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ドリトル先生と学園の動物達

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第十一幕その十

「君達も帰るんだ」
「お家でくつろいでいるよ」
「暫くの間ね」
「だから先生だけでね」
「楽しくしてね」
「そうだね、丁渡神社に来たし」 
 それで、と言う先生でした。動物の皆の言葉を受けて。
「ここを観て勉強しようかな」
「日本の神社のことをですね」
「はい、そうしようと考えています」
 先生は日笠さんにも答えました。
「いい機会ですので」
「ではご案内させて頂いて宜しいでしょうか」
 すぐにでした、日笠さんは先生にこうも言いました。
「私が」
「そういえば神社のことにお詳しいのでしたね」
「この神社については」
 八条神社のことについて、というのです。
「何度もお参りしていますし」
「だからですね」
「ですから宜しければ」
「わかりました、それでは」
 先生は日笠さんの提案に応えてです、そしてなのでした。
 あらためてです、日笠さんに言いました。
「案内をお願いします」
「それでは」
「じゃあ先生宜しくね」
「神社回ってね」
「日笠さんと一緒にね」
「そうさせてもらうよ」
 先生は動物の皆の明るい言葉に笑顔で応えました、そしてなのでした。
 皆がそれぞれ帰るのと見届けてからです、日笠さんと二人で神社の中を観て回りました。そしてその後で。
 お家に帰りました、しかしなのでした。
 動物の皆は先生が帰って来てです、少しびっくりして言いました。
「あれっ、ちょっと早いね」
「もう少し時間がかかると思っていたのに」
「もう帰ってきたんだ」
「少し早くない?」
「ううん、そうかな」
 先生は迎えてくれた皆に首を傾げさせつつ応えました。
「早いかな」
「ひょっとして神社回っただけ?」
「それだけ?」
「そうだけれど」
 まさにそうだと答える先生でした。
「それがよくなかったのかな」
「だからね」
「そこでなんだよ」
「神社を一緒に巡るだけじゃなくて」
「もっとなんだよ」
「プラスアルファがないと」
 駄目だというのです。
「喫茶店にも行くとか」
「商店街も回るとか」
「それか大学に戻ってお話するとか」
「そうしたことがないとね」
「駄目だったんだよ」
「ううん、そうだったんだね」
 言われてやっと気付く先生でした。
「じゃあ今回は」
「かろうじて、かな」
「デートはしたし」
「まあ合格?」
「不合格に近いけれど」
「それでもね」
 皆辛口に言います。
「そこまでしただけでも」
「まだいいかな」
「先生にしては上出来だよ」
「女の人と付き合ったことがない人にしてはね」
「それでここまで出来たっていうのは」
「いいことよ」
「合格は合格よ」
「曲がりなりにもね」
「何か色々言われるね」
 先生は皆に苦笑いで返しました。 
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