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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第九十五話 究極の合成獣

 
前書き
ヴェノムヴァンデモン戦に相当。

はやて「リリカルアドベンチャー、始まるで」 

 
大輔「くそっ!!」

岩を殴る大輔。
ヴァンデモンを倒すことは出来たものの、霧の結界は晴れるどころか霧の濃度が増しているのだ。

フェイト「これからどうするの?」

フェイトが辺りを見回しながら尋ねる。

大輔「一度クロノ達の所に帰ろう。何とかして霧を晴らさないとな」































子供達はプレシア達が待つ廃ビルに着いた。

クロノ「大輔、ヴァンデモンを倒したんじゃないのか?」

大輔「倒した…はずなんだけどな…」

ゲンナイ『久しぶりじゃな、選ばれし子供達!!』

すずかのパソコンにゲンナイの顔が映し出された。

大輔「爺…」

フレイモン[おい、爺。ヴァンデモンが死んだのに霧が一向に晴れないぞ!!一体どういう事なんだよ!!]

ゲンナイ『少しは落ち着かんかい!!まずは新たに仲間になった子供達の顔が見てみたい…顔を見せてくれんか?』

ルカ「スバル、ギンガ…ティアナも」

スバルとギンガ、ティアナの3人がゲンナイの前に立つ。

ゲンナイ『お主達が…ふむ、とても良い目をしとる。』

ブイモン[おい、爺。それより一体全体何が起きてるんだよ!!?このままじゃ日光浴も出来やしない]

全員【おい】

不謹慎な発言をするブイモンに全員がジト目で見遣る。

ゲンナイ『分かった、分かった、まずはヴァンデモンについてじゃが…。ヴァンデモンは確かに死んで、デジタマとなって回収された。』

コロナモン[じゃあ、何でだよ!!?]

ゲンナイ『恐らく、ヴァンデモンの脅威は無くなっておらんのじゃろう。恐らく霧の結界を操る者が他におる』

ルカ「何ですって?」

ゲンナイ『そこでじゃ、役に立つかは分からんが、古代遺跡で見つかった予言の詩をお前達に教えておこう』

ゲンナイの言う予言の詩は次のような言葉だった。

ゲンナイ『始めに蝙蝠の群れが空を覆った。そして人々はアンデッドデジモンの王の名を唱えた。時が獣の数字を刻んだ時、アンデッドデジモンの王は獣の正体を現した。奇跡と運命を司る子は絆を司る子と共に人々の想いを結集し、奇跡を起こす。人々の想いが集まる時、古の力が蘇る…と、ある。では、幸運を祈るぞ』

そう言ってゲンナイは画面から消えた。
フレイモン[それだけかよ…]

フレイモンが頭を掻きながらぼやいた。

大輔「とにかく、捕まっている子供達を助けよう。今はそれしか出来ない」

フェイト「うん…」

賢「奇跡と運命を司る子…か…」

他の子供達と大人達が結界の中心に向かい、賢の言葉を聞いた者はいなかった。

































記憶を頼りに霧の結界の中心部に辿り着けた大輔達。
大輔達はヴァンデモンが飛び出た場所に子供達がいると予想し、そのビルの中に入っていく。
































子供達はストラビモンの案内で、ビルの中の子供達がいる場所に辿り着く。
そこには倒れている大勢の子供がいた。

クロノ「脈拍は正常だな…眠っているだけのようだ。」

なのは「そう…よかった」

クロノは眠っている子供のバイタルを調べている。

ルカ「ヴァンデモンは既にデジタマ化していますから、予言は外れたようですね」

アリサ「あんな爺の言うことなんて信じられるわけないでしょ…」

アリサが呆れたように言う。






























そして地下に存在するキメラモンは少しずつ、動きを見せていた。
機器に設定されていたキメラモンが完成する時間は6時6分6秒。
偶然か必然か予言にあったのと同じ時間。
6時6分6秒まで…後。






























大輔「とにかく、子供達が起きたら安全なとこまで運ぼう。ここが危険なのは変わらないからな」

はやて「せやな」

賢「獣の数字、666。どういう意味なんだろうか?」

ルーテシア「師匠、どうしたの?ゲンナイさんの言うことなんて信じない方がいいよ基本的に。」

キャロ「散々酷い目にあってるし」

エリオ「うんうん」

大輔「あの爺はお前達の代でも適当なのかよ」

エリオ「はい」

時計が6時6分6秒を指した。
ズドオオオンッ!!

