インフィニット・ストラトス 乱れ撃つ者
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イレギュラーな試合 後編
前書き
お待たせしました!
昨日更新しようと思いましたが、間違えて消してしまい意気消沈してました!
まぁそんなこともあって、今回はいつもの倍くらい
ちょっと強引にしすぎた感がニシュラ自身ひがみねぇですが、どうぞよろしくお願いします!
トランザムにより、スペックが三倍以上に引き上げられたサバーニャを駆り、その速さで一夏を翻弄する。
時折俺の動きを読んで斬りかかるも全て残像。
「クソッ! 速ぇ!!」
「ソラソラソラソラソラァ!! 早くしねぇと終わっちまうぞ!」
「一夏っ!!」
ボーデヴィッヒとの戦闘を離脱してきたシャルルが俺の隙をついてマシンガンを構える。二丁拳銃だ
だが、その攻撃も間に割り込んだホルスタービットが全て防いだ。
「あれ盾なの!?」
「私を忘れないで貰おうか!」
驚いたシャルルの足にボーデヴィッヒワイヤーブレードが巻き付いた。
そのままあらぬ方へ投げ飛ばされたシャルルだったが、空中で体勢を立て直すと、高速切替(ラピッドスイッチ)で呼び出したアサルトライフルでボーデヴィッヒを狙う。
だがそれも、AICにより防がれてしまった
「この!」
「おっと」
ボーデヴィッヒ達の方へ気が反れていたのか、隙を見た一夏がビームの猛攻を受けながらもこちらに斬りかかってくる。
だが、さすがトランザム。 斬られる寸前にはもう数メートルの距離を移動し、回避していた。
「出鱈目すぎるだろっ! おわぁっ!?」
雪片弍型を振り下ろした格好の一夏にピストルビットが襲いかかるが、なんとかこれを回避した一夏はシャルルの方へと向かった。
その間に俺もボーデヴィッヒの元に戻る。
「よう。 調子はどうだ、ボーデヴィッヒ」
「……お前、それはなんだ?」
赤く輝くサバーニャを見て、ボーデヴィッヒが問いかけた
「悪いが、それは企業秘密でね。 この状態も長くないから、一気に攻める」
「指図するな。 それに、貴様の手を借りずとも私一人で十分だ」
「よく言うぜ。 一対一ならともかく、一人で二人の相手なんぞ、お前には無理だよ」
「バカにしているのか?」
キッとこちらを睨むボーデヴィッヒを俺は真っ正面から睨み返す。
「バカにしているんじゃない。 事実を言ったまでだ。 ほら、相手も来るぞ、構えろ」
視線の先には雪片弍型を構え直す一夏と手にアサルトライフルを持ったシャルルの姿。
俺も周りにピストルビットとホルスタービットを全て展開させた。
「さ、第二ラウンドの始まりだ」
「あれは……いったい何なんでしょうか……」
「さぁな。 私にも分からん。 だが、あれがゴッドカンパニーの技術というものなのだろう」
モニター越しに自身の弟の姿を見ながら、織斑千冬は御堂のISも見ていた。
何かいったと思えば、急に赤い光を放ち出した御堂のIS、第三世代サバーニャ。
その光は今もなお消えてはいない。
「ですが、見て分かるほど、御堂君のISの性能が上がっています。 特に速度ですね。 瞬時加速のようなものなのでしょうか?」
「だが、あれは瞬間の速度をあげるものだ。 御堂のように常時発動するものではない。 それに、注目するところはまだある」
「……BT兵器、ですね…」
御堂の周りに展開されている二十八基のBT兵器。
その全てを操作し、尚且つオルコットのように集中のため止まることがない
「……いったい、何がどうなっているんだ、あいつは」
赤い光に包まれた少年を、織斑千冬はモニター越しに見ているのだった
「いけっ!!」
ピストルビットに指示をだし、一夏とシャルルに半分ずつ向かわせる。
それと同時に、俺は後ろに下がり、前に出てきたらボーデヴィッヒに任せる。
それが作戦。実にシンプル
時折ワイヤーブレードやレールカノンを放つボーデヴィッヒだが、そこは俺が上手くビットを動かして当たらないようにしている
実力者のシャルルが合間を狙って俺やボーデヴィッヒを狙うが、その攻撃は全てホルスタービットに阻まれる。フハハハ! もはや俺達は無敵ぃ!!
