| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

黒死病のイロイロ倉庫。( ..)φメモメモ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

≪黒死病の叙事詩≫小話
  アスナの憂鬱 その弐 没案 VSスバル

 
前書き
アンケートで外れたほうのストーリー。
友人と話して、そういう時は主人公でいいじゃんとなったので書き進めておりましたが、インディゴさんが見たいという要望で、この案を破棄。
まぁ私もインディゴさんをかねてから戦わせたかった、というのもありまして。バトルスタイルを見せるいい機会になるでしょう。最近はパソコン(ゲーム)が復活してだらけ気味ですが、生放送でもしてモチベあげようかなぁ。

推敲前の下書き的状態です。仕上げがなってないので、文が完成していません。

インディゴさんが見たいという意見は良い後押しになりました。ありがとうございました。 

 
 アスナの解は至ってシンプルだった。当初の目的どおり、スバルというプレイヤーを見極めることにした。スバルの武器は特性上、一撃で命の危険が発生するが、純粋な決闘(デュエル)ではアスナのほうに分がある。致命の一撃を回避することに専念しても、アスナの優位には変わりないほどに≪手甲剣≫という武器は難点が多い。武器ジャンルそのものに欠点が多いとまで言えよう。アスナはスバルとのデュエルを申し込んだ。スバルの方角から電子的な鈴の音が聞こえた。

 スバルの眼前にウィンドウが出現し、それを見ていたインディゴが苦々しい笑みを浮かべながら自身のウィンドウを素早く操作した。ゲーム特有の効果音を奏でながら、何かしらのアイテムがインディゴのグローブの上に落ちた。

 暫く彼女は惜しそうに掌を眺めていたが、踏ん切りのついたようにそれをアスナのほうにふわりと弧を描かせながら投げた。アスナが見ると、それは耳飾り(イヤリング)だった。

「それは面白い効果を持っていてね。≪犠牲者の喚声(かんせい)≫って言うアイテムなんだけど、≪最大HPの五割以上のダメージを一撃で受けたときダメージの一部を肩代わりする≫という効果があるのよ。場末の酒場での決闘(ごと)きで命を落としたくは無いでしょう? 保険にでも使うのをオススメするけど?」
「……そうですね。使わさせて頂きましょう」

 アスナはこのアイテムのことを知っていた。とあるモンスターのレアドロップで、増やそうと思えばいくらでも増やせる(たぐ)いの物ではあるが、そのモンスターの経験値効率が悪いので、市場に出回っている総数はかなり少ない。イヤリングを始めとする≪装飾品≫は基本的に何かしらの上昇効果を持ち、代わりに基礎的な攻撃力防御力をまったく持たないという性質がある。その方向性のためにか、効果はやや強力なものが多い。アスナの知識を参照すると≪犠牲者の喚声≫はその中でも頭一つ抜けた性能を誇るが、≪最大HPの五割以上≫≪肩代わりする≫などの制限やデメリットのために癖が強いと言える。かなり攻撃的なレイドボス以外では使用する機会はまずないだろう。

 逆に言えば、スバルの一撃はレイドボスの一撃に匹敵し、場合によっては命を盗られる可能性もあるということに他ならない。彼の連れでもあるインディゴから渡されるせいで、余計にそのイヤリングは気味の悪い真実味を帯びていた。

 ≪装飾品≫を一つ外すのだから、若干の弱体化は免れられないだろう。アスナが自身の変化後ステータスを計算していると、店内の奥で明かりが点いた。そちらを見ると、スポットライトを浴びるミュージシャンのようにスバルが立っている。其処はまさしく、ステージだった。アスナは昔見た西部劇のワンシーンを思い出した。酒場で無法者たちが踊り子を見ながら下卑た大笑いをするシーンだった。幼いアスナは当時、不快感を覚えたものである。あの映画とは違って今は閑散としているけれども。

 ステージは店内の三分の一を占めるほどの大きさで、真昼間の今は酒場を盛り上げる歌手も演奏もなく、ただスポットライトとスバルがあるのみでアスナには目的が掴めなかった。そう思っていると、ステージ上のスバルが、役者顔負けの芝居がかった話し方で声を響かせた。

「上がって来いアスナ、こんな枯れた酒場でも、舞台だけは上々さ。使わない手は無い。そうだろう?」

 戯言を聞き流しながら、アスナはイヤリングを装備する。それとほぼ同時に、眼前に【スバル との1VS1デュエルが受諾されました】のメッセージとその下の六十秒のカウントダウンが出現した。アスナは敏捷度を用いてふわりとステージまで跳躍し、ステージに踊り()でスバルと相対した。視界のカウントはまだ五十秒もある。

 スバルはどう出るだろうか? アスナはほんの数十秒の猶予で作戦を組み立て始めた。一秒でも多く思考したものが勝てる。アスナにとってそれは一つの真実だった。スキルやレベル、相性などの数字的な見地だけが闘いのすべてではない。ヒューマンエラーは必ず起きる。駆け引きに完璧などない。どんでん返しは日常茶飯事……。

 アスナがスバルを見る。彼は、武器すら構えない。これを情報の出し惜しみとする。思考時間を与えない考え。あるべき情報だけでも思考しよう。彼の防具は皮装備、アスナの細剣で突破貫通できる範疇。ならば攻撃箇所を絞る必要はない。確かスバルは右利き、よって武器は右手。≪手甲剣≫の特性はクリティカルボーナス。正中線に沿った急所ポイントの内、胸だけは鉄製の防具で守られている。危険な箇所は≪頭部≫と≪喉≫と≪腹≫だろう。守るべきは喉と腹部、スバルもわざわざヒットの困難な頭部を狙うまい。仮に狙ったとしてもクリティカルが発生するほど深くは斬れない筈。初手はソードスキルを打つべき? 最も回避の困難な剣技(ソードスキル)……。三点の同時攻撃、

 ≪ここで終了。≫
 
 

 
後書き
2000文字程度ですので然程痛くありませんね。4000文字ならともかく。どこにも見せないのは可愛そうなのでここにおいときます。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