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ドリトル先生と学園の動物達

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第十幕その七

「この人がお菓子を。動物達にあげていました」
「そういうことですね」
「それではです」
「はい、すぐにですね」
「この人に会いましょう」
 日笠さんは先生に強い声で言いました。
「そして動物達にお菓子をあげるのを止めてもらいましょう」
「さもないと皆が虫歯になり続けて困り続けますからね」
「是非共」
「それでは大学のですね」
「宗教学部の方に行きましょう」
 このことも決めてでした、そして。
 先生と日笠さんは大学の宗教学部に向かうことになりました、しかし。
 そこにジャイフルさんはおられませんでした、宗教学部のある教授さんがお話するにはです。
「とても研究熱心な方で」
「では今はですか」
「ここにおられずに」
「学園内の図書館や博物館に赴かれて学ぶこともあれば」
 それにというのです。
「フィールドワークにもよく行かれます」
「そうなのですか」
 先生は教授さんのお話を聞いて応えました。
「大学の外の」
「そうです、奈良や京都にもよく行かれます」
「では今は」
「いえ、今は神戸におられますよ」
 そうした場所には行っていないというのです。
「そうなのです」
「そうですか、では今はどちらに」
「神社にも行かれていまして」
「学ばれているのは仏教だけではないのですね」
「最初は仏教だけを学ばれていたのですが」
 それが、というのです。
「日本の宗教は仏教だけではありません」
「神道もありますね」
「我が国の宗教はこの二つの宗教が融合して出来てきました」
「それが日本の宗教の大きな特徴ですね」
「そうです、それでジャイフルさんもです」
 あの人もというのです。
「神道も学ばれているのです」
「そちらもですか」
「もっと言えば神道以外の宗教も学ばれています」
「といいますと」
「天理教等も学ばれています」
 こちらの宗教もだというのです。
「本当に学問に熱心な方です」
「何か先生みたいですね」
 そのお話を聞いてです、日笠さんは先生を思い出してその先生を見つつ言うのでした。
「その辺りは」
「僕みたいですか」
「どうも」
 こう言うのでした。
「そんな感じがします」
「どの辺りが僕に似ているのでしょうか」
「はい、学問に熱心で多くの学問に関心があるところを」
「先生のお話は聞いています」
 教授さんもです、先生に微笑みを向けてお話します。
「医学だけでなく動物学や文学、歴史学とあらゆる学問に精を出しておられますね」
「いえ、それは」
「それはなのですか」
「僕はただ興味があることを学んでいるだけです」
 ただそれだけに過ぎないというのです。
「ですから」
「そうした大層なものではないと」
「そうです」
 こうお話するのでした、教授さんに。
「ですから」
「だからですか」
「はい、そうしたことを言われると」
 どうにもというのです。
「恥ずかしくなるので」
「わかりました、では」
 もうお話しないとです、教授さんは先生に温和な笑顔で応えました。そうしてでした。
 教授さんはあらためてです、先生にお話しました。
「そしてジャイフルさんはです」
「あの方は今はどちらに」
「いつも居場所を伝えてくれる方なので」
 都合のいいことにです、先生達にとって。 
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