全員【!!?】

凄まじい轟音と振動で、全員が尻餅をついた。
窓から外を見る。

[グオオオオオオン!!]

凄まじい咆哮を上げる怪物、キメラモン。
大輔と賢はそのデジモンに目を見開いた。

大輔「キメラモン!!?」

賢「まさか…ゲンナイさんの言っていた奴とはあいつなのか!!?」

はやて「あかん!!早くあいつを止めるんや!!」

ルカ「行きましょう皆さん!!クラナガンを滅ぼされるわけにはいきませんから!!」

スバル「うん!!」

アリシア「選ばれし子供達、出動!!」































大輔達はパートナーと融合し、キメラモンの元に向かう。

大輔『キメラモン!!これ以上はやらせないぜ!!』

パイルドラモンイクス[デスペラードブラスター!!]

エネルギー波がキメラモンに直撃した。

アリシア『やったあ!!命中!!』

煙が晴れると全くダメージを受けておらず、掠り傷すらついていないキメラモンがいた。

[何だ、今のは…?]

アリサ『効いてない…それに喋った…』

大輔『俺が戦ったキメラモンの何十倍の強さがありそうだな……』

ティアナ「キメラモン…?いや、キメラモンカオス…究極体。様々なデジモンパーツで合成されたデジモン。デビモン、エンジェモン、スカルグレイモン、カブテリモン、クワガーモン、エアドラモン、グレイモン、ガルルモン、モノクロモン、メタルグレイモンのパーツを組み合わせている。ムゲンドラモンの試作型として造られたとも、ムゲンドラモンを倒すために造られたとも言われている。そのため何故作られたのかは謎の包まれている。恐るべき闘争本能持っており、ありとあらゆる物を破壊し続けると言われているキメラモンが暗黒の力を得て、通常の何倍ものパワーを得た。必殺技はキメラモンの数十倍の威力を誇るギガヒートバイパー。合成元のデジモンの一部の技も使え、無尽蔵とも言えるパワーは衰えを知らない」

大輔『成る程、つまりこいつを倒さないとミッドチルダに未来はねえってことか!!』

賢『キメラモン…』

遼『来るぞ!!』

キメラモンカオス[ウオオオオ!!]

一輝『速い!!?』

巨体に似合わぬスピードに一輝は目を見開く。
キメラモンカオスの全ての腕が迫る。
キメラモンカオスのハイブリッドアームズ。

フレアモン[ぐあっ!!?]

クレシェモン[うわあああ!!?]

反応出来ずに、まともに喰らったフレアモンとクレシェモンが吹き飛んだ。
地面に叩きつけられた二体は退化、融合が解除されてしまう。

大輔『アリサ!!?』

賢『すずか!!?』

一撃でやられた二人に全員はキメラモンカオスの力に戦慄し、全員が今出来る最高の状態になる。
パイルドラモンイクスとジュエルビーモンは一段階退化し、ジョグレス。

キャロ『ルーちゃん!!』

ルーテシア『OK!!久しぶりのジョグレスといこうか!!』

エクスブイモンエア[エクスブイモン!!]

スティングモングランス[スティングモン!!]

エクスブイモンエア、スティングモングランス[[ジョグレス進化!]]

ディノビーモン[ディノビーモン!!]

キャロのエクスブイモンとルーテシアのスティングモンのジョグレス完全体、ディノビーモンが降臨した。

ダスクモン[ダスクモン、スライドエボリューション!レーベモン!!]

