魔法少女リリカルなのは ~Emperor of the ⅣGOD~
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運命は定められているものなのか
前書き
連続2話更新です。
時間もあり、今までのぶんを埋め合わせしたいと思っているんですがまだまだ足りませんね。
すみません。どうか暖かい目で読んでください。
―――――リリリリリリリッ――――――――
「...........ん..............................Zzzzz。」
けたたましい目覚まし時計の音で俺は目覚めた。が、いつもより身体が重く、俺は二度寝をすることにした。ちょうどいい寒さがすぐに眠気を誘い暖かい布団がまた俺を深い眠りにつくのを手伝ってくれる。意識がそのまま持ってかれるであろう____
ドッゴンっ!!
「ぐっどぅもぉぉぉおおおおおにぃぃんぐぅぅぅぅぅぅ!!!!んまぁい、ぶらざぁぁぁぁぁぁぁ!!!!HAHAHAHAHAHAHA!!!」
「ぬあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
危険を感じてベッドの右斜め下を素早く寝返りをうつことで巨体より繰り出されるサマーソルトプレスを寸でのところで回避する。さっきまで俺がいたベッドは、木造の丈夫なベッドなんだが、見事にひしゃげている。これで5代目のマイベッドが兄貴のサマーソルトプレスの餌食となってしまった。
飛び起きた。うん、命の危機を感じたよ兄貴。今日も素晴らしい寝覚めだよ。また俺の部屋の扉はダメージを喰らったね...。
「なぜだぁ??なぜおれのハグを避けるんだ!!ともよ!!!!!」
「だから兄貴のスキンシップはどれも、全部、命がけなんだってば!!!!!そんなの毎日やってたら身体と精神がもたないよ!!!!?それとそれはハグじゃなくてベアハッグだからね!!!」
「この前より言い回しが酷いっ!!???」
今日の俺の朝はいつも通り兄貴にツッコむところから始まるのであった。
まずいつも通りなんとか朝稽古終わりの兄貴を風呂まで行かせてから自分の身支度を整える。学校に行ける準備が終わったら、廊下を出て縁側に行きリビングまで行くんだけど、縁側には珍しくじいちゃんではなく俺のばあちゃん、空野 レイナ(からの れいな)がいた。高齢にしては肌のつやがよくとても綺麗なおばあさんというのが俺のばあちゃんの第一印象だ。落ち着いた物腰で和風には不釣り合いとよく言われるブロンドの髪が庭の景色とよく合う。ばあちゃんは普段近くの神社でお守りを売ったり、境内の掃除をしたりと神社勤めなので土日以外で朝にみかけることは少ない。今日はお勤めはないのかな?縁側でなにやら考え事をしているようだ。
「ばあちゃ...ん?」
声をかけようとしたらばあちゃんはなにやら誰かと話している最中だったようだ。話している内容が気になったので隠れて聞き耳を立てていると、
「やっぱり昨日の騒ぎはあれですかね。私が日本に来たとき持ち込んでしまったロストロギアの欠片がまた暴走してしまったのでは。」
「――――――――――。」
「でも、私.....実は、あの欠片どこかに落としてしまったようなのです。」
「―――――――――!?」
「はい、昨日から見当たらなくて。サブロウさんにも聞いてみたのですが。」
「――――――――――。」
「はい、あとは聞いていないのはトモだけですがあの子は昨日も無事帰ってきておりますし、あなたもこの家であの子の行きと帰りで状態を確認していますでしょう?」
「―――――――――。」
「はい、一刻も早くジュエルシードを見つけてこの町の安全を確保しなければ。」
―――――――なっ!?なんだって、今ばあちゃんジュエルシードって.......。なんでばあちゃんがジュエルシードのことを知っているんだ?それに今、話している相手は誰なんだ?見たところばあちゃんしか今縁側にはいないはずなのに。ちょっと気になるな。よし、なるべくばれないようにばあちゃんに誰と話していたかだけでも教えてもらおう。
「ばあちゃん、おはよ~。」
「あら、トモ!おはようございます。今朝は早いですね。今から学校ですか?」
「うん、ご飯食べたらもう学校行くつもりだよ。ばあちゃんこそ今日は神社のお仕事いいの?」
「今日は少し探し物があったので、神社に連絡をして朝はお休みをもらったのです。ちょうどいいところにきました、トモ、小さいころに見せた私のペンダント覚えてますか?」
