたか。」
 「祖母も6年前に亡くなったわ。」
 「お祖母ちゃんも。」
 「私、あの巨大な団地が建ち並ぶ前の時代へ戻りたいなら、戻ってみたいわ。」
 「おばさん、その頃がお家の一番良かった時代なのね。」
 「そうよ。」
 「でも、私、何かすごく大切なものを置き忘れたような気がして。」

 高島平駅北商店街にある写真館

 「いらっしゃい。」
 「ご主人。」
 「はい。」
 「そのカメラは思い出をたくさん撮っているのかい。」
 「エッ、あーーっ、はい。かなりの年代物ですが、そこにある家族の写真も昔から全てこのカメラで撮ってきましたから、思い出がいっぱい残ってますよ。」
 「それは好都合。スイッチ・オーバー。」
 「うわっ。」
 「我が名はサウラー。ラビリンス総統メビウス様が下僕。オサキマックーラ7号我に仕えよ。」
 「シューーーッ、ペタッ。」
 「うわぁーーーーっ。」
 「ドロン。」
 「ハイ・チーーーズ。」
 オサキマックーラ7号は外へ出て暴れ始めた。写真館主人は、カメラが盗まれたものと判断し警察へ通報し始めた。
 「こちら110番。」
 「もしもし、警察ですか。カメラが盗まれてしまいました。」

 クローバータウンストリート全域

 「ボン、シューーーッ、ピューーーッ、ドンドンドン。」
 「うわぁーーーーーっ。」
 「ドンドンドンドーーン。」
 「また怪物だ。」
 「逃げろーーーーっ。」
 「うわーーーーっ。」
 「キャーーーッ。」
 「ウーーーーーウーーーーーーッ。」
 「フン、いいぞ。もっと派手に暴れろ。」
 「坊ちゃん。」
 「やめなさい。」
 「ん。」
 「クローバータウンストリートに何てことするの。」
 「フッ、プリキュアが9人もお出ましかい。」
 「ハイ・チーーーズ。」
 「皆、行くよ。」
 「うん。」
 ラブたち9人は、リンクルンを出して操作し始めた。
 「チェンジ。プリキュア、ヒーーーートアーーーッッップ。」
 「チェンジ。ダンシングプリキュア、ヒーーートアーーーッッップ。」
 「チェンジ。マザープリキュア、ヒーーートアーーーッッップ。」
 9人はプリキュアに変身した。
 「ピンクのハートは愛ある印。」
 「パンッ。」
 「もぎたてフレッシュ、キュアピーチ。」
 「同じくもぎたてスウィート、キュアピーチマザーーーーッ。」
 「ブルーのハートは希望の印。」
 「パンッ。」
 「摘みたてフレッシュ、キュアベリー。」
 「同じく摘みたてスウィート、キュアベリーマザーーーーッ。」
 「イエローハートは祈りの印。」
 「パンッ。」
 「とれたてフレッシュ、キュアパイン。」
 「同じくとれたてスウィート、キュアパインマザーーーーッ。」
 「真っ赤なハートは情熱の印。」
 「パンッ。」
 「摘みたてフレッシュ、キュアチェリー。」
 「グリーンハートは浄化の印。」
 「パンッ。」
 「とれたてフレッシュ、キュアメロン。」
 「ホワイトハートは誠実の印。」
 「パンッ。」
 「もぎたてフレッシュ、キュアココ。」
 「レッツ!プリキュア!」
 「6色揃って真の幸せの証!フレッシュプリキュア!」
 「ピーチ、今回はサウラー担当とモンスター担当と二手に別れて戦うわよ。」
 「はい。」
 「私たちスウィートの3人にキュアココを加えさせて。」
 「はい。」
 こうして、キュアココを除くフレッシュ5人とキュアココを加えたスウィート4人に別れて戦うことになった。
 「よし、始めろ。」
 「坊っちゃん、何をするの。」
 「ハイ・チーズ。」
 「はっ。」
 「逃げたの。」
 「違うわ。」
 「コソーリ。」
 「そこ。」
 その後、サキクラ7号は神出鬼没に動き回っています。
 「何。」
 「どう言うつもりなの。」
 「あーー、」
 「あっ。」
 「 .....。」
 「危ない。」
 ピーチとピーチマザーは、サキクラ7号へ向けて果敢に立ち向かった。
 「ピーチ。」
 「ピーチマザー。」
 「フン。」
 「ハイ・チーズ。」
 「カシャッ。」
 「エッ。」
 「ウソ。」
 サキクラ7号のシャッター攻撃でキュアピーチ及びキュアピーチマザーは、思い出の過去へタイムスリップして行った。