「シャルル!! このままじゃ不味いぞ!」
一夏の叫びに、シャルルも分かっていると頷いた。
動くか!
突如シャルルが急上昇。 その身にビームを受けるが、気にせずに空を駆けた。
ビットを分散させてる分、抜け道ができていたかっ!
「ボーデヴィッヒ!!」
「指図するなと言っている!!」
俺が呼ぶ前にはすでにシャルルを追っていたボーデヴィッヒ。
だが、ボーデヴィッヒが飛んだそのすぐ後、一夏のやつも加速し、空へと飛び上がった。
瞬時加速かっ!
「このっ! 逃がすかよ!」
幸いにも、シャルルにはボーデヴィッヒがついている。 そう判断した俺はシャルルに回していたピストルビットを一夏の方へと戻した。
「ボーデヴィッヒ! シャルルのやつをAICで止めておいてくれ! 一夏を先に落とす!」
「黙れ! あの男は私が落とす! 貴様は邪魔をするな!!」
こんなところでそれを言うのかこいつは!?
ボーデヴィッヒが一夏のもとへ急降下を始めた。
ビットもボーデヴィッヒもいない。そうなれば、シャルルは当然フリーになるわけで……
「くそ! 俺も出る!」
一夏に回していたビットを全て回収し、二基だけ両手に持つと、俺はシャルルに迫る。
トランザム中のサバーニャだ。 残像を残しながら飛ぶサバーニャは瞬く間にシャルルの前へ
「こっから先は行かせねぇぞ、シャルル」
「できれば相手したくないんだけどなぁ」
そう言いながらも両手にマシンガンを構えているシャルル。
チラリとモニターを見ると、トランザムの稼働時間はもう残り少ない。
「そう言うわけにもいかないんでな。 いけっ!」
十二基のピストルビットが展開され、シャルルを狙う。
どが、シャルルは俺がビットに指示を出す前に動いていた。
狙いは俺の後ろ!?
振り返れば、その先にいるのはAICを発動させて一夏を止めていたボーデヴィッヒの後ろ姿。
高速切替(ラピッドスイッチ)で呼び出したアサルトライフルがボーデヴィッヒを襲うと、AICは中断され、一夏がボーデヴィッヒに斬りかかる。
エネルギー状の刃、零落白夜
体勢を崩されていたボーデヴィッヒに防ぐ手段はなく、零落白夜はそのままシュヴァルツェア・レーゲンを切り裂いた
動かないところを見ると、どうやらボーデヴィッヒは戦闘不能のようだ
「くそ!俺だけかよ!」
「負けない……!?あ、中!あれ!」
「あ?」
シャルルが指を指す方向。
一瞬罠かと思ったが、その様子から罠とも思えず振り返った。
その場所は、先程までボーデヴィッヒがいた場所
黒い何かがいた
「……ここでかよ…」
VTシステム。
過去のモンド・グロッソの優勝者の戦闘方法をデータ化し、そのまま再現、実行するシステム。
だが、それはパイロットに能力以上のスペックを要求するため、肉体に莫大な負荷がかかり、最悪、生命が危ぶまれることもある
「!? 一夏っ!」
目の前に立っていた一夏に斬りかかる。
なんとか左腕で受けたが、それだけで一夏のISが解除されてしまう
ここからだと分からないが、黒いあいつを見て怒っているようで、生身で向かおうとする一夏をシャルルが止めた。
あれは武器などに反応するのか、今の一夏たちを襲おうとはしないため、安心はできるが……
「いや、安心はできないか」
なんせ、あのなかにボーデヴィッヒがいて、最悪死ぬかもしれないという状況だ。
原作なら、一夏が助けるが、ここまでブレイクしてしまっている俺がいるのだ。
この現実じゃどうなるかなんて分からない
「トランザムは……あともって一分あるかないかだな」
ラファール・リヴァイヴに乗った教師たちが駆けつけるなか、俺は一人呟く。
「……なら、助けるっきゃないだろっ!」
サバーニャを駆り、ビットを展開し、俺はやつの意識をこちらに向けた。
「中!?」
「こいつは俺がやる!」
俺を敵と判断したのか、やつも手に持った黒い刀のようなもので斬りかかってくるが、それを簡単に避け、がら空きになった背後からビームを浴びせかかる。
一刻も早く助けないと!