「ペンダント......?」
「はい。青色のちょっと濁った色した宝石のようなものです。」
思い出した。なんで昨日ジュエルシードに聞き覚えがあったのか。昔、ばあちゃんにこれは何?って聞いたときに教えてもらったんだ。
『これはですね、ジュエルシードという宝石で私のとても大切なペンダントなのです。これは私以外の人が持っているととても不幸なことが起きてしまいます。だから、常に身に着けているのですよ。トモもお願いですから勝手に持ち出したりしないようにしてくださいね?』
ばあちゃんは人の手に渡ったらジュエルシードが害を及ぼすってことを知っていたんだな。だからいままで自分で人の手や他の者の手から遠ざけてたんだ。
「トモ?聞いていますか?」
「え、なに?ばあちゃん?」
「ですから、私のペンダントの話です。もし、見つけたらすぐに私に届けてください。他の人にだけは触れさせてはいけません。いいですね?」
「うん、わかった。」
「トモはお利口デスね。話が分かる子です。」
返事をするとばあちゃんは途端に笑顔になった。ばあちゃんは何年も歳をとっているがいまだに日本語に慣れていないとよく言っていて、時々気を抜くとカタコトになるときがある。
「ところでばあちゃん。いまさっき誰かとお話ししてなかった?」
「えっ?なにか聞きました?」
ばあちゃんの顔が一瞬曇るのがわかった。あまり関わらせたくないという顔をしていた。だから俺は安心させるように
「ううん、話し声が聞こえただけでなにを話していたのか聞こえなかったんだ。誰かいたの?」
するとばあちゃんは安心したような声で
「いいえ、外の小鳥さんたちに一人語りをしていたのですよ。」
と笑いかけてくれた。それ以上、俺は何かを聞き出せる気がおきなかったので「そっか」と言ってこの話を終わりにした。そのあといつも通り家族みんなで朝ごはんを食べて俺は学校へと向かうのであった。
「やはりトモも資質があるのでしょうかね。私の子孫には魔法の力とは関わってほしくはなかったのですが...。運命でしょうか。」
レイナは悲しげな声で先ほどのように一人語りをしている。
「もし、危険が迫っているのだとしたら私はまた戦いに身を置かなければいけないのかもしれません。」
そう決意するように語っているとその声に応えるものがあった。
《ソノ必要ハナイゼ.俺ガココにイルンダカラナ.》
そう応えたのは機械的なカタコトの言葉をしゃべる空野家上空に浮かんでいる謎の宝石だった。
______________________________________________
俺が学校につくといつもの定番、徹のお願い攻撃に遭うことになってしまった。
「頼む、とも!宿題見せてくれぇ!」
「ああぁもう、徹!なんで自分でやってこようとしないのさ。昨日もそれで怒られたんでしょ?」
「てへぺろっ☆」
「本当に今それを俺の目の前でやらないで。ちょっと怒りそうだから。」
「そんなことを言わずにさぁ。頼む!!結局昨日見せてもらってないし。な!」
「.......次持ってこなかったら?」
「今度ともの好きなお菓子をおごる!!」
「はい、だめ~。うちの兄貴の技を一回受けるに決定ね。」
「げぇ!!?それは勘弁願いたいぜ。」
兄貴の技と聞いただけで青ざめる徹。相当嫌なのだろう。俺だってそんなのできることなら受けたくはないさ。まあ、次から忘れたら強制的にこの罰ゲームを受けてもらおうかな。
徹に今日の宿題をしかたなく渡して罰ゲームの取引をしていると向こうのほうからなのはがこっちに歩いてきた。
「おはよう、なのは。」
「おはよ~、昨日はありがとう。たくさんお世話になっちゃったね。」
「どういたしまして。そんな大したことしてないけどね。」
「ううん、ともがいてくれてほんとに助かったよ!何度も助けてくれたし。」
そういって少し興奮した様子で詰め寄ってくるなのはに若干、俺は驚いて
「そ、そう?それはどうも?」
なんて間抜けな返事をしてしまった。
「なになにぃ?昨日二人でなんかあったの~?」
とアリサがよってきた。
「べ、別になんにもないんだよ。ただ昨日ともがユーノ君を見つけるのを手伝ってくれただけで、他になにもなかったよ。」
(なのは、その言い方だとアリサが...)
「あっやしいぃ~。なにかあったのね?そうなのね?ほらほらぁ教えないさいよともぉ。」
(ほらね?)