 1997年板橋区四葉

 「あれ、ここはクローバータウンストリートだよね。」
 「エッ、四ツ葉町商店街。」
 「シューーッ、キキッ。」
 「よおーーっ、ラブちゃん。何してるんだこんなところで。」
 「エッ、誰。」
 「はあっ。何ボケてんだよ。朝飯ちゃんと食べたのか。腹減ったら、いつでも家の蕎麦食べに来いよ。」
 「蕎麦って、もしかして、蕎麦屋のお兄ちゃん。」
 「お、お前、小さいのに天才的ボケをカマすね。じゃあな。」
 「ヘェーーーッ。小さいのって、私のこと。」
 ラブは1軒の店舗のショーウインドで自分を見た。
 「うん、ああーーっ。何コレ、どうなっているの。こ、これが私。」
 「おっ、ラブ。」
 「あーーーあっ。お祖父ちゃん。あーーーあっ。」

 1971年板橋区四葉

 「ここは。エーーッ、四ツ葉町商店街。」
 「トンキンカントンキンカン。」
 「高島平団地大工事の音。懐かしいわ。」
 「よおーーーっ、あゆみちゃん。何してんだこんなところで。」
 「誰。」
 「はあっ。何、寝ボケてんだよ。畳の注文殺到で家全体が忙しいのか。」
 「そう。なかなかかまってくれなーーい。」
 「朝飯食べてないだろ。腹減ったら、いつでも家の蕎麦食べに来な。」
 「はーーーい。」
 当時の蕎麦屋の主人は去った。
 「あゆみちゃんって言われてたけど。」
 あゆみは1軒の店舗のショーウインドを見た。
 「エッ、これが私。こんなに小さくなって。間違いなく1971年へタイムスリップしたわ。」
 「おっ、あゆみ。」
 「あっ、お父さん。」

 現在のクローバータウンストリート

 「ピーチ、ピーチ。」
 「ピーチマザー、ピーチマザー。」
 「呼吸はしてる。脈もあるわ。」
 「どうして起きないの。」
 「パタッ。」
 「9人まとめてと思ったが、まず2人か。」
 「サウラー、ピーチに何をしたの。」
 「坊ちゃん、ピーチマザーに何をしたの。」

 スウィーツ王国首都アラモード内ナノ研究所

 「タルト。」
 「ヘイ。」
 「プリキュアメンバーの内、ピーチとピーチマザーがレーダーから消えた。」
 「何やて。」
 「2人の安否を確かめるべく、シフォンも連れて直ちに向かってくれ。」
 「ヘイ。」 
 通話を切った。すると、パフェが研究所へ入って来た。
 「あなた。一体、何があったの。」
 「ピーチとピーチマザーがGPSレーダーから消えた。原因はあの怪物で、過去へタイムスリップさせる能力があるらしい。」
 「まあっ。」
 すると
 「所長、ピーチの所在が判明しました。」
 「どこだ。」
 「ピーチは1997年、同じ場所で当時の姿にタイムスリップされております。」
 「そうか。」

 続いて

 「所長、ピーチマザーの所在も判明しました。」
 「いつの時期だ。」
 「ピーチマザーは1971年です。」
 「そうか。よくやった。」
 「1971年って、あの四ツ葉町一帯が急速に都会化して行く時代よ。」
 「なるほど。無理も無い。」

 1997年四ツ葉町商店街

 「お、お祖父ちゃん。」
 「探したぞ、ラブ。」
 「私、お祖父ちゃんにすごく会いたかった。」
 「あーーっ、いつだってラブの側にいるじゃねえか。」
 「う、うん。」

 1971年四ツ葉町商店街

 「おっ、お父さん、お祖父ちゃん。」
 「あゆみ、黙って外へ出たらいかん。」
 「ごめんなさい。」
 あゆみのお祖父ちゃんはラブの曽祖父にあたる人物で、名前は『寅』と言います。
 今日も源吉と寅は、畳もモクモクと作り続けています。

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「2人共、過去へタイムスリップしたことは間違いないな。」
 「どうすれば。」
 「過去の本物のラブとあゆみを鉢合わせさせるしかないな。」
 「そうすれは。」
 「タイムスリップした人物が疑われ、正体を明かし、自分から戻って来るはずだ。」
 「でも、どうやって。」
 「鉢合わせを実現するには、娘を頼るしかない。」
 「テレパシーね。」
 「そうだ。かけてみよう。」

 現在のクローバータウンストリート

 「キュアピーチとキュアピーチマザーは今、思い出の世界にいるよ。」
 「思い出の世界。」
 「この世界の人間は、思い出を大切にしているようだ。だから、彼女たちが一番戻りたい年代へ送ってやったのさ。そう、目覚めることはない。永遠に。」
 「エーーーッ。」
 「そんなあ。」
 「ピーチ起きて。」
 「ピーチマザー起きて。」
 「プリキュアさえ眠らせてしまえば、いくらでも不幸を集められる。さあ、君たちの番だよ。」
 「待て。」
 「誰だ、貴様。」
 「キィーーーッ。」
 テルンはプリキュアメンバーのリンクルンから着信しているテレビ映像を投影した。
 「俺はスウィーツ王国のエンジニアショコラだ。」
 「ショコラだと。」
 「永遠に目覚めないなど不可能。当時の本物の人物と出会ったら、どうなるのかな。」
 「何。構わん。ヤレッ。」
 「ハイ・チーズ。」
 こうして、残った7人とクビナケ7号との戦いは始まった。

