ドリトル先生と学園の動物達
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第十幕その十
「だからね」
「白が清らかだから」
「大事にされるんだよ」
「要するにいつも綺麗にしていろってことかな」
「そういうことだよ」
「成程ね、そういうことだね」
「そうだよ、ただね」
「ただ?」
「一つ大事なことはね」
そのことはといいますと。
「浄めと反対に穢れ、汚いことはね」
「嫌われるんだ」
「いつも身体を綺麗にすることも求められるから」
「じゃあお風呂は」
「うん、それもいいことだよ」
それもだというのです。
「身体を綺麗にするからね」
「それじゃあ」
「うん、いいことだよ」
こう言うのでした。
「それも浄めだから」
「身奇麗にすることなんだ」
「そうだよ、まあ今はね」
「ただジャイフルさんって人にお会いするだけだから」
「そこまですることはないよ」
具体的に言うとお風呂に入ったりすることはです。
「普通に行けばいいよ」
「じゃあね」
「うん、行こうね」
こうしたこともお話した先生でした、そして。
日笠さんは先生にです、こうしたことも言いました。
「しかし先生は」
「何でしょうか」
「日本の宗教にもお詳しいのですね」
「宗教学にも関心がありまして」
「それでなのですね」
「学んでいます」
そしてです、先生は日笠さんにこのことをお話しました。
「イギリスにいる時も神学を学んでいました」
「神学、キリスト教のことをですね」
「欧州では神学は絶対に避けて通れません」
「学問をされるうえで、ですか」
「はい、絶対に」
それこそです、何があってもというのです。
「これはです」
「まさに全てのはじまりなのですね」
「僕は医者ですが」
つまり医学者です、博士号も持っています。
「ですが医学もです」
「神学からはじまっているのですか」
「欧州ではです」
「それもなのですね」
「そうです、まずはです」
「神学からはじまり」
「他の学問が生まれてきました」
欧州の学問はまさに神学からはじまっていてです、医学もそうだというのです。
「勿論音楽もそうですし」
「芸術もですね」
「文学、哲学、法学、理学、数学と」
「理系もですか」
「神学の影響が強くあります」
「そこは日本とは違うのですね」
「日本の学問も宗教学がありますね」
先生は日笠さんに返しました。
「しかし仏教や神道も」
「神学程強くはないですね」
欧州のそれよりはと答えた日笠さんでした。
「とても」
「やはりそうですね」
「哲学はどうしても宗教と関係がありますが」
人について考えていくものだからです、このことについては東西を問いません。日本もまた然りなのです。
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