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歌集「春雪花」

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16



 霧散せし

  優しさ如何に

    代えしむる

 凍えし躰に

   寄り添うものなく



 心が磨り減り、段々と優しさが消えて逝く…。冷たく凍え切ったこの躰を温めてくれるものは無いのに…どうしたら優しさを戻せるのか分からない…。



 春雨の

  夜に降り落つる

   音を聞き

 一人の苦痛に

      唇を噛む



 肌寒い春の雨が降っている。その音が無性に淋しく、一人であることを実感させ、君の居ない淋しさに唇を噛み締めた…。

 辛い…。


…教えてほしい…。





 
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