 1971年桃園家

 源吉と寅は、部下の職人たちと共に畳作りを行っていて、その光景をあゆみが見ている。
 「あゆみ。あと少しで終わるからな。」
 「うん。」
 ここから小言
 「そうだ。私、こうやっていつもお父さんとお祖父ちゃんのお仕事をするところを見てたっけ。」
 小言はここまで
 「ぶわあー。」
 「大変そうね。」
 「大変だから良いんだ。」
 「今は、機械で量産している店や工場も多いが。」
 「お祖父ちゃんは手間がかかる方が良い。」
 「どうして。」
 「畳を使う人に喜んでもらえるようにな。一針一針、愛情を込めて仕事をしているんだ。」
 「あゆみ。これがお家の品質なんだよ。近隣にある有名なお寺さん松月院や、安楽寺などお寺の住職さんも絶賛していただいているんだよ。」
 「そうなの。」
 「おかげで、公団から高級なお部屋を中心に大量の注文が入ったんだよ。」
 「尊敬するわね、お父さん、お祖父ちゃん。」
 その後、あゆみは父と祖父の行う畳作りを見続けております。

 一方、本物とあゆみは

 池袋へ母、愛と祖母、初と買い物に出かけていて、その帰り、巣鴨駅から都営三田線(当時は6号線)に乗車して家路へ向かっている。

 更に、1997年、本物のラブも

 こちらも、母、あゆみと祖母、愛と一緒に池袋へ買い物へ出かけており、その帰り、巣鴨駅から都営三田線に乗車して家路へ向かっている。

 現在のクローバータウンストリート

 神出鬼没に動き回るサキクラ7号を攻撃するものの、攻撃は全くヒットしません。
 「ダメだよ。じってしてなきゃ。撮影できないだろ。」
 別々の方向でフレッシュ5人とスウィート2人は、サキクラ7号を睨み続けている。
 「クッ。」
 「ハイ・チーズ。」
 「タアーーッ。」
 「バコン。」
 「キャアーーーッ。」
 「ドスン。」
 すると、タルトとシフォンが戦いの現場に到着した。
 「皆ぁ、ああーーっ、うわぁーーーっ。ピーチはん、ピーチマザーはん。」
 「ラーーーブ、あゆみーーー。」

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「タルトとシフォンが到着したわ。」
 「頼むぞ、シフォン。」

 1997年桃園家

 「おっ、終わったぞ。出かけるかラブ。」
 「うん。」

 現世のクローバータウンストリート

 「ピーチはん、ピーチマザーはん。早よう起きてや。皆、大ピンチやで。」
 依然ピンチは続く。
 「ハイ・チーズ。」
 「ベリー。」
 「ベリーマザー。」
 「プリキュア・ドロップキック。」
 「バコバコン。」
 「ニューーーーッ」
 「バコバコン。」
 「キャーーーッ。」
 「ハイ・チーズ。」
 「ブーーーン」
 「タアーーーーッ。」
 「バコン。」
 「キャーーーッ。」
 「まだまだ、一気に行くよ。」
 「OK。」
 「タアーーーーッ。」
 「ブーーーン、バコバコン。」
 「キャーーーッ。」
 「キャーーーッ。」
 「ああーーっ。」
 「ピーチはん、ピーチマザーはん。頼むから起きてや。」
 「ラーーーーブ、あゆみーーーっ。キュアキュアフィリップゥーーー。」 

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「オオッ。謎の点滅が出現したぞ。」
 「これってもしかして。」
 「クリックしてみよう。」
 「ポチッ。」
 「こ、これは当時の桃園ラブのデータだ。」
 「では、1971年では。」
 「あった。これをクリックだ。」
 「やはりな。桃園あゆみのデータだ。」
 「所在は。」
 「ラブちゃんは当時の新高島平駅にいる。」
 「あゆみさんは当時の志村(現高島平駅にいる。」

 1997年、新高島平駅

 「わーーーい、楽しかった。」
 「戻って来たね。」
 「うん、お祖母ちゃん。」
 「さあ、帰ろうね。」
 「その前に、カオルちゃんのドーナツカフェに寄りたい。」
 「やっぱりね。」
 「あゆみ、良いじゃない。あのドーナツ美味しいからね。らぶ、あの公園へ行こうね。」
 「わーーーい、やったあーーー。」
 10年前でも、赤塚公園内にカオルちゃんのドーナツカフェは存在する。

