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極短編集

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短編35「オリジナル魔製作」

 子ども時代には残酷な事をよくやるものだ。その中に『オリジナル魔製作』があった。まだナイフを持っていても何も言われない時代。ナイフと瞬間接着剤が主な道具だった。

「見てくれよ、ジャーン!」

 夏の終わりに死んでしまったカブトとクワガタ、その体と頭を切ってくっつけた。

「なにこれすげー!」

 と、あっという間にブームになった。バッタの足とカミキリ虫の体、トンボの羽と女郎グモ。カマキリの腕にカナブンなんてのもあった。でも段々とエスカレートしていった。

「見ろ!ヘビコウモリ」

 ヘビにコウモリの羽が、抜いつけられていた。

「こっちはカエル亀!」

 甲羅からカエルの頭や手足が出ていた。まあ、このくらいで止めれば良かったが……

「ケルベロス造ったぜ!」

「こっちは、(ぬえ)さ。猫をベースに造ったよ」

 血なまぐさい作品が登場した。そして、最悪なものが製作された。

「お前!」

「それ、お前の……妹!?」

「白鳥の羽を手に入れるのが大変だったよ。なあ見てくれよ……



 俺の造った天使をさ!」

おしまい

 
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