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極短編集

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短編44「先はどこだ!?」

息子が5歳の時の話だ。
朝食に、焼きうどんを出した時。息子はフォークを差したまま、うどんを見て固まっていた。

「大丈夫か?」

体調が悪いのかと思い、声をかけると……

「うどんの先って、どこだと思う?」

と、息子は言った。
まったく君はパパと同じ事を思うのだな。僕は低学年の時の頃を思い出した。ザルに盛られた蕎麦を箸でつまんだ時だった……

『この先はどこにあるんだろ?』

と、思った。そして、ゆっくりと蕎麦をたぐると時々、蕎麦がへこんだ!

『ああ、ここが先だな!』

へこんだ場所をかき分けると、蕎麦の先端を見つける事が出来たのだった。なので僕は息子に言った。

「ゆっくり、うどんをたぐってごらん」

早速、息子がうどんをフォークで手繰り寄せた。

ポコン

と、うどんの山がへこんだ

「多分、パパはこの辺だと思うよ。見てみよう!」

と、僕は自分の箸で、うどんの山をかき分けると、先端が見つかった。僕は箸でその先端を持ち、引っ張ると……



「あっ!パパとつながった」

と、息子は大喜びしたのだった。

おしまい
 
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