 1971年、当時の志村駅

 「キューーーーーウーーーーゥーーーーッ。」
 「プシュ、ガラガラガラ。」
 「志村、志村終点です。」
 「わーーーい、戻って来た。」
 「良かったね。池袋の百貨店まで行って。」
 「うん、あの最上階にあるレストランのお子様ランチ美味しかった。それに、こんなにたくさんおもちゃ買ってもらって。」
 「そうかね。」
 「ありがとう、お祖母ちゃん、お母さん。」
 「さあ、家へ帰ろうね。」
 「うん。」
 あゆみと同行している母親らしき人物は『愛』、祖母らしき人物は『初』と、言います。その後、3人は志村駅を出て自宅へ向かいます。

 1997年四葉の西隣にある赤塚にあるドラックストアー

 「うん。」
 「ラーーブ。」
 「なーーーっ。」
 「お祖父ちゃん、どうかした。」
 「あーーっ、いや。」
 「ねーーえ、早く行こうよ。」
 「ああー。」
 ラブと源吉は赤塚城跡方面へ歩いて行った。

 一方

 当時の本物のラブ、あゆみ、愛の3人は、赤塚公園内にあるドーナツカフェへ到着した。
 「へい、いらしゃい。」
 「カオルちゃん、こんにちわ。」
 「これは、あゆみさんに愛さんまで。」
 「孫娘があなたのドーナツが好きで立ち寄ってみたけど。」
 「お母さん、お祖母ちゃん、私、フレンチクルーラとダブルチョコが欲しい。」
 「よく覚えてるね、お嬢ちゃん。毎度ありーー。」

 1971年桃園家

 「お父さん、娘を連れて大仏さんでも見に行って来ます。」
 「ああ、わしは確認と点検をするからな。」
 「はい。」
 「おじいちゃん、行って来まーす。」
 「あーあ、あゆみ、行ってらっしゃい。」
 タイムスリップしたあゆみと源吉は、家を出て大仏さんの方向へ散歩に行った。

 隣町赤塚にある薬局

 「あゆみーー、あゆみーーー。」
 「ん。」
 「お父さん、どうかした。」
 「いや。」
 「ねーーーぇ、早く行こうよ。」
 「ああ。」

 1997年乗蓮寺

 タイムスリップしたラブと源吉はここにいます。
 「いつ見ても大きいね、この大仏さん。」
 「ああ、鎌倉の大仏さんと比較すると歴史はまだ浅いが、当時、戦争でこの国は不幸のドン底ま落ちてしまった。その後、不幸のどん底まで落ちた人々救い、地域の復興を願って作られたと聞いている。」
 「そうなの。」
 「そう、この大仏さんこそ人々を幸せに導くんだよ。」
 「幸せね。閃いた。」
 「どうした、ラブ。」
 「この大仏さんを見て新たな言葉が閃いたの。」
 「何だ。」
 「幸せゲットだよ。」
 「ゲットか。ラブらしいな。」
 「うふふっ。」
 「それと、ここのお寺さんの畳も家の畳を採用しているのだぞ。手作りの畳は、古の伝統を守り続けるお寺さんには好評をいただいている。」
 「そうなの。」
 「ああ。さあ、駄菓子屋へ向かおうか。」
 「うん。」

 赤塚公園内ドーナツカフェ

 本物のラブとあゆみと愛の3人は、ここで寛いでいます。
 「アグン。」
 「美味しーい。」
 「いつ食べても美味しいね。」
 「こんなハイカラな食べ物が食べれて本当に幸せじゃよ。」
 「お祖母ちゃん、これからも幸せゲットだよ。」
 「まあっ、ラブったら。」
 この頃からラブは『幸せゲット。』と、言えるようになっていた。その後、3人は家路へ向かいます。

 1971年赤塚城跡

 「あゆみ。」
 「何、お父さん。」
 「この城に住んでいた当時のお殿様にも、畳をお気に召していただいているぜ。」
 「そうなの、お父さん。」
 
 家路へ向かう本物のあゆみ、愛、初の3人は

 「トンキンカントンキカン。」
 「相変わらず、工事の音がするねえ。」
 「この工事のお陰で畳の注文がたくさん来たのよ。」
 「だから、あゆみに欲しいものが買えるのじゃ。ここで働いている人たちにも感謝しなければならないよ。」
 「うん、おじちゃんありがとう。」
 「お嬢ちゃん。おじちゃんじゃなくてお兄さんだよ。」
 この男、西隼人ソックリな作業員だった。
 「コラッ、上から返事して余所見すると落下するぞ。」
 「はい。」
 「このおじちゃんは。」
 「私か。この建設工事を指揮する現場監督だよ。」
 「そうなの。」
 「コレッ、あゆみ。」
 「どうもすいません。」
 「いや、良いですよ、おじちゃんで。」
 「うん、おじちゃん、ありがとう。」
 「完成すれば、たくさん人がこれらの住宅に入居して、大きな町になるよ。」
 「本当。」
 「楽しみだね。」
 「ああ、きっと大きな賑わいを見せるよ。」
 「うん、私、幸せ。」
 「そうだね、幸せの街にきっとなるよ。」
 「わーーーーい。」
 「コラッ、あゆみ。」
 3人は工事現場を後にし家路へ向かった。

