極短編集
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短編32「時の刻み方」
ここは保育園。先生が子どもたちに言いました。
「さあ、長い針が12になったら、お片付け!」
毎度の事ですが、子どもたちは……
「え~!まだやりたい」
ある日、時計が変わりました。子どもたちはすぐに新しい時計に気づきました。お片付けの時間になりました。
「さあ~」
と、言う先生の声に、ビクッとする子どもたちが『もうお片付けか~』と思った矢先……
「針の色がピンクになったらお片付け~」
えー!とみんなはびっくりしました。しばらくすると針はピンクになりました!
「さあ今度は、針からバラの香りがしたらお昼寝~」
子どもたちはバラの香りに包まれお昼寝しました。
「起きて~!もう長い針が塩味と、短い針がキャラメル味だよ」
オヤツの前なのに、もう口の中には味が広がり、みんなパッと目を覚ましたのでした。
それからの毎日……
「長い針が光ったら」
「短い針が伸びたら」
「長い針と短い針が軽くなったら」
留まる事なく過ぎる『時』は……
みんなを、楽しませてくれるのでしたとさ。
おしまい
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