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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第四幕その四

 それぞれ音楽が鳴りました、メールの着信でした。二人がそれぞれ自分達のメールをチェックしますと。
 王子からでした、王子はメールでこう言っていました。
「あっ、今からだね」
「王子が自分からですね」
「こっちに来てくれるね」
「じゃあ呼ぶ必要ないね」
「そうですね」
 こうお話するのでした。
「それじゃあね」
「僕達はですね」
「ここで出発の準備をしよう」
「そうしましょう」
 こう二人でお話してでした、そのうえで。
 動物の皆と一緒に支度をしつつ王子を待ちました、そして。
 王子が来てです、皆に笑顔で言いました。
「おはよう、今日だよね」
「ああ、そのつもりだったんだ」
「今日は日曜だから」 
 王子としてもというのです。
「声をかけるつもりだったよ」
「そうだったんだね」
「けれど先生達もだね」
「実はそれで王子に連絡しようと思っていたんだ」
「僕がね」 
 トミーも王子に言います。
「そうしようと思っていたら」
「僕からだね」
「うん、メールが来たから」
 それで、というのです。
「僕達が待つことにしたんだ」
「そうなんだね」
「それじゃあね」 
 また先生が言いました。
「行こうか」
「それじゃあね」
 王子も笑顔で応えます、そしてでした。
 皆は先生のお家を出発してです、それから。
 お酒屋さんに向かいました、その中で。
 ふとです、チープサイドの家族が上から先生にこんなことを言ってきました。
「今日はちょっとね」
「賑やかな感じがするよ」
「いつもに比べて」
「雰囲気がね」
「これは猫かな」
 ジップがお鼻をくんくんとさせてチープサイドに続きました。
「この匂いは」
「じゃあ今は」
「そのお静さんだよね」
「そうだよ」
「あの人がだね」
「調べているんじゃないから」
 それで動いて、というのです。
「猫の匂いが沢山あって一つの方向に動いているから」
「じゃあ間違いないかな」
「うん、後はね」
「後は?」
「その猫君達の中でも」
 さらに言うジップでした。
「目立つ匂いがするよ」
「その匂いがかな」
「お静さんって猫さんじゃないかな」
「そうなんだね」
「僕達の鼻は色々わかるんだ」
 その匂いからです、とかく犬の鼻は凄いです」
「だからね」
「あの人も自分から動いてるんだね」
「そう思うよ」
「あの人が動いてくれてるんなら」
 それならと言う先生でした。
「是非ね」
「僕達もだね」
「動こう、他の人が動いているのにね」
「自分が動かないのじゃね」
「駄目だからね」
 それで、というのです。
「ここはね」
「僕達も動く」
「そうしよう」
 先生は老馬に乗りつつ微笑んで言いました。 
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