 松月院前

 「ねえ、お父さん。この大きなお寺さんも家の畳が入っているの。」
 「松月院か。ここのお寺もごヒイキ承っているよ。」
 「すごーーい。」
 あゆみと源吉は、このお寺も後にし駄菓子屋へ向かった。

 
 1997年駄菓子屋

 タイムスリップしたラブと源吉はここにいます。
 「いらっしゃい。」
 「全然変わってない。」
 「ん、何か言ったかい。」
 「なはっ、何でもない。おじいちゃん、私、水飴食べたあーーい。」
 「好きなの選びな。」
 「はーーーい。」
 「源さん、お疲れ気味だね。」
 「なーーに、どおーーってことはないさ。」
 「そろそろ仕事は、跡継ぎにやらせたらどうだい。婿養子がいるんだろ。」
 「ありゃ、ダメだ。当時、高島平団地造成中の頃からバブル期の頃までに育成した畳職人から選んで仕事を継がせるよ。婿は会社員、職人修行経験ゼロ。無理にやらせても良いことねえだろ。だから、店を畳んで閉鎖する。」
 「そうかね。」
 「これまで先祖代々御用達だった乗蓮寺と松月院の両住職にも話はしてある。」

 1971年駄菓子屋

 当時へタイムスリップしたあゆみと源吉もここににいます。
 「あら、いらっしゃい。」
 「お父さん、水飴食べたい。」
 「好きなの選びな。」
 「はーーい。」
 「源さん、仕事は忙しいかい。」
 「ああ、猫の手も借りたいよ。」
 「息子ができないのかい。」
 「そうだね。後を継ぐ者がいないとね。」
 その後、バブル期まで畳屋が忙しく結局、源吉と愛の間で子宝が全く恵まれなかった。

 現世のクローバータウンストリート

 「ハイ・チーズ」
 「ボカン。」
 「キャーーーッ。」
 「ラブ。」
 「ラブちゃん。」
 「ラブちゃん。」
 「ラブちゃん。」
 「あゆみ。」
 「あゆみさん。」
 「あゆみちゃん。」

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「あなた。当時の本物の本人とタイムスリップした本人が両方共、桃園家へ向かっているわ。」
 「これで鉢合わせすれは、間違いなくタイムスリップした本人たちは、必ず戻ってくる。」

 1971年桃園家

 本物のあゆみと愛と初の3人は、間もなく到着します。
 「着いたわよ。」
 「わーーーい、帰ってきた。」
 「ガラガラガラ。」
 「ただいま。」
 寅が玄関へ向かった。
 「お帰り。あれ、あゆみ。源吉と一緒じゃなかったのか。」
 「あら、寅。今日、池袋へ買い物へ行くって知らせたはずよ。」
 「そうだったか。歳かな。あまりに忙し過ぎて忘れてしまった。」
 「仕方ないわね。」
 すると、タイムスリップしたテルンが現れた。
 「キィーーッ。」
 あゆみと一緒にタイムスリップしたテルンが畳製造の部屋の壁にビジョンを映した。
 「あゆみーーー。」
 「おーーーーっ。」
 「あゆみさん。」
 「あゆみちゃん。」
 「あゆみーーーーあゆみーーー。」
 「これは一体何なんじゃ。」 
 「あゆみが2人いるのかい。」
 「私の名前ばかり言ってた。」
 「お父さんが連れ出した娘は。」
 「よし。源吉が帰って来たら、詳しい話を聞くぞ。」

 1997年桃園家

 タイムスリップしたラブと源吉は帰宅していた。
 「キィーーーッ。」
 テルンは桃園家の家の壁にビジョンを映した。
 「ん。」
 「キャアーーーッ。」
 「アーーーッ。」
 「ああっ。」
 「ラブ。」
 「ラブちゃん。」
 「ラブちゃん。」
 「ラブちゃん。」
 「ラーーーブ、ラーーーブ。」
 「ラブ。」
 「うーーーん、うーーーん、んっ、うーーーん。」
 「ん、ラブ、何をしているんだ。」
 「私、畳職人になる。」
 「えっ。」
 「そうすれば、おじいちゃんと一緒に居られるでしょ。」
 「んわぁ、あーっ。」
 「私、この四ツ葉町商店街でおじいちゃんとずっと一緒にいたいもん。」
 すると
 「ただいま。」
 「エッ。」

