転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0947話
マブラヴ世界でのリヨンハイヴ攻略から半月程。ようやく待っていた報告が入って来た。
「それで、最初に行動を起こした国はどこだ?」
「エルベ藩王国です」
レオンの言葉に、捕虜から聞き出した情報を思い出す。
エルベ藩王国。連合諸王国軍にも参戦していた国だな。確か資源が豊富な国だったと思うが……
「資源が理由か?」
「はい、そのようです。帝国が軍を再編するために大量の資源……特に鉄鉱石の類が必要になり、エルベ藩王国に対してかなり強行的に迫ったようです。当然決められた税金を支払っているデュラン国王はそれを断ったのですが、帝国が裏で手を回して王太子を唆して一種のクーデターを企んだ模様です。ただ、連合諸王国軍に参加しての戦いでエルベ藩王国軍は全く被害を受けていなかった為、クーデターはあっさりと鎮圧。その後、王太子の取り調べで証拠が出てきたので、帝国に対して説明を求めたところ捏造という扱いにされ、その罰としてより多くの鉄鉱石を要求。それに我慢出来なくなった国王は……という流れのようです」
「……帝国は馬鹿か?」
レオンの説明に思わず呟く。
帝国軍自体が現在はかなりの被害を受けており、それを建て直すのに大量の鉄鉱石が必要なのは分かる。だが、その状態で高圧的に命令しても従う訳がないだろうに。
そんな俺の呟きに、苦笑を浮かべるレオン。
「そうですね。更に悪い事に、本来であれば多少安かったでしょうが買い取るという形になる筈でした。ですが、エルベ藩王国に向かった帝国の使者はそっくりそのまま資金を自分の懐に抱え込んでしまったようです。それで断られたから、元々父親に対して思うところがあった王太子を唆したという形のようですね」
「上が馬鹿なら下も馬鹿だな」
「ですが、これまでずっと帝国軍という強大な軍事力を背景にして他国を支配してきた帝国です。それを思えば、ある意味当然のやりようだったかと。事実、帝国軍が私達との戦いでここまで疲弊していなければ、恐らくはデュラン国王も従うしかなかったでしょうし」
「……まぁ、そうだろうな」
そもそも、帝国軍を再建するというのにそれを妨げ、余計な敵を作り出す。その程度の事も理解出来ないような奴を使者にする時点で、帝国の皇帝やその周辺の人物の無能さは明らかだろう。
あるいは皇帝自身はそれを知らなかったのかもしれないが、そんな勝手な行動をさせる奴を身近に置いているという時点で皇帝としての罪は明らかだ。
「で、その動きの広がりは?」
「はい。エルベ藩王国は従属国の中でもかなり高い影響力をもっているらしく、周辺数ヶ国と共に同盟を組んで帝国に対して宣戦布告。更にそれを見て他の従属国の幾つかも同様に帝国軍再編の為に無茶な要求をされていたらしく、帝国に対して独立を宣言しています」
「大体こっちの予定通りか。……国力的にはどうなっている?」
「帝国に対して明確に宣戦布告した勢力を一纏めに考えれば、2:8といったところですが」
「……微妙だな」
決して少なくはない戦力だ。それは間違いない。だが、それでも帝国に対して独力で勝ち抜けるかと言えば厳しいだろう。
今は帝国軍の数が減っている為に互角にやり合えているに過ぎない。だが、今回独立しなかった国から搾取して帝国軍の再編が終われば、圧倒的に不利になるのは事実。
正直に言えば、帝国に対して独立を計った国の数が予想よりも少ない。5割……とまではいかないが、3割くらいは存在すると思ってたんだけどな。
いや、様子見をしているところもあるのか。
確かに、実際に帝国に対抗出来るのかどうかが不明である以上、日和見になっている国がいてもおかしくはない。
だが……当然帝国が滅びて、現在の帝国の領土を連合国として治める場合、主導的な立場になるのはエルベ藩王国を含めて立ち上がった国々になるだろう。
特にその中でも、資源国家でありながら最初に事を起こしたエルベ藩王国の影響力が最も高くなるのは確実、か。
もっとも……それも、エルベ藩王国を含めて独立宣言をした国が帝国に勝てればの話だ。そうなると、俺達がやるべき事は決まってくる。
「レオン、ネギま世界から派遣されている魔法使い達に対して独立を宣言した国に援軍として向かうように要請してくれ」
