ハイスクールD×D大和の不死鳥
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16戦いの後なの
◇ヤマト
地上本部防衛と六課襲撃事件の翌日俺は聖王病院に来ていた。
理由はもちろん地上本部防衛と六課襲撃事件での六課メンバーが入院しているからだ。
今日は二つの目的できている
一つは地上本部防衛、六課襲撃で怪我を負ったヴァイスさんにザフィーラ、ヴィータ副隊長、シャマル先生にエリオ、スバルにギンガさんに『フェニックスの涙』を届ける為で二つ目は六課隊舎に居たくないからだ。
スバルとエリオのいる病室に入るとティアナとキャロがいた
「ヤマト……」
「お兄ちゃん……」
「兄さん……」
どうしてここにいるのかと思っているのと俺の精神面の心配をしているのだろう
「スバルはまだ、起きていないみたいだね」
「うん……」
「はい……」
スバルはあの時の戦闘で重傷を負って意識不明の重体なのだ、それは、ギンガさんも同じだ。
エリオは六課隊舎に戻った際に戦闘機人と交戦し軽傷ですんだ
あの後、戦闘機人は確保されたが輸送中に他の戦闘機人に襲撃にあい逃走された。
「ヤマトは大丈夫なの?」
「お兄ちゃんは大丈夫?」
「兄さんは大丈夫ですか?」
精神面の方の心配なのはわかるがここで、本当のことは言えないな
「俺は大丈夫だよ」
そう言ったがキャロだけは俺の嘘に気づいていた
「エリオ君、食堂いこ?」
「う、うん」
そう言って二人が部屋から出て行く
「二人ともどうしたのよ」
「多分、俺の心配したんだろうな、ヴィヴィオとあんまり年が離れてないから……」
俺に気を遣って二人ともこの場を離れたんだろうな
「そうね、ヤマトの嘘をキャロが見抜いたのよ」
あれ?もしかして嘘がばれていた?
「あたしも気づいていたわよ?」
あちゃーやっぱりばれていたか
「あたしは……「う~ん」す、スバル!?」
ティアナが何かをいようとしたらスバルが目を覚ましたのだ
「ティア…ヤマト…?」
「心配かけ過ぎだ、バカ」
軽く怒った俺
「ごめん、ギン姉が血まみれで……あたし、分けが分からなくなって…」
まあ、そうだろうな。
姉が仲間が血まみれだったらワケが分からなくなるのはよくわかる
「安心しろ、ギンガさんは俺が助けた、まだ、意識は戻らないがな」
「ありがとうヤマト」
「気にするな、仲間を助けるのは当たり前だ」
まあ、俺の『周りは全て俺が守る』が守れなかったけどな
「俺は用があるから戻るけどこれ飲んでおけよ」
俺はスバルにフェニックスの涙を渡す
「これは?」
「それは、フェニックスの涙って言って、どんなに深い傷でも治せる薬だ。大量生産が難しいから主力メンバーにしか配れていないがな」
フェニックスの涙を作るにはかなりの時間がかかってしまう。
「また、来るよ」
俺は病室を後にし病院を後にした
◇フェイト
「なのは?」
「フェイトちゃん…」
何をするでもなく夜空を眺めていたなのはに背中から声をかける。それで初めて気付いたように、なのはは力なく振り返った。
「どうしたの、こんな所で。ヴィヴィオの事…考えてた?」
ヴィヴィオの名前を聞いて明らかに表情を歪めたなのはは、顔を背けて再び夜空を見上げた。
「フェイトちゃんも聞いてたよね…『私は空の人間』だって言った事。」
自嘲気味ななのはの呟き。
空を見上げながらそんな事を言われたらさすがに不安になる。
「なのは、それは…」
「心配しないで、むしろ逆だから。」
どういう意味かと問いただそうとした所で、なのはに制される。
「また墜ちるかも知れない…現実何が起こるかわからないから母親と慕ってくれるヴィヴィオを傷つけたくなくて、ずっと引き取るのを渋ってたんだから…そんな私が、ヴィヴィオが攫われた事にどうこう思うなんておかしいんだよね。かもしれない悲劇の一つが起こっただけなんだから。」
「なのは…」
淡々となのはがそこまで話してくれて漸く、何でああも悲しそうにあの言葉を言ったのか分かった。
私は空を見上げるなのはを後ろからそっと抱きしめる。
エースと祭り上げられるにはあまりに不釣合いな小さな肩から、震えが伝わって来た。
「理屈ではそうだって分かってるのに…全然ダメなの。ヴィヴィオが今頃寂しい、苦しい思いをしてるんじゃないかって考えただけでどうにかなりそうなほど苦しいの。自分の怪我ならあれだけ残酷な理屈を平然と言えたくせに…」
私の腕を引き剥がすようにして振り返ったなのはは、私の両肩を掴んで俯く。
「私…今更こんな事…ごめんフェイトちゃん、ヴィータちゃん、皆…」
「大丈夫、大丈夫だよ…」
縋り付いて泣いているなのはをもう一度抱きしめる。
続く
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