リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第百一話 選ばれし子供達始動
前書き
本格的にダークマスターズを撃破しに向かう子供達。
ルカ「リリカルアドベンチャー、始まります」
デジタルダンジョンでの約二年間の特訓を終え、心身共に大きく成長した子供達。
ピラミッドを出て、外に出ると…。
大輔「久しぶりの外だな」
フェイト「外に出られることがこんなにも気持ちいいなんて…」
はやて「私らも以前の何倍もパワーアップしたんや。ダークマスターズなんかちょちょいのちょいや!!」
賢「油断は大敵だよはやて。キャロ、ルーテシア…ジョグレスを頼めるかい?」
キャロ「はい!!」
ルーテシア「任せて師匠!!」
エア[行くぞグランス!!]
グランス[うん!!いきなりブラックインペリアルドラモンで行こう!!]
エア、グランス[[ジョグレス進化!]]
エアとグランスがジョグレスし、一気に究極体のブラックインペリアルドラモン・ドラゴンモードに進化する。
大輔「やっぱりブラックインペリアルドラモンはでかいな」
フェイト「これなら全員が乗れるね。」
ブラックインペリアルドラモンが全員を乗せると飛翔した。
Bインペリアルドラモン・DM[それで?最初は誰を倒すんだ?]
ブラックインペリアルドラモン・ドラゴンモードが大輔達に問う。
大輔「そうだな、ムゲンドラモンはスバルとギンガ達が倒しちまったし、メタルシードラモンから行くか?」
賢「まあ、それが一番妥当だろうね」
すずか「メタルシードラモンはドラモン系のデジモンだけど、サイボーグ型でもあります」
ルカ「有利に戦いを持ち込むならサイボーグ、マシーン型に強いスバルやドラモン系に強いギンガを主軸にした方がいいですね」
大輔「だな、スバル、ギンガ。任せていいか?」
スバル「任せて!!」
ギンガ「うん!!」
クロアグモン[特訓によって本来…いやそれ以上の力を身につけたからな。今ならメタルシードラモンごときに負けはせん]
アグモンX[僕だって!!スバルと力を合わせればどんな敵でも倒せるよ!!]
ユーノ「そりゃあ、心強いや」
一輝「さあ、メタルシードラモン退治といくか」
遼「ああ」
ブラックインペリアルドラモン・ドラゴンモードが、メタルシードラモンのパワー反応を探しながら、凄まじいスピードで飛行する。
メタルシードラモン[選ばれし子供達はまだ見つからないのか!!?]
[は、はい!!今、ディープセイバーズ総出で捜索しているのですが…]
メタルシードラモン[言い訳など聞きたくもない!!早く選ばれし子供達を見つけて来い!!]
[は、はっ!!]
敬礼するハンギョモン。
メタルシードラモンは苛立ちが頂点に達していた。
ダスクモンと言う世代では格下のはずの成熟期デジモンにいいようにあしらわれてしまったという事実がメタルシードラモンがメタルシードラモンを苛立たせた。
[メタルシードラモン様!選ばれし子供達がこちらに向かって来ています!!]
メタルシードラモン[何だと?]
[凄まじいスピードでこちらに迫って来ています!!]
メタルシードラモン[ふふふ…わざわざ自分達から死にに来たか!!]
メタルシードラモンは知らない。
時間の概念のない異空間で極限まで鍛え、心身共に以前とは比較にならないくらい力を上げていることに。
メタルシードラモン[私自ら相手にしてやる!!この海で私に挑んだことを後悔するがいい!!]
メタルシードラモンは海から出て選ばれし子供達と対峙する。
大輔「よう、久しぶり…と言ってもお前からすれば会ってまだ時間があまり経ってないんだよな」
フェイト「私達からすれば二年ぶりでもメタルシードラモンからすれば一日しか過ぎてないんだよね」
メタルシードラモン[何の話だ!!まあいい、ダスクモンは何処だ!!前の借りを返してやるぞ!!]
エリオ「名指しされてるよダスクモン?」
ダスクモン[断る。俺は雑魚と遊ぶ趣味は持ち合わせていない]
メタルシードラモン[何だと!!?]
スバル「そうだそうだ!!」
ギンガ「お前達を倒すのは私達なんだから!!」
ダスクモン[…貴様は絶対にこいつらには勝てん。もし勝てたなら俺が相手をしてやろう]
メタルシードラモン[…いいだろう…!!奴らを消した後は貴様の番だ!!アルティメットストリーム!!]
クロアグモン[クロアグモン進化!ブラックウォーグレイモン!!]
