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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第四幕その五

「是非ね」
「そういうことだね」
「うん、そのお酒屋さんだけれど」
「先生道覚えてる?」
 ホワイティがこのことを尋ねました。
「ちゃんと」
「うん、覚えてるよ」
 先生は穏やかに笑ってホワイティに答えました。老馬の頭のところにいます。
「安心してね」
「それならいいよ」
「何か先生ってね」
 ポリネシアも上を飛びながら言ってきました。
「世事のことがからっきしだから」
「そう言うんだ」
「そう思わない筈がないよ」
「そうそう」
 今度はオシツオサレツでした。
「全く以てね」
「方向音痴なのも確かだから」
「だから僕もいるからね」
 老馬も心配そうです。
「万が一でも大丈夫だよ」
「僕が忘れていても、道を」
「老馬君が覚えているのなら安心だね」
 トートーは道のことでは先生よりも彼を信頼していました。
「本当にね」
「やれやれ、僕は頼りないんだね」
「学問のこと以外はね」
 王子は親しい笑顔で返しました。
「そうだよ」
「道のことも」
「だって先生本当に道に迷うから」
 王子もこのことをよく知っているのでした。
「だからだよ」
「否定出来ないんだよね、自分でも」
「そうだよね、本当のことだから」
「僕自身もね」
「けれどね」
「皆がいるから」
「うん、お酒屋さんまで行けるよ」
 先生お一人でないからでした、全ては。
「だからね」
「それじゃあね」
「行こうね」
「それでそのお嬢さんがおられれば」
 ここで、です。トミーは先生にこうしたことを言いました。
「お会いして」
「うん、話をしてね」
「どういう人か見るんだね」
「その時に皆の力を借りてね」
 そしてというのです。
「僕以外の目からも」
「うん、どういう娘かね」
「確かめるのね」
「そうしよう」 
 これが博士の考えでした。
「ここはね」
「よし、じゃあ」
「まずはお酒屋さんに行って」
「そうしてね」
「色々と調べよう」
 こうしたことをお話してでした、そのうえで。
 先生達は皆と一緒にそのお酒屋さんに行きました、すると。
 小柄で黒髪をショートにした女の子が出て来ました。青のジーンズと白のセーターの上にクリーム色のエプロンを付けています、目はとても大きくてきらきらとしています。お鼻は少し低めですが形はいいです。お顔は丸めで唇は紅色で小さくて。顎の形はとても整っています。
 その娘がです、先生がお店に入るとすぐに出て来て言ってきました。
「いらっしゃいませ」
「はい、どうも」
 先生は微笑んで女の子に応えました。
「お酒を買いに来ました」
「どの様なお酒でしょうか」
「ウイスキーはありますか?」
 先生は微笑んで女の子に尋ねました、動物の皆はお店の外で待っていてトミーと王子は先生と一緒です。 
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