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剣聖龍使いの神皇帝

作者:黒鐡
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第2巻
  新たな彼女立候補者現る

「ここでは俺にとっては暇な授業だが、教える事もあってか疲れるな」

「ですが諸葉様のご指導によっては、七つの門の内一つか二つを開ける事が出来ましたし」

「まあ今頃サツキと静乃はじゃれ合っていると思うし、ホントこの外史は二人の性格が違うから正直安心した」

そう言いながら黒い戦闘服から制服に着替え終えた俺とまるで秘書のように付いて来る護衛者の沙紀は、喋りながら校長室がある教務棟に行っていた。俺らが戦闘している時に、静乃は理事長のとこにいたらしいし一応俺は漆原家の事は知らないフリをしている。理事長もどんな奴かまでは知らないから、どんな関係があるのか知りたいと思っての事だ。終わりのホームルームまで時間が限られるが、俺としてはホームルーム内容はある程度知っているのでパスする事も可能である。廊下を早足で歩いてたら、先輩女子三人組と出くわした。

「あ、灰村君だ!」

たまたま対面を歩いていると一人が声をかけてきたら、他の二人も俺の方を見て呼びかけて来る。全員名前も顔も知らない相手だが、実技授業の直後なのか三人ともソフトメイクをバッチリ決めている。素材は十人並みでも、努力してオシャレして、自分を可愛く見せるのが上手なタイプ。こういう女子達が、得てして一番男にモテたりする。

「昨日もだけど大活躍だったねー。私達応援してたんだよー」

先輩達がきゃいきゃいやってきて、俺を取り囲もうとしたがそこは沙紀の仕事で、すぐに三人の女子生徒の前に出てきた。本来なら廊下で立ち話をしている暇何てないと思うのだが、彼女達に悪気がないのが一発で分かるぐらいだ。

「あまり諸葉様を困らせる行為は私が許しませんが・・・・?」

「ご、ごめんなさい。少し話をさせてほしかっただけだから、ちょっとだけだから」

そう懇願されては沙紀もやれやれという顔をしていたので、沙紀を後ろに下がらせてから改めて女子生徒の会話をしたが俺もまたか~という同じような内容だった。例えば亜鐘学園に来る前からアンセスタルアーツの特訓をしたとか、前世の記憶が蘇るのは何歳の時だとか、前世の記憶が三つあるのはどんな感じというのだった。黄色い声で質問攻め受けるが、こういうのはコードISの時に慣れているのでポーカーフェイスで一つ一つ答えていった。ついでにボディタッチを自然的にしてくるので、沙紀も呆れ顔である。

「俺は知っての通りCB所属だから、特訓とかは特にしてないですよ。それに前世の記憶が蘇ったのは何時?と聞かれても困る質問です。俺は《最も古き神》の戦闘力と頭脳を引き継いでいるんで、二つの前世での記憶とかは記憶媒体だと思えばいいのですよ」

と言う風な感じで質問を答えて言ったのが、逆効果となったのか紳士のようだと全女子生徒はそう思っているらしい。まあこれについては、蒼い翼兼CB所属の桜花と結衣がこの学園に小型無人偵察機を大量にばら撒いたと聞いている。なので俺の話題になるとそうなると報告にあった。あとは学校では有名人となってしまったのは、神皇帝という実力を見せてしまった事だ。学校創立以来初めて、入学直後に「実戦部隊(ストライカーズ)」入りでしかも隊長よりも上の特別顧問。物珍しいというパンダ状態となってしまったので、環境変化が入学当初から変わったのは事実である。

「ねー、ねー、しかも灰村君って教え上手何だよねー?毎日引っ張りダコなんでしょー?」

「灰村君は白鉄でも黒魔でもないのに、とても教え上手と聞いているからあたし達にもレクチャーしてよー」

「代わりにお姉さん達がイイコト教えてあげるから『ごほん、イイコトとは一体?』あ、今のは言葉を間違えた事でして・・・・」

最後に言った奴は、流石に沙紀が止めたけどそれだったらホントに襲っちゃうぞ?と言ってしまう程だ。学年問わず女子生徒に囲まれそうになっては、沙紀が前に出て。

『質問なら二列となって並びなさい』

俺のハリセンを持ってそう言ったらホントに二列になって並ぶ程だった。まあ俺のハリセンの怖さはこの二ヶ月で、大きく変化があってからは見せるだけで囲むのをやめて撤収する程だ。男子も最初は嫉妬や憎悪だったが、俺が男子でも女子でも関係なく、教えたのでいつの間にかそのような感情が無くなったと言っていい程。

「申し訳ないが、今は予定は埋まっているのでまた今度で宜しいかな?御嬢さん方」

「「「きゃーホントにモテモテで紳士で執事みたいだー」」」

という黄色い歓声ではなく悲鳴に近いのを上げてた。俺が執事みたいに話しかけると大抵こうなる。三人の女子生徒は、眼中にないだとか実戦部隊の予備隊員にもなれないのか悔しいとか。軽い気持ちで話しかけているからなのか、先輩達はまともに取り合わないが全くと言っていい程ショックでもなさそう。急いでると言ってから、三人に手を振った後に校長室に向かう俺と沙紀。出入り口をノックした。

「どうぞなのです」

中から可愛い声が返ってくるが、幼い声でこの世に天使がいて喋ったらこんな風だと聞こえる愛らしい声。しかもクリアボイスだから、俺と沙紀はもしかして?と思いながらも入室許可が出たので堂々と入った。