メタルシードラモンの砲撃をブラックシールドで防ぐとブラックウォーグレイモンとメタルグレイモンXがメタルシードラモンに向かっていく。
メタルシードラモン[究極体の模造品と完全体風情が私と戦おうなどとは愚かな!!]
大輔「愚かはてめえだ。」
賢「そういう慢心が敗北を招く。」
メタルグレイモンX[トライデントアームVER9.9!!]
メタルシードラモン[馬鹿が!!同じクロンデジゾイド合金だ!!完全体の攻撃程度で…がああ!!?]
メタルグレイモンXの必殺技をわざと受けることで力の違いを見せ付けようとしているのだろう。
しかしそれはメタルシードラモンにとって致命的な失敗であった。
スバルのIS…インヒューレントスキルの振動爆砕は接触時に高振動を発生させ、対象を破壊する。
物理的にもそうだが、内部に機械を埋め込んでいるサイボーグ型やマシーン型デジモンに対して絶大な威力を誇る。
メタルシードラモンはドラモン系のサイボーグ型、ならば充分スバルのISの通用する相手だ。
大輔「言ったろ?愚かはてめえだ」
Bウォーグレイモン[ドラモンキラー!!]
ドラモンキラーをメタルシードラモンに向けて振るい、一瞬で細切れにした。
細切れにされたメタルシードラモンは粒子と化して消滅した。
アリシア「やったあ!!」
一輝「ふん、口ほどにもねえな」
ニヤリと笑いながら言う一輝。
そしてしばらくして、地響きが起こる。
アリサ「地震!?」
ルカ「いえ、違います!!この揺れの原因は、あれです!!」
なのは「海が、消えていってる…」
ギンガ「メタルシードラモンを倒した、から…?」
子供達の目の前で、スパイラルマウンテンから海のデータが消えていった。
ブラックインペリアルドラモン・ドラゴンモードは急いでこの場を離脱するのであった。
~楽屋裏~
メタルシードラモン[ば、馬鹿な…この私がまともな戦闘シーンすら書かれず、完全体の一撃で致命傷を負った挙げ句ブラックウォーグレイモンの一撃で退場だと…!!?]
エテモン[オーッホッホッホ!!アチキよりも遥かに扱いの悪い奴がいたわ!!やっぱり上には上がいるものねえ!!(新入りイジメ)]
ヴァンデモン[あれだけ偉そうなことを言っておきながら、たったの二撃であっさり退場か(新入りイジメ)]
メタルシードラモン[ぐ…ぬうう…ん?待て!!]
先輩からの新入りイジメを受けるメタルシードラモンだが、ガブモンX(修業後)となのは(修業後)を見つけ、怨みをぶつけるべく呼び止めた。
なのは「え?」
ガブモンX[何?]
メタルシードラモン[本編では不覚を取ったが、ここではそうはいかんぞ!!]
ガブモンX[ふん、メタルグレイモンの一撃で戦闘不能状態になった癖に…調子に乗るなよおおおお!!(超進化)]
メタルシードラモン[ぬうう!!?]
ワーガルルモンX[お前の時代は1億と2000年の倍の2億と4000年前に終わってたんだ!!楽屋裏でくらい静かにしとけ!!]
メタルシードラモン[我々の時代が終わっただと!!?完全体の分際で!!]
ワーガルルモンX[その完全体に一撃で戦闘不能状態にされたのはお前だ!!カイザーネイル!!]
メタルシードラモン[アルティメットストリーム!!]
衝撃波と砲撃がぶつかり合う。
威力は互角で相殺。
メタルシードラモン[何!!?]
ワーガルルモンX[うらああああああ!!]
メタルシードラモンの顔面に超速連続蹴りを喰らわせるワーガルルモンX。
メタルシードラモン[ぐわあああああ!!?]
凄まじい威力の連続蹴りに流石のメタルシードラモンも苦痛の叫びを上げる。
ワーガルルモンX[キメラモンカオス以下のお前なんかにてこずるか!!どりゃあああああ!!]
尻尾を掴みジャイアントスイング。
そして勢いよく投げ飛ばした。
その落下場所には…デビモン。
デビモン[ん?ぐはああああ!!?]
デビモンとメタルシードラモンが激突した。
なのは『あ…やっちゃった…』
デビモン[き、貴様…]
メタルシードラモン[うぐぐ…こんな所で呑気に立っているからだ…]
デビモン[何だと?]
デビモンのこめかみに青筋が浮かぶ。
メタルシードラモン[邪魔だ!!失せろ雑魚め!!]