 1971年桃園家

 「ただいま。」
 源吉とタイムスリップしたあゆみが帰って来た。
 「エッ。」
 「何で、私が2人いるの。」
 「そうか、もう1人は何かの手違いで姿を現した偽者。愛、本物のあゆみと一緒に別の部屋へ行ってくれ。」
 「はい。」
 本物のあゆみは、愛に連れられて畳製造の部屋から去った。そして、残った寅、初、源吉の3人はタイムスリップして現れたあゆみを問い詰め始めた。
 「どこから来た。」
 「2009年から。」
 「何、2009年だと。」
 「と、いうことは、娘は41歳になってるはず。」
 「結婚はしているのか。」
 「はい。」
 「誰とじゃ。」
 「圭太郎と言う会社員と。」
 「何、この頃にもう畳屋は閉鎖しているのか。」
 「そう。だから私、今の暗黒の世界から逃げてきたの。」
 「そんなに、悪い時代になっているのか。」
 「そうよ、バブルがはじけてから。」
 「そうか。その前にそんな良い時代もあったのか。」
 「でも、バブルがはじけてから18年が経つわ。」
 「何、そんなに長いのか。」
 「18年も続いているのか。」
 「昔なら、間違いなく戦争になっているぞ。」
 「だから、お願い。ずーーーとこの時代に一緒にいたい。」
 「ダメだ。ここは、お前のいるところじゃねえ。ずっと、一緒に居られねえって、本当は分かっているだろう、あゆみ。」
 「そんなあ。」
 「お前の世界へ帰るんだ。」
 「あゆみ、悪い時代なんていつまでも続くワケないよ。」
 「必ず、幸せな時代が来るよ。」
 「幸せな時代。」
 「あゆみ、お父さん、お母さん、お祖父ちゃん、お祖母ちゃんとお別れなんてイヤだ。」
 「確かに、戦争になっているな。」
 「それでも、お前には帰るべき場所がある。」
 「うっ。」
 「確か、君を呼んでいる仲間は特殊部隊の兵士になっているのでは。」
 「あゆみよ。そこでやらなければならねえ事があるんじゃねえのかい。」
 「はっ、はあーーーっ。」
 「あゆみ、確か第2次世界大戦(太平洋戦争)が起こる9年前に世界恐慌が起こったのだよ。」
 「もしかして、あゆみが生きている未来の時代にも世界恐慌が起こらなかったか?」
 「起こった。」
 「何、それは本当か。」
 「親父、未来のあゆみさんの時代には長いトンネルのような不況があると聞いている。起こらないワケはないはず。」
 「そうじゃの。」
 「で、あゆみ、いつの頃だ。」
 「1年前、アメリカ合衆国にある会社リーマンブラザーズが経営破綻してからよ。」
 「やっぱりな。」
 「だから戦争が起こったのだよ。」
 「どこの国と戦争しているのじゃ。」
 「ラビリンス。」
 「ラビリンス。」
 「あの拉致事件を繰り返しているあの国か。」
 「やると思った。昔、我が国が戦争を仕掛け敗れたことで、あの地域は独立して国を設立しても、今でも根に持って恨み続けている。」
 「そうなの。だから、侵攻を。」
 「ああ、そうだ。」
 「警察や自衛隊が手に負えない怪物を放って攻撃してくるくらいだ。」
 「やだ。」
 「キィーーーッ。」
 「パッ。」
 「キャーーーッ。」
 「ドカッバキッ。」
 「ドカーーン。」
 「ううーーーっ。」
 「ピーチマザー。」
 「あゆみーーー、あゆみーーー」
 「どないすればエエんや、ピーチマザーはん。」
 「さっきからずっとあゆみのことを呼んでいるぞ。」
 「あゆみは、外国の特殊部隊の兵士なのかね。」
 「うん、そう。」
 「ならば、暗黒時代を終わらせる使命があるのではないか。」
 「お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、お父さん、私行かなきゃ。」
 あゆみは、2009年現在、41歳の姿に戻った。
 「そうだったか。」
 「もう当時のあの娘に会わしていいね。」
 「お別れの前にもう一度会わせてあげよう。」
 「愛、あーーい。」
 「はーーーい。」

 1997年桃園家

 「これで分かっただろう、未来のラブ。」
 「う、うわ。」
 「お前の世界へ帰るんだ。」
 「やだー、私ここに居る。」
 「ラブ、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんとお別れなんてイヤ。」
 「ラブちゃん。」
 「お前には帰るべき場所がある。」
 「うっ。」
 「そこでやらなければならねえ事があるんじゃねえのかい。」
 「はあーーっ。」
 テルンは再度ビジョンを映した。
 「パッ。」
 「はああ。」
 「ハアハアハアハアッ。」

 現世のクローバータウンストリート

 「ハイ・チーズ。」
 「バコボコバコボコ。」
 「キャアーーーッ。」
 「ドカーーーン。」
 「君たちもう限界だろ。どうしてそこまで。」
 「あたしたちは、この町を守らなければならないの。」
 「おばさんたちも限界だろ。こちらもそこまで。」
 「あたしたちも、この町をを守る使命と義務があるのよ。」
 「ピーチが。」
 「ピーチマザーが。」
 「ラブちゃんが。」
 「あゆみさんが。」
 「帰って来た時、商店街が破壊されたら悲しむじゃない。」
 「フン、無駄だ。彼女はもう目覚めることはない。」
 「帰って来るわ。」
 「絶対に。」
 「私信じてる。」
 「ラブちゃんは必ず」
 「帰って来る。」
 「おばさんたちは。」
 「帰ってくるわ、坊ちゃん。」
 「絶対に。」
 「私信じてる。あゆみさんは必ず」
 「帰って来る。」
 すると、またメンバー1人のリンクルンがらテレビ電話の着信が入った。
 「よくぞ言った、プリキュア隊。既に、当時本物の本人と出会っているぞ。」
 「また貴様か。」
 「帰って来るのは時間の問題だ。彼の脅しに屈するな。」
 「ショコラ。」
 「ショコラさん。」