「失礼する」

俺はいつも通りな感じで入室すると、やはりというか校長先生の隣にいる子だった。歳は分からないが、十歳くらいの女の子でニコニコしながら俺を待っていたようだけど、まるで鞠を思い出すなと思った。校長をそのまま幼児化して、金髪碧眼。実際親戚だろうけど、いつも校長とワンセットという感じだ。にぱって感じの無邪気笑顔をしていて、応接用のソファに座っていて煎餅をかじりながらテレビを見ている様子のようだ。執務机は空だからどうやら留守のようで。

「校長先生はどちらにいるか知っているのか?」

「マリお姉ちゃんなら、帰ってくるまでここで待ってるといいのです」

ホントに鞠同様のような天使笑顔をしてくるので、小型無人偵察機が笑顔を撮った時はロリコン好きの隊員が興奮したと後々に聞いた。その時の担当がロリコン好きの男性隊員で、烏や雀に鞠と言った幼女を見てからロリコン好きになってしまった。戦闘時は真顔になって戦うが、監視側の時や休みの時は今まで撮り溜めしていた写真を見るのが好きとか。話が脱線したが、ここで待つのならそうさせてもらおうと対面のソファに腰を下ろす。天使ちゃんが笑顔のまま、ソファの隣に叩いていたけど。沙紀は俺の後ろで立つ予定だったが、長時間立たせるのも悪いので俺の隣に座れと言った。すると天使ちゃんは腰を上げて沙紀の反対側に座った。

「何かな?」

基本的に俺は女性に対してある程度耐性が付いているので、幼女や大人の女性が話しかけてきても苦手意識を出さないようにしている。でも女性パワーはとてもあると知っているので、用心している。

「それとなぜにくっつく?」

「まーやは誰かにくっついてないと、死んじゃうのです」

「そーいえばいつ見ても、校長にくっついていたなー・・・・ってなんでやねん!今のは嘘だな」

「とても溜めたツッコミなのですが、嘘なのです」

えへーという笑顔を見せてくるのでとりあえず話しかける事にした。

「君は学校に行かないのか?」

一応この子の事については知っているが、聞いてみた。その方がいいと思ったけど。

「まーやは他の人よりずっと早く《救世主(セイヴァー)》として目覚めてしまいましたから、国の偉い人が作った決まりで小学校に行かせてはもらえないのです。義務教育の崇高な精神は死んだのです。だから毎日、マリお姉ちゃんと一緒にいるのです」

「と言う事は、友達とかはいないのかな?」

「そうなのです『では校長先生が来るまで君と話しているか』わあ!まーやはとても嬉しいのです!」

エンジェルスマイルを見た俺と沙紀は、大喜びをした子としばらく話している事にした。どーせホームルームをサボっても大丈夫だろう、たぶん。この子の名は四門摩耶と言い、この子にしてれば難しい字を使うんだなと思ったが、本人曰くまーやと呼んで欲しいと言う事で俺も沙紀もそう呼ぶ事にした。俺も沙紀も互いの名前で呼んでもいいと許可したが、沙紀だけはさん付けで頼むと頼んだら承諾してくれた。大人の女性だからかもしれない。

「実は前々から諸葉と沙紀さんとはゆっくりお話したかったのです」

「俺もそうだけど沙紀もか?良い話し相手になればいいのだが・・・・」

「まあ私としては構いませよ。先程の生徒よりかはマシな相手です」

先程の生徒と言ったのでまーやがマシな相手とは何ぞやと聞いてきたので、先程の女子生徒の事を話してた。最近は黄色い声を出しては俺を困らせる事をしてくるので、護衛者としては最近忙しくなったと言ってた。ま、俺もカウンセラーをよくやるが、沙紀とはその話が話題となっていた。

「それで?俺に聞きたい事はあるのかな?」

お兄ちゃん気分で俺は聞くと、まーやからの質問は随分と大人な質問だった。

「彼女さんが二人いるってどんな感じなのです?混乱しないのです?」

俺は神皇帝として目覚めてどんな感じなのか?とか三つの記憶があって混乱がある?とかだったが、マヤは随分とストレートに聞いてきたのだった。

「おやおや。見た目子供で中身は大人な感じ何だな・・・・。彼女が二人いると言う感想だったか、そーだなー、今は恋仲としてや兄妹のように接しているがまた増えそうな予感がするんだよな」

「つまり立候補がまだいるのです?だったら、まーやも立候補するのです」

「まーやも俺の彼女になりたいのか?まあ俺的にはハーレムになっているのかもしれない、零様も織斑様もハーレム状態だと聞くからな」

サツキと静乃も大切な恋仲ではあるが、俺=織斑一真はハーレム状態となっている。拠点D×Dに戻れば、本妻である奏を始めとした妻達である桃香達恋姫チーム、吉音達大江戸チーム、箒達ISチーム、ブラック・シャーク隊の女性隊員達、ミーガン達前四大魔王と元神のシャルロット、黒神眷属女性メンバー、あとは久遠達戦国チームだな。今の所三桁は余裕に超えているが、この事はまだ言わない方がよさそう。

「まーやも大切にしてもらえるように、頑張るのです」

そう言いながら、俺の膝を愛撫するようにしてまーやがさり気なく手を伸ばしている。普通の高校生が幼女のような子と相手をするのは、とても疲れると言うが俺にとっては耐性がついているので俺の膝の上に座って笑顔をしても、俺は自然的に笑みを浮かべる。沙紀もまるで俺と奏と小さい頃の優斗を相手している感じを思い出したのか、静観していた。 
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