デビモン[雑魚?ふふふ…この私にそのような台詞を吐いたのは貴様が初めてだぞ]
メタルシードラモン[まさか成熟期がこの私に挑むつもりか?]
デビモン[フッ…私は馬鹿にされるのは大嫌いでねえ…身の程を弁えない愚か者に礼儀を教えてやろうじゃないか]
メタルシードラモン[馬鹿め!!私と貴様とでは天と地ほどの差があるのだ!!]
デビモン[どうかな?]
はやて「楽屋裏でくらい仲良くしたらどうや?」
ティアナ「あまり散らかすとsetunaさんに怒られ…」
デビモン、メタルシードラモン[[黙れ!!]]
デビモンとメタルシードラモンは同時に怒鳴る。
大輔「は?デビモンとメタルシードラモンが喧嘩?メタルシードラモンはともかくデビモンが喧嘩なんて珍しいな」
フェイト「だよね、大方メタルシードラモンが挑発したんだろうけど?」
スバル「どっちが勝つのかなあ?(元凶その1)」
ギンガ「メタルシードラモンじゃないかな?流石に成熟期で究極体は…(元凶その2)」
ルカ「それはどうでしょうね?」
アリシア「どういうこと?」
ルカの発言の意味が分からず、首を傾げるアリシア。
ルカ「ここは現実とは違うということです」
メタルシードラモン[アルティメットストリーム!!]
デビモン[おっと]
メタルシードラモン[成熟期風情が究極体に私に勝てるものかあああああ!!]
渾身のアルティメットストリームがデビモンに迫る。
デビモンはニヤリと笑った。
デビモン[馬鹿め!!現実ならともかく、この世界でそんな常識が通用するわけがなかろう!!]
空間転移でアルティメットストリームをかわすデビモン。
メタルシードラモン[何!!?]
砲撃を終えたメタルシードラモンの前にデビモンが現れた。
デビモン[死ね!!レザーウィング!!]
紅い極太の光線がメタルシードラモンに炸裂した。
メタルシードラモン[ぐああああああ!!?]
デビモン[ふん、身の程を弁えない馬鹿め]
メタルシードラモン[お、己…]
デビモン[ほう?まだ生きていたか…ではこれはどうだ?]
レザーウィングの連射。
メタルシードラモン[ぬおおおおお!!?]
レザーウィング一発一発の凄まじい威力にメタルシードラモンは必死に避ける。
デビモン[ふははははは!!]
メタルシードラモン[ぐっ…この私が成熟期ごときに…]
デビモン[ふん、この程度か。つまらん…]
メタルシードラモン[な、何だと!!?]
デビモン[その程度の力で今の選ばれし子供達を倒そうなど到底無理。実力の違いを知るのだな]
それだけをメタルシードラモンに言い捨て、翼を広げ、この場を去ろうとするデビモン。
メタルシードラモン[己、私を、私を侮辱するか…!!究極体である私が成熟期の貴様に負ける筈がなーい!!!!]
デビモンの背に向けてアルティメットストリームを放つメタルシードラモン。
デビモン[愚かな…]
空間転移で回避。
そしてメタルシードラモンの砲門に。
デビモン[くたばるがいい…レザーウィング!!]
メタルシードラモン[ぐああああああ!!!!?]
至近距離で光線を受けたメタルシードラモン。
凄まじい轟音と共に大爆発が発生した。
なのは『嘘お…デビモンがメタルシードラモンを倒しちゃった…』
ワーガルルモンX[どういうことなんだ?]
