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歌集「春雪花」

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15



 込み上げし

  淋しさ胸に

    抑え込み

 振り返りしも

    影もなかりき



 淋しいと思う気持ちが溢れてどうしようもない…。しかし、それを誰かに悟られてはいけない…。
 無理に胸の奥へと押し込めはしたが、ふと彼が居るような気がして振り返った…。そこには無論、君は居るはずもない…。
 ただ…君が居た記憶だけ…。



 苦しみに

  笑みぞ絶え果て

   涙する

 日々ぞ翳りて

   いつぞ終えしや



 ただ苦しいだけの毎日に、笑うことさえ儘ならなくなってきた…。
 彼を思って涙する日々は、いつかは過ぎ去って終わるものだろうか?

 誰か…教えてほしい…。





 
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