ダスクモンも一撃の攻撃力が高いレーベモンにスライドエボリューションし、槍を構えた。

キメラモンカオス[ククク…面白くなってきた…さあ…来い!!]

ルーテシア『馬鹿にしてくれちゃって!!』

ディノビーモン[イリタントバズ!!]

レーベモン[エントリヒ・メテオール!!]

ディノビーモンとレーベモンの技がキメラモンカオスに炸裂した。

フェイト『やったの…?』

キメラモンカオス[フハハハ…それで攻撃のつもりか?攻撃とはこういう物だ…ヘブンズナックル!!]

キメラモンカオスの拳から放たれたエンジェモンの物とは比較にならない威力の光が迫る。
全員が何とか回避するが、キメラモンカオスは突っ込んで来る。

キメラモンカオス[お前達が戦う意志を見せなければ、俺はこの世界を破壊しつくすだけだ!!レザーウィング!!]

デビモンの光線技が放たれた。
それを回避するが、街が凄まじい勢いで破壊されていく。

大輔『野郎…許さねえ!!』

パイルドラモン[うおおおおお!!]

パイルドラモンとキメラモンカオスがぶつかり合う。
キメラモンカオスの攻撃をかわしながら、パイルドラモンはキメラモンカオスに攻撃を入れていく。

キメラモンカオス[…やっと本気で戦う気になったようだが…]

キメラモンカオスの拳がパイルドラモンに炸裂した。

パイルドラモン[ガ…ッ]

キメラモンカオス[その程度の力で…]

デビモンの手が吹き飛ぶパイルドラモンを掴み、全ての腕に力を込めた。

キメラモンカオス[この俺を倒せると思っていたのか!!!!]

全ての腕を駆使して攻撃するハイブリッドアームズが炸裂した。

パイルドラモン[ぐあああああっ!!!!]

パイルドラモンが吹き飛び、ビルに激突する。

はやて『あ、あの…パイルドラモンが簡単に…』

フェイト『こ、こうして向き合ってるだけで心が挫けそう…まるで悪魔…いや、破壊神…』

キメラモンカオス[屑共が…消えろおおおおおおっ!!!!]

全ての腕から放たれる極太の熱線、ギガヒートバイパー。

グレイドモン[くっ!!]

ヴォルフモン[あんなのをまともに喰らったら、転生データすら跡形もなく消し飛ぶぞ…!!]

何とか回避する一同。

キメラモンカオス[避けたか…流石は戦闘種族だと褒めてやりたいところだ!!]

一輝『くそ…こんな化け物相手にどうしろってんだよ…』

ディノビーモン[ぐあっ!!]

デスクロウがディノビーモンに掠る。

パンジャモン[獣王拳!!]

パンジャモンの獣王拳がキメラモンカオスの顔面に炸裂し、グレイドモンの剣がキメラモンカオスに迫るが、身体があまりにも頑強過ぎて剣の方が砕けた。

グレイドモン[ば、馬鹿な…?]

キメラモンカオス[今の一撃はよかったぞ…だが…]

グレイドモンをスカルグレイモンの腕で殴り飛ばす。

キメラモンカオス[貴様の力不足だ…]

Bウォーグレイモン[化け物か貴様…!!]

あまりの強さにブラックウォーグレイモンですら顔をしかめ、吐き捨てる程であった。

キメラモン[化け物…?違う、俺は全てを超える最強の破壊神だ!!]






























大輔「痛てて…賢、大丈夫か?」

賢「あ、ああ…何とかな…」

大輔「ぐっ…口の中が切れちまった…畜生…」

大輔は口の中に溜まった血を吐きだすと、立ち上がる。

賢「しかし、パイルドラモンですら歯がたたないなんて…すずかとアリサは大丈夫だろうか…?」

大輔「あいつらなら大丈夫、信じろ…さて、どうするか」

パイルドラモンの攻撃すらまともに効かず、一撃を受けただけで退化してしまう程だ。
再びジョグレスしても結果は同じだろう。
大輔と賢は策を練り始める。
あの怪物を倒すための策を。































ディノビーモン[イリタントバズ!!]