デビモン[簡単なこと。私はこの空間のことを熟知しているだけだ。]
フェイト「どういうこと?」
デビモンの発言に首を傾げるフェイトに大輔が答える。
大輔「つまりこの楽屋裏という名の空間は、02でいう暗黒の海や想いを具現化する世界と似たようなもんなんだ。つまりここでの戦いはメンタル面が物を言う。序盤と終盤の違いがあるとはいえ、大ボスと中ボスのメンタル面の差だな。戦闘力はメタルシードラモンが上でもメンタル面と頭脳とかはデビモンの方が上。」
ルカ「つまりこの世界では世代は関係ないということです」
全員【成る程~】
ルカの言葉に全員が納得したのだった。
~更におまけ~
これは全ての戦いにカタがつき、大輔達が無印&02メンバーと和解…和解したのかなをした状態。
ちなみに。
大輔=11歳(+3、デジタルダンジョン、デジタルワールド冒険期間含め)
フェイト=11歳(+3)
賢=11歳(+3)
はやて=11歳(+3)
ユーノ=11歳(+3)
なのは=11歳(+3)
アリサ=11歳(+3)
すずか=11歳(+3)
アリシア=7歳(+3)
ルカ=9歳(+3)
スバル=7歳(+2)
ギンガ=9歳(+2)
ティアナ=8歳(+2)
一輝=14(+2~3)
遼=14(+2~3)
これがこの話での大輔達の年齢。
賢「はあ…」
深い溜め息を吐いている賢に気づいた大輔が歩み寄る。
大輔「どうした賢?食欲がないのか?」
不思議そうに賢を見遣る大輔に賢も苦笑する。
賢の視線を辿ると、ルカと親しげに話すはやての姿。
大輔「成る程な」
賢「…何が言いたいのかな大輔?」
ニヤリと笑いながら賢を見遣る大輔に賢も冷たい笑みを浮かべた。
大輔「別に。大丈夫だよ。ルカにはスバル達がいるし。ルカとはやては友達以上にはならないよ。他でもないお前がいるんだからさ」
賢「…そう、かな?」
大輔「じゃなきゃ、お前の奥さんになりたいなんて言うわけないじゃないか。」
賢「うん…」
賢の膝を枕にして眠るはやての面影を持つ愛娘のリインの髪を愛しげに梳きながら微笑んだ。
大輔「さて、俺もフェイト達のとこに行くよ。お前も食えるうちに食っとけよ。でないといつこんなご馳走にありつけるか分からないし」
チラリとブイモンを見遣ると、バーベキューの肉を貪り食っている。
クロアグモンも凄まじい勢いで食っているのを見ると食べ比べでもしているのだろうか?
ヤマト「おい」
賢「ん?」
後ろを見遣るとキング・オブ・KY王子タケルの兄のヤマトがいた。
ヤマト「お前今とんでもなく失礼なことを考えてなかったか?」
賢「いえ?」
シラを切る賢。
ヤマト「まあいい。それにしてもはやてちゃん、ルカって奴と仲いいよな」
賢「仲間です。当たり前でしょう」
いきなり何を言い出すんだと、賢は冷たくヤマトを見据えた。
ヤマト「ああいう子は人気あるからな。ほっといたらいずれ誰かに盗られるんじゃないか?何なら…」
賢「…そんなことはさせません。もしそんなことをする奴がいたら僕は黙って平静に見ていられる自信もありません。もし、ヤマトさんがはやてを口説こうとしたらヤマトさんにはこの世界から消えるというそれなりの覚悟があるということでいいでしょうか?」
拳を鳴らし、そう言った賢の目は据わっており、少しも口調は笑ってはいない。
ふざけ半分のヤマトも命の危機を感じた。
太一「好きなら好きって言えばいいだろ?言わなきゃ一生後悔するかもしれないぞ。男は度胸だろ!!」
ヤマト「そうだぞ!!」
賢の肩に腕を回すと諭すように太一とヤマトは熱弁を振るった。
アリサが聞いていたら、“馬鹿”の一言を太一とヤマトに叩き付けていただろう。
賢「はあ……」
二人にエールを貰いながら、何故自分はデジモン界屈指のヘタレの代表とも言える豆腐メンタルのキング・オブ・HE☆TA☆RE(ヘタレ)ブラコン兄貴のヤマトと猪突猛進のシスコンゴーグル兄貴の太一に恋愛相談らしきことをしているのだろうかと賢は首を傾げた。
ルカ「はいはい、馬鹿なこと言ってないで早く行きますよ。」
ヤマト「ぐえ!!?」
ルカは怪力を活かして馬鹿二人の首根っこをむんずと捕まえるとその場から馬鹿二人の身体を引きずり始めた。
太一「お、おい!!離せよ!!」
ルカ「人の恋愛に干渉しようとするお馬鹿さん達にはお仕置きというか教育が必要ですね。僕があなた方を鍛えて差し上げます。そうですねえ…デジタルダンジョンに100~1000年間閉じ込めておくか、それとも火山口の傍ですか?水も何もない砂漠でもいいですし、南極顔負けの寒冷地エリアでも構いませんよ?さあ、この中から選んで下さい」
ルカの口角がいやらしいほどに上がっている。
ついでに目茶苦茶怖い。
太一、ヤマト「「どれも嫌だあああああ!!」」
馬鹿二人の悲痛な叫びが響き渡った。
全員【やれやれ…】
苦笑する全員であった。
後書き
メタルシードラモン、見事な噛ませ犬。
楽屋裏でも成熟期のデビモンに敗北。
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