ボーデヴィッヒはやつの胸元にいるはずだ。なら、それ以外のところを全て撃ち抜く!!
「乱れ撃つっ!!」
やつの顔面、両肩、両足を撃ち抜く。
「ハァッ!」
最後に、胴だけになったやつの体をピストルビットの下部に取り付けられたブレードで切り裂いた。
中から現れるボーデヴィッヒを抱え、着地すると同時に、トランザムが修了する
「……ふぅ、よかったよかった」
気絶しているボーデヴィッヒを抱えた俺は一人、そんなことを呟いていた
「大浴場……ですか?」
「はい。 今日から、解禁ですよっ♪」
ボーデヴィッヒを保健室へ運んだ俺は後を織斑先生に任せ、寮への帰路へついていた。
その途中で山田先生に呼ばれて伝えられたのが、男子の大浴場が使えるようになったということだった。
「織斑君とデュノア君にも伝えています。 今日はいろいろありましたから、ゆっくり疲れを取ってくださいね」
それじゃあと去っていく山田先生の後ろ姿を見送りながら、そういえば、一夏とシャルルが一緒に風呂に入るんだっけ、と思い出しつつ部屋に戻る。
大浴場で風呂でもいいが、今日はそれよりも早く寝たい気持ちの方が強いため、さっさとシャワーを浴びて寝ることにする。
どうも、トランザムが終わった辺りから眠気が強くなっているような気がするが、そのへんは加賀さんに聞くのが一番だろう。
というわけで、今日はお休みだ
起きると、筋肉痛だった。あと、怠い
ベッドから動くのも辛かったが、なんとか制服に着替える
これもトランザムの影響なのか、と思ったため、早速加賀さんに電話する。
結果、やっぱり、トランザムのせいだった。
もともと、二十メートル近くあるガンダムが使うものを、ISサイズで使っているのだ。
知らんうちに体に負担がかかっていたようだ。
それに、この学園に来てもうすでに三回も使用している。
それは使いすぎですよ、と加賀さんにも呆れられた。
だって仕方ないじゃん。 まぁ今回のことは反省してるけど。
とにかく、注意するようにと言われ了解と返事を返しておく。
『あ、中君。 クアンタ、もうすぐ完成だよ』
「あ、本当ですか? 」
『ああ。 こっちに戻って来たときに一度乗ってみるといい』
「マジっすか!?」
叫んだら、身体中に響いた。結構痛い
そのまま加賀さんとの会話を終了し、痛む身体に鞭打って食堂で朝食を済ませると教室に向かった。
「……」
「……」
「……え、えっと……ま、またみなさんに嬉しいお知らせです」
戸惑いながらも口を開いた山田先生は立派である。
合図と共に教壇に上った女子生徒。
何をかくそうシャルルである。
「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてだけどよろしくね」
「えっと、デュノア君は、デュノアさんだったということで……」
そしてざわつき始めるクラスメイト。
そして、誰かが言った。
そういえば、昨日、男子って大浴場を使ったんじゃ……
吹き飛ぶ壁。そこから現れたのはISを展開し、怒り心頭の様子の凰だった
「い~ち~かぁ~!!」
まさにカオスである。
ちなみに、俺は筋肉痛で動いておりません。
「ま、待てって!!話を……」
「問答無用っ!!」
放たれる龍咆。そして、仕方なくホルスタービットだけを展開してそれを防ぐ俺
「あ、中! た、助かった!!」
「……おう」
やっぱ、話の流れが変わってるなと思いつつ、怠い体を動かして顔をあげた。
そさて、隣にたつ影に気づく。
ボーデヴィッヒだ
「……身体は大丈夫か……」
「あ、ああ」
「そうか。なら良か……」
襟を捕まれて持ち上げられた。
何をするんだと言えないため、抗議の目を向けようと顔をあげたら……
キスされた
あ、やっぱこうなるのね
「お、お前は私の嫁にする! 異論は認めん!」
クラスメイトの驚愕する声が響き渡った。
とりあえず、クラリッサさん。嫁は間違えてまっせ
後書き
見てわかるとおり、ラウラがヒロインっすね
主人公、シャルロッ党なのにwww
それと皆さん様々な感想ありがとうございます!
よい点悪い点様々ですが、ニシュラの励みになっております。
未熟者ではございますが、よろしくお願いします!
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