 1997年桃園家

 「仲間がお前を待っているだろ、ラブ。」
 「はぁーー。でも私、何もできていない。」
 「何。」
 「思い出したの。私、ずっと心残りだった。私のことすごく可愛がってくれたおじいさんのために、何か喜んでもらえることをさしてあげたいって思ったのにまだ何も。」
 「わしはラブから大切なものをもらったよ。」
 「わしとお祖母ちゃんの孫として産まれて来てくれた。」
 「それだけで十分だよ。」
 「そうじゃ。」
 「お祖父ちゃん、お祖母ちゃん。」
 「わしが愛情込めて畳を作ってきたみてえに、お前にも将来、愛情を持って何かをなしとげる子になって欲しい。」
 「そう言う願いを込めてお祖父ちゃんが『ラブ』って名付けたんじゃよ。」
 「お祖父ちゃんが。」
 「どうでい。すんごく愛情がこもっているだろ。」
 「うん、愛情いっぱいだよ。でも、何で英語なの。」
 「愛はわしの名前じゃよ。だから、将来、国際人を目指して『ラブ』にしたんじゃよ。」
 「そうなの、お祖母ちゃん。」
 「そうじゃ。」

 現世のクローバータウンストリート

 「キャーーーッ。」
 「ドカーーーン。」
 「ううーーーっ。」
 「ハイ・チーズ。」
 「ビューーーッ、ガチッ。」
 「キャーーーッ。」
 「うわあーーーっ。どないすれはエエんや、ピーチはん、ピーチオカーン。」
 「ラーーーブ、あゆみーー。」

 1997年桃園家

 「ラーーーブ。」
 「シフォン。」
 「ラブ。」
 「ラブちゃん。」
 「ピーチはん。」
 「皆あ。」
 「さっきからずっとお前のことを呼んでいたぞ。」
 「うん、私、行かなきゃ。」
 ラブは、現在の女子高生の姿に戻った。

 1971年桃園家

 「ううーーううーー。」
 「ごめんね。君の未来に悲しませるようなことして。」
 「キャーーッ。」
 「ドカーーン。」
 「あゆみーーー、あゆみーーー。」
 「シフォン。」
 「さっきからずっとお前のことを呼んでいたぞ。」
 「私、もう行くわ。皆、大切な仲間よ。」
 「ああ、行ってあげな。」
 「そうじゃ。」
 「この子の未来を悲しませないために、もう一度、幸せな日々を取り戻す。」
 「元気でな。」
 「元気でね。」
 「うん、ありがとう。お父さん、お母さん、お祖父ちゃん、お祖母ちゃん皆、大好き。」
 「わしらも大好きじゃ。」
 「未来の私、バイバーーイ。」
 「まあっ。バイバーーーイ。」
 あゆみは現世へ帰って行った。

 1997年桃園家

 「ラブ。良いのかい、本物のラブに会わなくて。」
 「余計悲しませるだけよ。未来のお姉さんは帰って行ったと伝えて。」
 「分かったよ。」
 「元気でな。」
 「うん、ありがとう。お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、大好き。」
 「わしも大好き。」
 「わしもじゃよ。」
 ラブも現世へ帰って行った。

 現世のクローバータウンストリート

 「テルンはん。」
 「キィーーッ。」
 「キュア。」 
 「あっ、お祖父ちゃん。」
 「はっ、お父さん、お祖父ちゃん。」
 「気が付いたでぇーー。」
 「ラーーーブ、あゆみーーー。」

 サキクラ7号とに戦いの現場では

 「ギギーーーーッ。」
 「撮影の準備ができたようだ。君たち、もう苦しまずに済むからね。お休み、プリキュア。」
 「ハイ・チーーズ。」
 「キン、ウィーーーーーン。」
 「ダブルプリキュア・キィーーーック。」
 「パコンバコン。」
 「ウゴッ。」
 「ハアーーッ。」
 「バコバコ、バコバコ、バコバコバコッ。」
 「バリンバリンバリンバリンバリンバリンバリン。」
 「ハイッ。」
 「ピーチ。」
 「ピーチマザーー。」
 「皆。」
 「待たせてごめんね。」
 「絶対に来てくれるって。」
 「信じてた。」
 「なぜだ!どうやって思い出の世界から帰って来た。」
 「お祖父ちゃんのお陰で目が覚めた。」
 「私は、38年前の自分のお陰よ。」
 「私たちには。」
 「この世界で皆と一緒にやらなきゃならないことがあるの。」
 また、テレビ電話の着信が入った。
 「これで分かっただろ。」
 「まとめて眠らせてしまえ。」
 「そうは行かない。」
 「うっふーーん、ナイン・フォールド・プリキュア・テンプテーション。」
 「ポワーーーン、チュチュチュチュチュチュチュチュチュッ。」
 「し、しまった。」
 サウラーは支配された。討伐を担当するキュアベリーマザー、キュアパインマザー、キュアココの3人はサウラーを取り押さえにかかった。
 「ママやめて。」
 「覚悟しなさい、坊っちゃん。」

