リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第百十六話 三大天使の最期
前書き
ケルビモン撃破
アルダモンがオファニモンを倒し、マグナモンがセラフィモンを倒した。
そして最後の1体、ケルビモンと戦っているベルゼブモンは…?
ベルゼブモン[ダブルインパクト!!]
ベレンヘーナによる連続射撃を繰り出すが、ケルビモンはそれを回避し、雷の槍を投擲する。
ベルゼブモン[チッ]
ケルビモン[ヘブンズジャッジメント!!]
ベルゼブモンが回避した瞬間、天からベルゼブモンに向けて雷が降り注ぐ。
ケルビモン[はあああ!!]
そして雷を受けて動きが硬直したベルゼブモンにケルビモンが殴り飛ばす。
そして地面に激突したベルゼブモンに雷を何度も落とす。
ケルビモン[やったか…?いや…]
ベルゼブモン[デス・ザ・キャノン!!]
ケルビモン[まだか…!!]
ベレンヘーナSDXから離れたエネルギー砲を回避したケルビモンは雷の槍を生み出し、構えた。
ベルゼブモン[うおおおおお!!]
ケルビモン[ぐっ!!?]
一瞬でケルビモンの前に肉薄したかと思うと顔面に蹴りを入れ、右ストレートを叩き込む。
ベルゼブモン[ずああ!!]
ケルビモンに反撃の隙を与えないように格闘攻撃を繰り返していくベルゼブモン。
ケルビモン[ぐっ…]
ベルゼブモン[獣王拳!!]
零距離で獣王拳を喰らわせ、ケルビモンを吹き飛ばす。
ベルゼブモン[消えろ…!!]
ベレンヘーナSDXから放たれたエネルギー砲がケルビモンの身体を貫いた。
そしてケルビモンは溶けるように消滅した。
ベルゼブモン[…?]
ケルビモン[ヘブンズジャッジメント!!]
何かおかしいことに気づき、疑問そうに顔をしかめるベルゼブモンだが、天から降り注ぐ雷に気づき、それを回避した。
上空を見遣るとそこにはケルビモンがいた。
ベルゼブモン[なるほど…さっきのは光で造ったコピーか……]
ケルビモン[そういうことだ。これが私が苦しい修業によって手に入れた技でもある]
ベルゼブモン[成る程、他の天使型デジモンと違って妙に戦い慣れているわけだな]
ケルビモン[…私は天使型で唯一の獣型だからな。獣型だからと侮られぬよう、己の力を高めてきたのだ。全てはデジタルワールドを守るために]
賢『もし、そうならお前なら分かるんじゃないのか?今の天使型デジモンのやり方が間違っていることに…』
ケルビモン[……………]
賢の言葉にケルビモンは閉口する。
三大天使としての立場上、闇を擁護する訳にはいかない。
しかし…。
ケルビモン[七大魔王よ。私は、言葉ではああ言ってはいたが闇の存在を全て排除することが正しいことだとは思ってはいない…闇があるからこそ光が存在するのだからな。闇を否定することは光を否定することと同じ]
天使型唯一の獣型デジモンだからこそ、他の天使型デジモンにコンプレックスを抱いていたケルビモンだからこそ過ちに気づけたのかもしれない。
ベルゼブモン[なら…]
ケルビモン[だが、私にも立場がある。三大天使として、組織の上に立つ者として、戦わねばならぬのだ]
しかしケルビモンは天使型デジモンを従える三大天使。
トップのデジモンがそのようなことをすれば組織が崩壊する可能性がある。
そのようなことをケルビモンは避けたかった。
だから自分の疑問から目を背けていた。
ケルビモン[しかし今となってはそのようなことはどうでもいい。光の軍勢は最早半壊状態。もう、光と闇にこだわる必要はなかろう。今は…]
雷の槍を生成し、ベルゼブモンを見遣る。
ケルビモンの闘志に反応し、ベルゼブモンも構えた。
ベルゼブモン[来るか…]
ケルビモン[この戦いに全てを注ぐのみ!!]
ケルビモンがベルゼブモンに雷の槍を叩き込もうとするが、ベルゼブモンはベレンヘーナを交差させ、受け止めた。
ベルゼブモン[残念だ。お前のような奴がもっといればこんな馬鹿げたことにならなかっただろうにな]
ケルビモン[…どうかな?デジモンは誰でも闘争本能を持っている。それを理性で押さえ付けている奴もいるが。所詮私も三大天使であることを除けばただのデジモンに過ぎん]
ベルゼブモン[ふん、面白い。全力で相手をしてやる]
互いの技がぶつかり合い、時折、肉体での激突をしていく。
ベルゼブモン[中々やるな…]
ケルビモン[ふっ…貴様もとんでもない強さだな。…本当に強さとは虚しい物だ。どんなに鍛え上げたとしても必ず上には上がいるのだから…]
ベルゼブモンはダメージは受けてはいないがケルビモンは息を荒くしながら呟いた。
ベルゼブモン[…お前は、俺達が戦ってきた敵の中では上位に入る強さだぞ]
三大天使という地位に驕らず、ストイックに鍛え続けてきたケルビモンの強さは大輔達が戦ってきた敵の中で上位に位置する程だ。
ケルビモン[そろそろ決着をつけようではないか]
ベルゼブモン[…ああ]
雷の槍を構えるケルビモンに拳を構えるベルゼブモン。
ベルゼブモン[………行くぞ!!]
ケルビモン[うおおおお!!]
同時に動き出す両者。
擦れ違うように両者の位置は変わった。
ベルゼブモン[っ…]
ベルゼブモンの右の翼が落ちて行く。
ケルビモンはふっ、と笑った。
ケルビモン[見事だ]
ケルビモンの胸に風穴が開き、間もなく消滅した。
賢『これで三大天使も…終わりか……』
その後、仲間達と合流し、天使型デジモン達のデジタマを回収するのだった。
楽屋裏
大輔「これで三大天使も天使型デジモンも終わりか」
フェイト「天使型デジモンのデジタマはどうする?」
なのは「んーと…どうしようか?」
ユーノ「ゲンナイさんに預けて、デジタマのデータを変えてもらおう。もう、光や闇とかにこだわらないようにね」
はやて「でもそれやったらホメオスタシスに任せた方がよくあらへん?ゲンナイさんやとサボる危険性大やし」
賢「確かにね、今までの所業を考えれば信じろというのが無理な話だ。」
アリサ「全くだわ。はっきり言ってユーノの爪の垢を煎じて飲ませてやりたいくらいだわ」
すずか「いっそのことゲンナイのデータを変えちゃおうよ」
アリシア「すずか、怖いこと言わないでよ…」
ルカ「すずかさんから凄まじいブラックオーラが…」
エリオ「過去も未来もあまり変わりませんね…」
キャロ「うん…」
ルーテシア「本当にね」
スバル「え?すずかさん、未来でもあんな感じ?」
ティアナ「変わらないのはいいことなんだけど…」
ギンガ「ブラックオーラを放つのは止めて欲しいなあ…」
一輝「…過去も未来も変わらないとか恐ろしい奴らだ。」
遼「さてと、後は現実世界に帰るだけか」
大輔「そうですね…長かったなあ…」
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