エアロブイドラモン[ブイブレスアロー!!]

メガログラウモン[アトミックブラスター!!]

三体の必殺技が炸裂した。
煙がキメラモンカオスを覆う。
しかし、キメラモンカオスは笑いながらメガログラウモンとディノビーモンを殴り飛ばし、エアロブイドラモンを掴んで、握り潰そうとする。

エリオ『母さーん!!』

ダスクモン[ブルートストライク!!]

グレイドモンとは違い、レーベモンからスライドエボリューションしたダスクモンの斬撃はキメラモンカオスのクワガーモンの腕の切断に成功した。

エリオ『やった!!』

喜色を浮かべるエリオだが、すぐに表情は驚愕に変わる。
キメラモンカオスの切断された腕が再生したのだ。
ダスクモンも驚愕したが、そこは歴戦の戦士。
直ぐさま距離を取る。

ダスクモン[破壊神というのは伊達ではないらしいな…]

ダスクモンの脳裏にある選択が過ぎる。
進化するかと。
最終手段が選択肢として脳裏を過ぎったが、それこそ一番やってはいけないと、ダスクモンは首を振ってアイディアを思考から締め出した。
あんな理性無きおぞましい姿は断じて他者に見せられない。
己の完全体の姿は、それ程までに醜悪で他者に見られたら最後、プライドが切り刻まれる。

メガログラウモン[ダスクモン、危ねえぞ!!]

パンジャモン[そこから離れろ!!]

ダスクモン[っ、しまった…]

ダスクモンは右腕のブルートエボルツィオンを掴まれる。

ダスクモン[くっ…離せ…!!]

もがくよりも先にキメラモンカオスはブルートエボルツィオンを握り砕いた。

ダスクモン[馬鹿な…俺のブルートエボルツィオンが…!?]

ダスクモンは呆然と呟いた。
ブルートエボルツィオンは自分の手も同然であり、それがキメラモンカオスにより握り砕かれた。
己の誇りの象徴とも言える剣を。

ダスクモン[己…!!]

ワーガルルモンX[離れるんだダスクモン!!カイザーネイル!!]

メタルグレイモンX[テラデストロイヤー!!]

衝撃波とミサイルが同時に炸裂し、エンジェウーモンとヴォルフモンが同時に光線と光弾を放ち、キメラモンカオスに直撃させた。

ヴリトラモン[ダスクモン、何か手はないか?悪いが、もう俺にはどうすることも出来ない]

コロナブラスターもフレイムストームも、自慢のパワーも通用しない。
最早自分ではどうしようも出来ない。

ダスクモン[…進化する]

ヴリトラモン[は?]

ダスクモン[完全体に進化する。貴様らは時間を稼げ。エリオとの同調を深める]

ゴーストムーブで更に距離を取るダスクモンにヴリトラモンはダスクモンの言葉に驚く。
ヴリトラモンの十闘士としての記憶に間違いがなければ、ダスクモンの完全体の姿はとても醜悪な物。
よほどのことでなければ進化しないと言うのに。

ヴリトラモン[(それだけ腸が煮え繰り返ってるってわけか…)]

ブルートエボルツィオンはダスクモンの戦闘の要であるのと同時にダスクモンの誇りの象徴でもある。

ヴリトラモン[さてと…時間稼ぎをするとしますか]






























エイミィ「大輔君!!」

大輔「あ?エイミィ?何でお前がここに!!?しかもプレシア達まで…」

エイミィ「大輔君、ここは私達がいたビルの付近。つまり君達がここに来たの。せっかくだし見に来たよ」

ブイモン[ハア!!?たく、いつもいつもどこでも野次馬根性の据わった奴だなお前は?]