 一方、キュアピーチとキュアココを除くフレッシュ4人は

 「ハイ・チーズ。」
 「何度も」
 「同じ手は」
 「通用しない。」
 「ブン投げてやる。」
 「ハアーーーーッ。」
 「ポイッ。」

 対サウラー戦現場では

 「トオリャーーーッ。」
 「ポイッ。」
 「うわあ~あーーー。」
 更に、上空でキュアピーチ母娘が待機した後、ピーチはサキクラ7号へ向けて、ピーチマザーはサウラーへ向けてそれぞれ、ダブルピーチロケット砲を仕掛けた。
 「ゴチン。」
 「バコン。」
 「バコン。」
 「ウゴオーーーーッ。」
 「うぎゃあ~っ。」
 「ピュウーーーーーー。」
 「ドスドッスーーーン。」
 「ピヨピヨピヨピヨ。」
 「ピンボケェーーーーッ。」
 「ピーチ、今よ。」
 「待って、あたしが行くわ。」
 「キュアココ。」
 「思い出の世界を消すためにも、このバッド・メモリー・リムーブが特に効くはずよ。」
 「キィーーッ。」
 シロルンもキャリーケースから出て来ている。
 「ピーチ、任せていい。」
 「いいよ。」
 「待って。私も行くよ。悪霊を封じ込めるためにも。」
 「OK。」
 「それじゃあ、残りのメンバーは、サウラーを懲らしめて警察へ突き出すわよ。」
 「OK。」
 「キィーーーッ。」
 キュアメロンとキュアココはリンクルン操作に入った。そして、キュアスティックを受け取った。
 「浄めよ。浄化のユビーロッソ、キュアスティック、メロンガン。」
 「チェンジ。」
 「ミ、カチャッ。ボン。」
 「メロンバズーカー。」
 「楽しめ。誠実のグランツィア。キュアスティック、ココリコーダー。」
 「ドレミファソラシド。カチャッ、キィーーン。」
 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア。」
 「クリーーンフィルターーー。」
 「バッドメモリーリムーーーブ。」
 「フレーーーーーッシュ。」
 「ボン、パン。ピューーーーッ、シュシュッ。」
 「ウッウッ。」
 「ハアーーーーーーーーーーーッ。」
 「シュワシュワーーーーッ。」
 サキクラ7号は討伐した。そして、元の三脚付き古カメラに戻った。

 一方、対サウラー戦現場では

 「ドカッバキッボコッ。」
 「ワーーーン。ママ、やめて。」
 「何がママよ。」
 「人の心、玩ぶんじゃないよ。」
 「バコン。」
 「いたあーーーい。」
 「さあ、突き出すよ。」
 「OK。」
 「苦い思い出になってしまった。」
 サウラーはワープして去った。
 「しまった。また逃げられた。」
 「仕方ないわね。皆、引き上げるわよ。」
 「OK。」
 プリキュア隊9人は、空を飛び立って去った。

 翌日、高島平駅北商店街にある写真館

 ラブ、あゆみ、美希、祈里の4人が訪れています。
 「ラブって名前は、おじいちゃんが私のために愛情いっぱい込めて名付けてくれたものなの。」
 「あらっ、そうなの。お祖父ちゃんがね。私にも言わせてね。」
 「はい。」
 「源吉お父さん、愛お母さん、寅お祖父ちゃん、初お祖母ちゃん、私、今度こそ皆が幸せに暮らせる世の中に絶対してみせるわ。」
 「そうだね。」
 「皆で幸せゲットだよ。」
 「流石はラブちゃん、あゆみさん。」
 「うん。私、ラブって名前を込められたおじいちゃんの思い出を忘れない。そして、いつか世界中の皆の心を愛情いっぱいにしてあげられる人になりたい。」
 「あら、私も笑顔いっぱいの世の中にしてみせるわ。それまでお父さん、お母さん、お祖父ちゃん、お祖母ちゃん私たちのことを見守ってね。」

 完

 南瞬、指名手配
 
 

 
後書き
 スウィーツ王国のサポートのお陰で思い出の世界から帰ってきたラブとあゆみ。翌日、写真館で祖父母及び曾祖父母に、ラビリンスとの戦争を終わらせ、皆が幸せに暮らせる世の中にして行くことを宣言します。 
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