「分かりました。帝国からの独立を決定づける訳ですね。戦力的にはどのくらいにしましょう?」
殆ど考える事なくそう告げてくるレオン。
恐らく、俺に独立戦争の件を報告する前からこうなるのを予想していたのだろう。
「5人から10人ずつでいいだろう。十分な戦力で、その代わり俺達が動いたと帝国に知られないような数で頼む」
まぁ、帝国にしてみればシャドウミラーの戦力はPTを始めとした人型機動兵器であるという認識が強い筈だ。そんな中で魔法使いが独立戦争に手を貸していると言われても、理解出来ない可能性の方が強い。
例外としてはピニャの率いる騎士団がいるが……そこまで発言力があるかどうかは微妙だし、何よりそれを口にしたとしても帝国の上層部に信用されるかと言われれば微妙だろうな。
それに、どのみち俺達と帝国は現在進行形で戦争中なのは間違いない。
今のところ帝国軍は戦力の再編を、そして俺達は帝国の分裂を待っている状態なので自然に睨み合いのような形になっているのは事実だが。
それに最悪、帝国の横暴に我慢出来なくなった魔法使い達が自分の意思で独立しようとしている国々に協力した、とでも言えば全く問題はない。
レオンとしてもそれは理解しているのだろう。小さく笑みを浮かべて頷きを返す。
「では、正義感の強い魔法使いに要請しましょう」
「そうしてくれ。出来れば量産型W辺りを送りたいところだが……」
「さすがにそれは止めた方がいいかと。色々と特徴的ですから」
確かに量産型Wの被っている、顔全体を覆うような形になっているヘルメットは色々な意味で目立つ。
ヘルメットを兜と捉えるのはさすがに難しいだろう。
能力的には生身でもこの世界で十分通用するんだが。
銃の類を使えなくても、当然生身での戦い方は疑似記憶で生み出された時に入力されているし、簡単ではあるが攻撃魔法もある程度使える。
生身での戦いに関しては十分過ぎる程の力を持つのは間違いない。
……これで、エキドナみたいにきちんとした普通の人間の顔だったらな。
取りあえず生身での戦いなんだから、ムラタ辺りを適当に送り込んでみるか。ロゥリィもついていきそうだが……その辺は説得して貰うしかない。
何だかんだでロゥリィは非常に有名だし、そのロゥリィがシャドウミラーと共に行動しているというのはピニャ辺りを通して帝国に知れ渡っていてもおかしくはない。
いや、それだとイタリカに行ったメンバーであるムラタも知られている可能性が高いのか? ロゥリィと行動を共にしているという時点で目立つことこの上ないし。
待て、ならいっそハイエルフを派遣するのは……いや、駄目だな。何だかんだでこの世界でもエルフというのは目立つ。それがハイエルフともなれば、下手をすれば帝国どころか援軍に送った側の従属国に妙な考えを起こす奴が出てこないとも限らない。
「やっぱり今はネギま世界の魔法使いだけだな」
「ええ。私達が裏で動いているというのを帝国に知られる訳にはいきませんから。いえ、正確には帝国にしても、この時期の動きだけに私達が関わっているというのは薄々予想しているでしょう。特に以前こちらにきたピニャ皇女はそれなりに鋭いようでしたし。ですが、それはあくまでも予想でしかありまえん。明確に私達が動いている証拠を帝国に握られるのは止めておいた方がいいでしょう」
「……だが、俺達と帝国は別に講話した訳じゃなく、あくまでもまだ戦争中だぞ?」
現在の戦闘が行われていない睨み合い状態は、あくまでも帝国とシャドウミラー双方の事情から起きた偶発的な出来事でしかない。今も交戦状態であるというのは変わらないのだから、それこそこのまま出撃して帝都に絨毯爆撃を仕掛けても全く問題はない。
……まぁ、実際にそんな真似をすれば戦争に対しては無関係の一般市民を巻き込む事になりかねないし、そうなると他の世界――特にネギま世界――から不満が続出するのは間違いないからやらないが。
「そうですね、確かに現状では未だ交戦中です。ですが、その状態であっても敵に見せる弱みは少ない方がいいでしょう? 後の講和交渉の際につまらない事で足下を見られるのは面白くないですから」
「……まぁ、そうだな」
そもそも、門世界とマブラヴ世界。この2つの世界の騒動を同時に片付けていくという今の状況では、門世界の状況は結構ありがたい。