エイミィ「聞こえてるよシスコンブイモン!!」

ブイモン[ブイモン…ヘーーーッド!!]

ドゴオッ!!

エイミィ「げふう!!?」

鳩尾に頭突き。

ブイモン[誰がシスコンだ!!俺はただ妹思いなだけだ!!ブイモンパンチ!!]

追撃に顔面にパンチ。

大輔「自覚がないのは怖いよな」

ワームモン[ねえ?]

クロノ「何をしているんだこの非常時に…」

呆れ顔のクロノ。
大輔はクロノ達の後ろを見遣ると恐怖に怯えている子供達の姿があった。

大輔「逃がしてないのか?」

クロノ「お前達が周りを見ないで大暴れしてくれたおかげで退路がないんでな。逃げるにも逃げられん」

そしてキメラモンカオスが全身から衝撃波を放ち、時間を稼いでいたヴリトラモン、エアロブイドラモンが吹き飛ばされ、退化した。

フェイト「うぅ…っ」

プレシア「フェイト、しっかりしなさい」

プレシアがフェイトを支える。

フェイト「うん、ありがとう母さん…」































ダスクモン[ダスクモン超進化!ベルグモン!!]

エリオとの同調を深め、完全体への進化を遂げる。
伝説の十闘士“エンシェントスフィンクモン”の力を受け継いだ、闇の属性を持つ巨鳥型デジモン。
別名“死者を飲み込む者”と呼ばれる。
プライドが高いダスクモンはこの醜い姿になることを嫌っていると言われているベルグモンに進化した。

ベルグモン[マスターオブダークネス!!]

額から怪光線を放つ。
マスターオブダークネスには二つの性質がある。
攻撃と支配。
一つは闇のエネルギーを操り、攻撃に扱う。
もう一つは相手のエネルギーの性質を闇に変え、支配する。
今回使うのは攻撃。

キメラモンカオス[ぐう!!?]

直撃を受け、ようやくダメージを受けた。

ディノビーモン[イリタントバズ!!皆は一度下がるんだ!!体勢を立て直せ!!]

全員【了解!!】

ベルグモンとディノビーモンがキメラモンカオスと戦っているうちに全員が大輔達と合流する。


































大輔「随分とやられたなお前ら」

はやて「痛たた…仕方ないやろお?これでも必死に頑張ったんやで?」

アリサ「今はベルグモンとディノビーモンが抑えているけど、長くは持たないわ」

賢「ああ、このままでは敗北は確実だ」

エイミィ「か、勝てないの!!?大輔君達でも!!?」

大輔達なら絶対に大丈夫だと信じていたエイミィがへたりこんだ。

なのは「今のままでは勝てない。でも必ず何とかする!!」

「無理だよ…勝てっこないよ…」

1人の子供が震えながら言う。

大輔「何…?」

「あんなのに勝てるわけないよ…」

女の子が泣きながら言う。

大輔「…無理なもんか…」

フェイト「皆の力を合わせれば…きっと勝てるから…!!」

「無茶苦茶だよ…」

「怖い…」

ティアナ「私だって怖いよ」

ティアナが女の子に近づき、手を見せる。
手は小刻みに震えている。

ティアナ「君だけじゃない。皆凄く怖いの。でもね、皆を守りたいから戦うの」

大輔「そういうことさ…皆の力を1つにすればあんな化け物…」

クロノ「力を1つに…?そうだ。あの予言の続きだ!!」

エイミィ「あの予言だね?今更役に立つとは思えないんだけど…えっと…“奇跡と運命を司る子は絆を司る子と共に人々の想いを結集し、奇跡を起こす。人々の想いが集まる時、古の力が蘇る”…だったね?」