「なんにもなかったってば~。あははは~。」
「そうだよ、ユーノを見つけたあと家まで送っただけであとはなんにも。」
「そうやって否定するのが怪しいわね~。ダメよ、白状するまで聞き続けるんだからね!」
にししといじわるそうな顔してなのはと俺を質問攻めにしだすアリサ。あとからきたすずかがなだめようとしてくれるものの一向に収まらない。困ったな~と思っていると俺たちを助けてくれたのは時間の味方学校のチャイムだった。不満そうな顔して自分の席に戻るアリサをみながら俺となのはとすずかはやれやれと苦笑いするのであった。チャイムと同時に徹の「終わった!!」という声が聞こえたのであとでノートをすぐに返してもらおう。
授業を普通に受けていると俺の頭の中に急にユーノの声が聞こえた気がしたからハッとなったが、空耳かなと思って聞き流しているとなのはの声も聞こえたのでえ?と思ってなのはのほうを見ると本人は口を開いていない。
もしかして、心の中に話しかけれる魔法でも使っているのかなと思いその話に聞き耳を立てることにした。
二人の話を聞いているとジュエルシードはユーノの住んでいる世界(どうやら外国ではなく異世界のようだ)でユーノは遺跡の発掘作業を仕事としていて、その作業中に発掘してしまったのがジュエルシードだそうだ。ジュエルシードは全部で21個あるようで、それを運んでいる最中に貨物船がなんらかの事故に遭ったらしくその影響で俺たちの住んでいるこの世界に散らばってしまった。
ということらしい。自分が発掘していなければこんなことにならなかったと考えていたユーノは責任を感じ、一人でこの世界にきたようだ。それを聞いたなのはは自分もジュエルシード探しに協力するという考えを伝えていた。そう会話を聞いているうちに学校が終わってしまった。
帰り際になのはにさっき話していたことを聞いてみることにした。
(あれ?もしかしたら俺もなのはたちみたいに心の会話ができたりするのかな?よしちょっとユーノに話しかけてみようかな。)
『あーあー、聞こえますか~?こちらともです。ユーノ、聞こえますか~?』
『!?ともっ!?え?なんで念話が使えるの!?』
『え?おかしいの?なんか学校の間ずっとなのはと話しているのが聞こえてたからユーノが俺にも資質はあるって言ってたしできるかなぁって思って試してみたんだけど、できたみたいだね。』
『そんな、いくら資質があるとはいえデバイスなしで念話が使えるなんて.....。』
ユーノが驚きの声をあげている。そんなにめずらしいのだろうか?よくわからないけどなのはにも話しかけてみよう。
『なのは~、こちらともです。聞こえますか~?』
アリサたちと帰ろうとしていたなのはがびくっと肩を震わせた。こちらを向いていたので念話とやらで話しながら手を振ってみる。
『そうそう~、こっちこっち。聞こえてるみたいだね。』
『ふぇ!?なんでともがこの魔法使えるの!?』
『それがよくわかんないんだ。授業中ずっとユーノとなのはが話しているのが聞こえてたからもしかしたらと思ってやってみたんだよね。』
『えぇぇ!?あの会話聞いてたの???』
なぜか恥ずかしそうにその場でうつむくなのは。確かに盗み聞きみたいで正直よくないかな~とは思ってたけど聞こえてくるものはしょうがないんだよね。するとユーノが
『ちょっと驚いたけど、聞いてもらえてたのなら話が早い。とも、君にもできるならこれ以上迷惑はかけたくない。昨日のことは忘れてもらっても...。』
『忘れないよ。』
『えっ?』
『大変だったとはいえ、とっても貴重な出会いをしたんだ。これを忘れることなんて俺にはできないや。ユーノとはもっと仲良くなりたいし、俺にもなにか手伝わせてよ。何ができるかわからないけどできそうなことはユーノが俺に指導してくれるとうれしいな。それになのは一人を危ない目に合わせるわけにはいかないよ。』
『とも.....ありがとう。それじゃあこれからもよろしく。今考えてたんだけど念話ができるならもしかしたら簡単な魔法なら僕も教えてあげられるかもしれない。』
『うん、改めてよろしくユーノ。あれ?なのは?どうしたの?』
なのはがボーっとこっちをみているのでなのはのほうを見ながら念話で話しかけると
「え、え?ううん、なんでもないよ!!!」
「?なにがなんでもないのよ、なのは?」
「なのはちゃん、急にどうしたの?」
「ふぇえ!?」
なのはは間違えて念話ではなく普通に声で答えてしまったので一緒にいたアリサとすずかに首を傾げられてしまっていた。それで慌てふためくなのはが面白くて俺も一人で笑っていると
「なぁに一人でにやけてんだ、とも?気持ち悪いぞ?」
徹に気味悪がられてしまった。やれやれ。
話していた通り、ジュエルシード探しはなのはの時間が空いているときにすることにした。俺は普段、特別何かをするという用事もなかったので空いている時間はユーノから魔法を教わることになった。今日も一旦、それぞれ家に帰ってからまた落ち合ってジュエルシードを探すための計画を立てることにした。
「やっぱりばあちゃんにジュエルシードのこと話しておいたほうがいいかな...。ん?そういえばばあちゃんは日本に来たときにジュエルシードを持ち込んだって言ってたな。ばあちゃんとじいちゃんが日本にきたのは俺の生まれる前だから........。!?」
おかしい、絶対におかしいよ。俺が生まれる前ってことは少なくとも何十年前とかなのにユーノがジュエルシードが行方不明になって探しに来たのがつい先日の話........。やっぱり話がかみ合わない。いったいどういうことなのだろう。気になったのでユーノに念話してみようと思ったとき、ぐらぁと世界が揺れた気がした。一瞬、時が止まって自分が違う時間にいるような感覚に襲われたのだ。その感覚がなくなった後すぐになのはの声が聞こえた。続いてユーノの声も。
『ユーノ君、とも今のって!?』
『新しいジュエルシードが発動している....、すぐ近く!』
『どうすれば!?』
『今、ジュエルシードがある場所にいちばん近いのはたぶん俺だよ。一応様子見で先に行ってるよ!』
『わかった!気を付けて、君にはデバイスがないんだからね!』
『とも、無茶しないでね!すぐに追いつくから!』
『大丈夫、任しといてよ』
そういって念話を終わらせると俺は全力でジュエルシードがある方へ向かった。
たしか、こっちを曲がった先だから.....ってあれ?こっちは..........まさか..............。
ばあちゃんが務めている神社...............?
___________to be continue____________
後書き
第5話終了いたしました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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