マブラヴ世界の方でも、現状ではハイヴ攻略以外だとシャドウミラーの必要性は小さくなってきているんだから、いざとなればどうにかならない訳でもないんだが。
そんな風に考えつつ、レオンと幾つかの方策を話し合って独立するべく帝国に宣戦布告した国へ密かに援助する事を決めてから、一先ずその場は解散となる。
一応門世界の帝国との戦いは、あくまでも異世界間連合軍での戦いだ。
実際にシャドウミラーが主導権を握ってはいても、大きな方策を決める時には他の世界の者達の意見を聞いたりする必要がある。
恐らくはないと思うが、ギアス世界、SEED世界、ネギま世界、マクロス世界の全ての世界がこちらの提案に反対する場合、色々と面倒臭い事になりかねない。
微妙に嫌な気持ちになりながら門を潜ってホワイトスターの旧交流区画から門世界のアルヌスの丘へと向かうと……
「あぁ、アクセルさん。丁度いいところに来てくれました」
そんな風に声を掛けてきたのはオウカ。
俺に対して色々と思うところもあるんだろうが、公私混同はしないとばかりに近寄ってくる。
「どうした?」
「それが、コダ村という場所から来た人がここの責任者に会わせて欲しいと」
「……コダ村?」
聞き覚えのある村の名前。
確かホドリュー達ハイエルフが交流していた村だったか。
一応ハイエルフ達がアルヌスの丘の方に来た時に別れは済ませてきた筈なんだがな。
「理由は? まさかハイエルフのように俺達に庇護を求めるって訳じゃないんだろ?」
「そうですね。庇護を云々って訳じゃないようです。何でも私達の事を知りたいと」
「……知りたい、ねぇ」
まさか帝国の回し者か? ピニャからの情報だけではこっちの情報に関しては足りないと判断して、その上で誰かスパイを送り込んだ。……可能性としては十分にあり得るが、コダ村の名前を出すのは不自然だ。
いや、ハイエルフが俺達の庇護下にあるとピニャを通じて知っている以上、その辺から辿ったか?
ハイエルフのような精霊種と呼ばれている存在だ。何より多種族との交流を望んでいたのだから、当然目立つだろう。
そうなれば、ホドリュー達が積極的に交流を持っていたコダ村まで辿り着くのはそう難しい話ではない、か。
「尋ねてきたのはどんな相手だ?」
「その……10代半ばの女の子と、その保護者に見えるお爺さんです」
「また、色々と……」
オウカの言葉で、再び頭が混乱した。
勿論その年代でスパイとして活動している者がいないとは言えないだろう。だが、危険を伴う職である以上、当然相応の技量や経験は必要とする筈だ。
しかも帝国では正面からぶつかれば絶対に勝ち目のない俺達の情報だ。もしスパイを送り込むとしたら、相応に熟練の腕利きを送ってくる筈。
……俺の考えすぎか?
まぁ、本当にコダ村の住人なのかどうかは、ホドリュー達を呼べばすぐに判明するか。
「そうだな、分かった。俺が会おう」
「いいんですか?」
「ああ。ただ、ハイエルフ達の中から誰か連れてきてくれ。コダ村の住人かどうかを確認したい」
「分かりました」
「で、尋ねてきたって2人はどこに?」
「あ、はい。一応基地の第3会議室の方に通しておきました」
第3会議室か、なるほど。
基地の中でも外れの方にある会議室で、もし何かあったとしても騒ぎになる可能性は少ない。オウカの機転が活かされた感じだな。
「分かった。なら早速向かうから、オウカはハイエルフの方を頼む」
「アクセルさん、お気を付けて」
「別に心配する必要はないだろ。この世界の住人が何をしようと俺を傷つけるのは難しいんだし」
まぁ、魔法がある以上は絶対安全とは言えないが。
オウカに軽く手を振り、影のゲートを作り出して第3会議室の前に出る。
すると会議室の前では、量産型Wが扉の側で待機していた。
なるほど。もし訪ねてきたのがスパイだったりした場合、すぐ対応出来るようにオウカが配置したのだろう。
「ご苦労」
量産型Wにそれだけを告げ、扉の近くに移動すると自動的に扉が開く。
そして会議室の中にいたのは、オウカの言う通り10代半ば……どちらかと言えば10代始めといった方がいいような年齢の少女と、60歳は確実に超えているだろう老人だった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1167
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