リンディ「奇跡と運命を宿す子供は…大輔さんとフェイトさんね!!」

クロノ「絆の子はなのはのことか」

ゲンヤ「それじゃあ人々ってのは…」

クイント「私達のことね!!」

ベルグモン達が抑えている間に大人達は次々に予言を解明していく。
しかしここで…。

クロノ「問題はどうやって僕達の力を1つにするかだ…」

これが最大の難問であった。

「やっぱり…駄目なんだ…」

男の子が震えながら言う。

フェイト「どうしてそう簡単に諦めるの?」

「だって…私達にはお姉ちゃん達のような生き物もってないもん…」

大輔「デジモンはな?皆がいて欲しいと心から願えば現れるんだよ。それは、俺達に心があるのと同じように。俺達人間には大人、子供とか関係無く夢を叶える力があるのと同じようにさ!!」

「夢…?」

大輔「君にもあるんだろ?将来の夢がさ?恥ずかしがらなくてもいい。君の夢を聞かせてくれ。」

「…私、時空管理局で働きたいの。パパやママには無理だって言われたけど…」

大輔「そんなことない。きっと実現出来る。諦めない限り絶対に!!」

「僕…お兄ちゃんみたいな強い人になりたかったんだ。でも皆に言ったら笑われた。」

ブイモン[いい夢じゃないか。でも、大輔を目標にしていいのか?世界には大輔より強い奴が一杯いるんだぜ!?]

「そうだよね、夢を見るくらいは自由なはずだよね」

スバル「そうだよ!!自由に考えられない世界なんて、私知らないもん!!」

スバルが叫ぶ。

賢「誰もが叶えたい夢が1つや2つくらいある。誰が何て言おうと自分の夢を叶えたいと思うのは悪いことじゃないんだよ!!」

ユーノ「そうだよ。例え叶えたい夢が無くてもこれからのことを考えることだって、それもまた夢さ」

「夢を実現する力って僕達にもあるの?」

大輔「当然」

「本当に?」

大輔「ああ!!」

フェイト「皆!!私達に力を貸して!!」

【うん!!】

すると子供達の足元に光が…。

[信じてくれてありがとう!!]

[君達のパートナーデジモンだよ!!]

クロノ「これは!?」

エイミィ「私達の…パートナーデジモン…!!?」

デジモン達はパートナーの手に跳び移る。
全員が慌てて抱き留めた。
子供達の表情に歓喜の色が浮かぶ。
子供達の手には大輔達と同型のデジヴァイスが握られていた。
D-3から光が放たれ、光はなのはの真上で1つの塊となる。

クロノ「受けとれ!!」

エイミィ「私達皆の力を!!」

なのは「大輔さん!フェイトちゃん!!!」

なのはのD-3のディスプレイに絆の紋章が浮かび上がり、力が一つになり、聖なる力となって大輔とブイモン、フェイトとチビモンに降り注ぐ。

ブイモン[力が漲る!!]

ブイモンはパイルドラモンイクスに進化した。
そしてD-3から奇跡のデジメンタルが現れ、パイルドラモンイクスに吸収された。
そして光を浴びたチビモンにも変化が現れる。

パイルドラモンイクス[パイルドラモン究極進化!マグナモン!!]

チビモン[チビモンワープ進化!アルフォースブイドラモン!!]

それは正に奇跡の進化だった。
大輔達は人々の未来を信じる力を得て、究極体への進化を会得したのだ。 
 

 
後書き
キメラモンカオス

イメージCV:島田敏

ヴァンデモンが切り札として製造したデジタルワールドでも飛び抜けた実力を持った個体のパーツを合成し、暗黒の種の力を元にサーバ大陸全体に張り巡らせたダークケーブル並の暗黒の力を使い生み出された。
必殺技は通常のキメラモンのヒートバイパーの数十倍の威力を誇るギガヒートバイパー。
合成元のデジモンの一部の技まで使え、更には無尽蔵で無限に溢れるパワーとあらゆる攻撃に耐える堅牢なタフネスを誇る。
ベルグモンの攻撃でようやく怯んだ程度…作者である自分の予想をも大きく上回った怪物です。 
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